岐阜の木造注文住宅を「完全自社施工」する岐阜県岐阜市の凰(おおとり)建設のスタッフブログ

凰スタッフブログ

森 亨介

17.10.17

ZEH 太陽光 最適な組み合わせとは?

約1年半前にFacebookのノートに記したのが、以下の文章です。


ZEHにとって必須となるのが、太陽光発電設備です。太陽光発電を考えるとき、多くの方は、
(太陽光 売電 儲かる 元を取る 何年か??)
というようなことが頭をよぎるのではないでしょうか。

確かに、太陽光発電は現在売電価格が31円、電気料金が25円程度なことを考えると、安く買って高く売れる為、とにかく売ったほうが得です。
しかし、太陽光発電をどのくらい取り付けるかということは、ぜひ目先のことだけでなく、長い目で、そして本質を見ていただきたいと思います。
多くの人が気にするのは売れる金額、買う金額、つまり「お金」です。
しかし、太陽光発電が作り出すのは「お金」ではなく「電力」です。「円」ではなく「kwh」です。
ここをしっかりと抑えておかないと、将来大失敗をしてしまいます。
現在は売電価格のほうが高いため、乱暴に言うと「kwhよりも円の価値のほうが高い」状態です。(売り手から見て)
しかし、今から10年後、ほぼ確実に「kwhの方が円よりも価値が高い」日が来ます。
日本がモデルにしているドイツの太陽光政策を見れば、10年後の日本が見えてくると、お客様には常々言っておりますが、
現在25円で買えて、31円で売れる電気は、おそらく10年後には40円で買い、15円で売るくらいの金額になっていると思います。
そうなると、今は「昼の太陽光の電力を極力使わず売って、夜の電気を使いまくる」のが電気代を下げ、売電量を上げる最適解ですが、10年後は「太陽が出ている時間ですべての電気を使い、夜は(蓄電池などを使いながら)極力電気を使わず過ごす」というのが正解になります。
生活パターンも、昼間に家を空けて自分が働いているうちに発電してもらい、夜に家事やら趣味を行う、共働き家庭が有利な状況から、
日中に家に誰かがいて、太陽光で生まれた電力を余すことなく使い、夜は早めに休むという、隠居世帯同居or専業主婦(主夫)家庭が有利な状況になります。
原子力発電の再稼働が今後も進まない、もしくは再稼働されないという状況になりますと、いよいよ「深夜電力割引」がなくなってきます。
今現在でも深夜に電気を使って蓄熱する暖房システムの新規申し込みはすでに受付終了となっております。
そうなった際、今、電力会社や建築会社が是としている暮らしの提案は、一気に覆ります。
エコキュートは昼の時間に太陽光でお湯を作り、夜は休むという給湯器になってきます。

建築業を生業としている我々も、今までは、太陽光発電の搭載量を考える際、
1、ZEH達成 2、売れるだけ売れるように設計
というくらいのことを考えればよかったのですが、

10年先を見据えた家づくりを行う際、太陽光発電の搭載量は、
「その家庭が余すことなく使い切れる量」をできるだけ正確に提案していく必要があると思います。

発電量が足りなければ電気代の負担が大きくなり、発電量が余り過ぎれば、回収のできない投資をしたことになってしまいます。
今現在、大量のパネルを載せて、「儲かった!」と言っている人は10年後
「叩き売るくらいなら家で贅沢に使ってやる!」とエコでも何でもない本末転倒なことにもなりかねません。

現在はブラックボックスになっている、それぞれの家庭で使用される冷暖房費以外の電気も、
しっかりと把握して、考慮しつつ設計を行う必要が出てくる世の中になっていくはずです。

そんな時代のために、凰建設では、電力を完全に自立させて賄うモデルハウスを建て、
様々なデータを取り、独自のシミュレーションソフトを作っております。

現在、太陽光発電で検索をすると、政府の政策のような大きな話か、今載せれば儲かる
という短絡的な話しかHITしません。
世の中の大きな流れに、どのように家庭単位で対応していくのか。
是非、太陽光発電設備も先を見据えて設置していきたいものです。

 

ここまでが投稿内容です。あれから一年以上が経ち、やっと、昼間にお湯を沸かすエコキュートが出てきました。

http://news.panasonic.com/jp/press/data/2017/09/jn170926-3/jn170926-3.html

Panasonicさんが、昼間の余剰電力を使ったエコキュートを作ってくれました。

これで保温時間も半分になり、更にエコ度が上がります。

 

