岐阜の木造注文住宅を「完全自社施工」する岐阜県岐阜市の凰(おおとり)建設のスタッフブログ

凰スタッフブログ

森 亨介

18.01.12

凰建設の家では湿度40%~60%にこだわらないで

冬になると気になるのがインフルエンザですね。

インフルエンザ予防のために加湿をしましょうと、よく言われます。

加湿器の湿度設定は多くの商品で50%~70%となっております。

凰建設の家で初めての冬を迎える方も、乾燥を気にして加湿器を購入される方がいらっしゃいます。

 

でも、ちょっと待ってください。

 

実は、暖かい家で50%や70%の湿度にしてしまうと、家の中の湿度が高すぎになってしまっている可能性があるんです。

通常、私たちが湿度の単位にしているのは相対湿度といって、%で表示するものです。

しかし、建築環境工学上、より多く使われるのは絶対湿度といい、g/kgDAや、g/㎥、kg/kgDAという聞きなれない単位で表されます。

小学校の理科の時間に塩水を作る実験をしたと思います。水に塩を入れていくと、ある量からはそれ以上塩が溶けなくなりますが、水を温め、温度を上げていくと、更に塩が溶ける様になりました。

実は空気中の水分も同じことが起こっており、温度が高いと、より沢山、水を含むことができる。

30度の空気が70%の湿度なのと、10℃の空気が70%なのでは、空気が含んでいる水の量には大きな差があるという事ですね。

空気線図(補間表作成用).jpg

※クリックで大きくなります。

 

これは空気線図と呼ばれる、温度と湿度の相関関係を表す図です。

2017年の岐阜市実績より、例えば冬、1/24日の10時は1.96g/kgという、空気がカラカラに乾いている状況でした。

そして半年後の夏、7/26日の夜10時は、21.96g/kgという、非常に湿った空気の夜でした。

一年の間に、こんなにも絶対湿度差があるのですね。

で、冬のインフルエンザ対策の話になりますが、

こんなサイトがあります。

実はインフルエンザ予防にも、絶対湿度はとても大きく関係してきているのですね。

サイトの中で7g/㎥の絶対湿度であればインフルエンザの生存率は17%と言われております。

更に加湿するに越したことはないのですが、私としては、この7g/㎥(5.8g/kg)を基準に考えても良いと思います。

ここで、例えば室内気温が13℃の部屋があった場合、5.8g/kgまで水蒸気量を持っていくとなると、70%の相対湿度でないといけない事になります。

ところが、室温が20℃の部屋であった場合、40%まで加湿してあげれば5.8g/kgの水蒸気量になります。(図中オレンジライン参照)

 

絶対湿度の概念を理解して、効果的なインフルエンザ対策を行っていきたいですね。

凰建設の家では、冬場の室内は20℃40%を目安に過ごしてくださいませ。

 

森 亨介

18.01.11

明けましておめでとうございます。

新年も少しだけ落ち着いてきました。

私の年始は講習会への参加からでした。
1/5に岐阜県主催の自立循環型住宅の研修会に参加致しました。温暖地版のテキスト(緑色)を持っていなかったので、ちょうど良い機会になりました。

2018-01-11 18.44.07.jpg

講師は森林文化アカデミーの辻先生と
建築研究所理事の澤地先生。

澤地先生もタッチされておられる
https://www.jstage.jst.go.jp/…/75_654_741/_article/-char/ja/
こちらの論文の中身について質問をしたところ、
詳しくは建築研究所の技術情報を見てみなさいとのこと。
http://www.kenken.go.jp/…/d…/house/4-3_160401_v03_PVer02.pdf
こちらのサイトを紹介していただきました。

が、論文を順番に追いかけて行こうと思っていたところ、(現在における)最終結論をご紹介いただいてしまい、読み込みにひーひー言っております。

とりあえず知見になりそうなポイントをいくつか。
知っている人もいるとは思いますが、、

外気温が変動した場合、、、

冷房(外気温が25℃から上がるにつれ)
・能力低下はそんなに起こらない
・消費電力はどんどん増えていく

暖房(外気温が12℃から下がるにつれ)
・能力低下がどんどん進む
・消費電力はほぼ変わらない

 

最大能力の50%あたりが、最もCOPの高い出力帯。
定格能力ではなく、最大能力で見るべし。

エアコンの選定については本当によく誤解されます。

お住まいになるお客様は勿論、住宅のプロやエアコン取付を専業としている方ですら、この赤文字の事実を知りません。

何畳用という表記をそのまま使ってしまうので、せっかくの高性能エアコンが、全く生かされていない家が沢山沢山作られています。

ここについてはまた改めて詳しくお話ししたいと考えております。

 

実測でも4.0kW以上のエアコンのCOPは低い結果が出たので
4.0以上のものはなるべく使わない方が良い。

また、自立循環型住宅の換気項目に「パッシブ換気」に関する記述が登場していたのには驚きました。ここは「皆さんのレベルではまだ必要ない」とすっ飛ばされてしまったのですが、できれば個別にもっと質問したかったです。。

森 亨介

17.12.25

ネコも杓子も高気密高断熱住宅の時代に

今、家を建てる際に「暖かくなりますよ」「涼しいですよ」「省エネで経済的ですよ」

という言葉を聞かずに計画が最後まで行ってしまったという人はいません。

どこの会社に行っても営業担当者は、「暖かい涼しい光熱費が安い」という言葉を使うからです。

高断熱という言葉が当たり前になってきたという事ですね。

 

これは、大変喜ばしい事で、断熱がきちんとしてあって、少ないエネルギーで暖かくなる家が増えることは

住まう人にとっても、その地域にとっても、日本にとっても、地球にとっても、大変なメリットがあります。

 

ただ、高気密高断熱という言葉は便利なもので、どこまで断熱すれば高断熱なのかというイメージは人それぞれです。

今、日本にはまだ半分近くの無断熱の住宅があります。それを断熱レベル1の建物とします。

1に比べれば、2であれ10であれ、100であれ、全部が高断熱ですね。

 

日本人はイメージや空気を大切にしますが、住宅の断熱性能に関して言えば、イメージや空気と言ったものは何の役にも立たず、

マシュマロと大安心と夢があったら、いったいどれが一番いいのかと言われても言葉だけではさっぱり分かりません。

 

暖かい、涼しいというのは温度という物理現象が起こします。物理現象に、魔法のようなものはなく、必ず暖かい、涼しい家には理由があり、数字で表せられます。

 

世の中の建築屋さんは皆さん自信を持って、暖かい家を作っていると言いますが、なぜ暖かい家になるのかという理由を言える人はほぼいません。

 

美味しいカレーを作ります。なぜならば、ハウスのカレー粉を使っているからです。

暖かい家を作ります。なぜならば、〇〇という断熱材を使っているからです。

 

大抵そのくらいの物です。

 

各断熱材が、どの程度の断熱力を有し、どの程度の熱容量を有し、それを分かったうえで、住まう家族の為に最適な素材と量を計算して家を作るのが、本来の注文住宅だと思います。

先週で、岐阜高専は年内最後の講義でした。

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イメージだけの、地震に強い家や、断熱性の高い家を作っている建築屋さんがこれ以上増えないように、

基準ギリギリ欠陥ギリギリの住宅をあの手この手で作っている住宅業者さんがこれ以上増えないように、

 

学生さんのうちから、きちんと数字で性能を語れる人材を育てています。

 

一生に一度どころか、これからは何世代も住んでいかないといけない家を作るわけですから。

100年後でも責任が取れる家を建てたいと思っています。

 

森 亨介

17.12.20

お客様には言えない、家に関する不都合な真実は存在するか?

いつも家を建てる事を検討されているお客様に聞くことがいくつかあるのですが、

そのうちの一つに、「いつ頃家を建てる事を考えていらっしゃいますか?」というものがあります。

 

うーん、2年後くらいかなぁ。というのが一番多い答えです。

勿論、いつ建ててもいいのですが、今建てる事と2年後に建てる事の違いをきちんと把握しておられる方は非常に少ないです。

 

まず、殆どの方が、「住宅は値上がりを続けている」という事実を知りません。

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国土交通省が毎月、住宅の工事価格を公表しております。

住宅金融支援機構さんが定期的に情報をまとめてくれておりますが、

2010年から2017年まで、値上がり続けているのが分かると思います。

また、建築の平均単価もリアルな数字として公表されています。

 

まともな家を建てようと思うと、1㎡あたり25万円というのが、現在の「平均価格」なわけですね。

35坪(115㎡)の建物を建てると2875万円というのが、全国平均になります。

更に、耐震等級3、省エネ等級G2などと、グレードを上げていくと、もっとお金が掛かるという事ですね。

 

国交省はじめ、経産省、環境省、厚労省など、建物に関わる政策を打ち出している省庁は、

それぞれのホームページで、一生懸命、統計データや、これからの理想の住宅像を公表しております。

 

しかし、殆どのお客様は勿論、建築業者ですら、その情報を受け取っている人はいません。

 

なぜでしょうか。

 

実は、国や省庁が公表する、正しい数字、これから日本の住宅をこうしていきたいと考えている事は、

多くの建築業者にとって「あまり受け入れたくないもの」だからです。

省エネや耐震をしっかりするためには、様々な計算が必要になってきます。

想定通りの光熱費で住めるのか、想定した地震の範囲内なら無傷で住めるのか。

 

そういうことを今までの住宅業界は「だいたい」でやってきました。

しかし、これからは、しっかりと計算をして、お客様に根拠のある数字を提示しましょう。

そうしてある家を優遇しましょう。そういう事が出来る設計事務所や建築会社が生き残ってください。

と国は考えております。

今の時代「だいたい」で家を建てられるのは日本くらいのものです。

お隣の中国や韓国でも、しっかり計算して、一定以上の性能を有する家でないと建ててはいけない事になっています。

 