ただ、ただですね。

お湯を沸かすという事を考えた時に、コスパなどで考えますと、太陽熱温水器の方が優れていたりします。

太陽光→効率20%で電気に→効率200%でお湯に、、というのがエコキュートですが、

太陽光→効率40%でお湯に、、、だけで済むのが太陽熱温水器です。

エネルギー的に見るとそこまで変わりませんが、太陽光パネル+エコキュートよりも、太陽熱温水器単品の方が設備費が安く済むのですね。

どのみち自然エネルギーを用いるのであれば、太陽熱温水器がいいとおもうんだけどなぁ、、、

 

 

 

森 亨介

17.10.10

薪ストーブを使いたい!

 

お客様との打ち合わせの中で、「薪スト―ブ」を使いたいという要望を頂くことが、たまにあります。

弊社のパッシブハウスでも使われておりますが、なんといっても薪ストーブの魅力は、「炎が見える」所にあると思います。

 

深々と冷え込む冬の夜に暖かい部屋で薪ストーブの炎を見ながらグラスを傾ける。

そんな想像をしたことのある人もいるのではないでしょうか。

 

スクリーンショット 2017-10-10 17.09.56.jpg

 

さて、果たしてそんな事が可能なのでしょうか?

ヨーロッパの映画などを見ると、普通にありそうな光景なのですが、

残念ながら日本でそれと同じことをしようとすると、高い確率で失敗します。

 

なぜ失敗するのでしょうか。

答えは簡単、熱量計算をしないで建物を作ったりストーブを入れたりするからです。

 

まず、薪ストーブを「暖房器具」と捉えて、発熱量と家から逃げる熱量のバランスを取ろうとしている住宅設計者がいません。

そして、薪ストーブの発熱量と、エアコンの発熱量、どちらの方が大きいのか、正確に答えられる設計者が居ません。

更に、住宅から逃げていく熱量がどの程度になるのかを計算しないで設計する設計者が殆どです。

 

なので、家からどれだけ逃げていくのか、どれだけ熱を生むのか、その結果、室温が何℃になるのか、、

全部生活を始めてみないと分からないという計画が殆どになります。

 

家の性能と発生熱を人で例えてみますと、食事を食べる量(家の性能)と、食事の量(発生熱)の関係になります。

もし、自分が毎朝どんぶりに3杯のごはんを食べないと動けない(燃費の悪い家)のに、食べさせてもらえるのはお茶碗に1杯(熱量少)だったら、、

全然物足りない(家は温まらない)ですよね。

逆に、自分が毎朝、お茶碗に半分でいい(燃費の良い家)のに、無理やりどんぶりに1杯(熱量多)食べさせられたら、、

苦しくなりますね。(家がオーバーヒート)

では、薪ストーブは果たしてお茶碗1杯の発生熱を持つ暖房器具なのか、どんぶり1杯の発生熱を持つ暖房器具なのか、、

そして我が家はどのくらいのご飯を欲する家なのか、、これを見誤ると、延々と薪をくべ続けなければいけない生活になったり、

サウナみたいな環境の家になったりしてしまいます。

 

薪ストーブを選ぶ際は、必ず発生熱量、を確認しましょう。燃焼効率と家から逃げる熱を掛け合わせると、1シーズンにどれだけの薪が必要かも計算できます。

 

計算の仕方は、、凰建設のお施主様にだけお伝えさせていただきます(笑)

 

憧れのストーブライフは全然快適ではないし、家族は嫌がるし、、、とならないように頑張りましょう。

森 亨介

17.09.04

環境建築の議論はほぼ終了している。

世の中を見渡すと、エコ住宅、パッシブ、環境建築、ZEH、、、、と

様々な言葉を変えながら、「我こそはエコ住宅である」という事を色んな住宅会社さんが主張されておられます。

 

言葉だけ見ると、どの会社さんもエコ住宅を建てているように見えるのですが、実際に建てている建物のレベルは千差万別、

レベルの高い物から、オカルトエコ住宅まで、幅広く世の中に存在するのが現状です。

 