凰建設に来られるお客様は「そんなこと、どこの会社も教えてくれなかった」と、よく言われます。

国交省が出している建築予定価格以上に公平なデータはありませんが、その認知度はなぜか非常に低い。

住宅業界全体で不都合な真実をお客様に隠しているとしか思えません。

 

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大きな会社になればなるほど、業務が分担されます。そして、営業担当と呼ばれる人の仕事は「契約を取る事」になります。

はっきり言って、自分の契約さえ取れれば、その建物やそのお客様がどうなるかという事よりも、「次の契約」を取る事の方が大切になってきます。

住宅はとても息の長い商品です。

その人が、どのくらい先まで見据えて家づくりという仕事に取り組んでいるのかを見極める事は、とても重要になってきます。

 

凰建設では、ご来場いただいたお客様にはまず「絶対失敗する家づくり」についてお話をさせていただきます。

今日お話しをさせていただいた、誰も知らない国交省発表などは、その一部です。

 

家づくりにおいて大切な事は何か。その大切だと言われてきたことには根拠はあるのか。

その根拠は信頼できる先が出しているものなのか。

 

是非、賢い家づくりをしていただきたいと思います。

森 亨介

17.12.16

あなたの家を建てる人は誰ですか?

昔こんな冗談がありましたね。

大阪城を建てたのは誰でしょう?

うーん、豊臣秀吉!

ぶーっ、正解は、大工さんでした!

 

当たり前じゃないかと思いつつも、なるほどそうだと思いませんでしたか?

家を建てる殆どの人が知らない事実があります。

 

日本にある建築会社の殆どには「大工さん」がいません。

お客様の家を最終的に建てるのは間違いなく大工さんです。

しかし、お客様が家づくりを頼む先は大工さんではありません。

 

建築会社から下請けの会社に仕事が出され、場合によっては孫請けに出され、、孫請けの会社さんから仕事を貰うのが「大工さん」になります。

つまり、家を建てる人の殆どは、大工さんとはつながりが無く、大工職という工程を担当する、孫請け、曾孫請けの業者という形でのつながりとなります。

 

建築会社からすると、大工さんは下請け(協力会社)という形でお付き合いをしていただいた方が楽です。仕事があるときだけお願いすれば良いのですから、景気が悪く仕事が無い時はお金を払わなくてもいいからです。

また、建築に携わる職人さんの中でも、大工さんは圧倒的に下積み時代が長い職種です。一人前になるまで育てる仕組みや、それまで待つがまん強さは殆どの会社にはありません。

だから、手っ取り早く、既に一人前になった人を引き抜いてくるわけです。

戦争も、自国で兵隊さんを育てるよりは傭兵を雇って戦争した方がお金が掛かりません。

プロスポーツの世界でも、自分のチームで選手を育成するよりも、一流になった人を引き抜いてきた方がお金が掛かりません。

 

つまり、誰も大工さんを育てたがらないわけです。

みんながそんな考え方で仕事をしていくと、遠い将来、大工さんが日本からいなくなってしまいます。

現に、大工職の数は、激減しております。

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これは、建築会社だけが悪いわけではありません。家を建てようとする人も、誰が建ててくれるのかという事を殆ど気にすることなく家づくりを進めます。

 

平成27年末時点で、岐阜県には8621の建築業者がいます。(国交省調べ)

それに対して岐阜県で組合に登録している大工職は1920人(全建総連調べ)

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特筆すべきは、県内に10代の大工さんが15人、20代の大工さんは84人しかいないという事です。

実は、凰建設の社員大工さんには10代の大工さんが2人、20代の大工さんが3人います。

凰建設という会社は1/8621の会社ですが、

凰建設が占める10代の大工さんの割合は2/15

如何に他の会社に、若手の大工さんがいないか、育てるつもりがないかが分かると思います。

 

今の事だけしか考えていない建築会社と、地域全体の将来を見据えて大工さんを育てていく建築会社。

皆さんならどちらに仕事を頼みたいでしょうか。

毎日現場で作業する大工さんが社員で、しかも若いという事は、将来的なリフォームの時に、同じ大工さんで仕事をしてもらえる可能性もあるという事です。

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凰建設の上棟作業の写真です。

みんな若いですね。ほとんどの子が18歳~20歳で凰建設に入社してきます。

順調に成長すれば5年~10年で家を一軒任せられる棟梁になります。

(勿論、やめていく大工さんもいます)

家の性能を決める要素は2つ、設計の腕と、大工さんの腕です。

高気密、高断熱、暖かい、涼しい、といくら謳っていても、現場で作る大工さんが

下請けという気持ちで仕事をしていては、いい家は出来ません。