では、何が本当のエコ住宅かと言われると、実はとうに学会レベルでは答えが出ているのですね。

断熱を厚くする、気密を取る、日照を調節する。それ以上のものはありません。

後は、地域や立地に合わせて、風の取り入れ方を考えたり(全体で言えば些末な事です)

最適な設備と熱源を考えていく(設計者個人の力量で差が付きます)だけになります。

 

しかし、それでもなお、未だに王道から外れた商品開発が沢山なされ、大真面目に世の中に発信されております。

恐ろしい事です。

 

数か月前、私の周囲で、「なんだこれ?本気か?」と笑いものになった、とある工法があります。

簡単に言うと、家中に十数台の換気扇を仕込み、空気を大量に動かす事で冬温めたり夏冷やしたりするというものです。

言葉だけ聞けば、よく分からない人にとっては良いものに見えると思います。

 

しかし、その工法のサイトにある情報を数値化してみると、どう考えても既存の物理法則から大きく逸脱したとんでもない数字が見えてきます。

結局種明かしをすると、エアコンの電気代を1000円削減するために、換気扇代を2000円支払うような仕組みです。

 

なぜこんな商品が大真面目に開発されるのでしょうか。

簡単に言うと、設備を売らないとビジネスにならないからです。

断熱やパッシブデザインを突き詰めれば突き詰める程、少ないエネルギーで温めたり冷やしたりできますので、エアコンはじめ、

冷暖房設備は少なくなります。10年そこそこで壊れてくれる「設備」の項目が見積もりから無くなると、

後でお金のかからない家になります。あとでお金が掛からない家になると、10年先の建築業者の仕事がなくなります。

 

それは困るという事で、あえて断熱やパッシブデザインをいいかげんで残し、設備の量を確保することで、将来の仕事を確保しようとします。

 

基本的に、設備を全面的に押し出してくる建築業者は信用しない方がいいです。

 

ちなみに、その工法の話題を掘り起こし、私のFacebookページで取り上げてみた時のコメントを掲載させていただきます。

 

コメントを頂いている方は、大学の先生や日本の環境建築の発祥、北海道でエコ住宅を作っている設計士の皆様です。

 

さて、気になるのは、この設備が何者かという事ですね。

それは、直接お会いした方のみにお伝えさせていただきます。(^_-)-☆

 

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森 亨介

17.07.24

AIに聞いてみた!

AIが日本の問題を浮き彫りにするというNHKスペシャルの番組、、見たかったですね。

AIが政治はじめ、様々な社会問題を解決する可能性はすごく感じておりますし、古くは手塚治虫さんが火の鳥の中でAIのコンピューター同士の戦争を描くなど、人間はその進化にずっと思いを馳せてきたように思います。

ebifitを使っての設計フローも、外皮面積や窓の割合をコンピューター側に指定させる等、少しAI要素も入っているので、親近感が湧きます(笑)

で、各国がAIに政治を委ねるという世の中が来たとして、次のような問題が起こったらAIはどうやって解決しようとするのか、とても興味があります。

地球温暖化が進み、中東やアフリカの干ばつが更に進む。干ばつが進行しない様、温暖化対策をしても効果が出るのは30年後だと算出。川上にある国のAIは国民の生命を守る為、ダムの建設という答えにたどり着く。ダムを建設しないと、10年後までに国民の半数が餓死する見込み。川下のAIは、ダム建設後の水資源量ではこの先10年で国民の半数が餓死すると算出。川上の国にダム建設中止の依頼をしたり、周りの国に難民申請をしたりするも、周りの国も余裕がなく受け入れ拒否。
川下の国のAIは黙っていても国民の半数が死んでしまうのであれば、国民の半数までの戦力を割いて、隣の国に戦争を仕掛けたほうが、国民が生き残る数を増やせると判断し、「戦争をせよ」という判断を下す。もし、双方の国民が戦争で人口半減すれば、ダムを建設せずとも両国ともやっていける。

勿論、世の中の問題はそんな単純ではなくもっと多様な解決があると思いますが、人命を天秤にかけるような判断を必要とする場合、AIはどのような結論を出すのでしょう。人の命の重みを平等に扱うのか、重みに差をつけるのか、うーん、気になります。

500年続くお寺の住職さんに聞いたお話しですが、飢饉が続いた年の住民台帳を紐解くと、極限状態においては、家族のうち、まずお嫁さんが最初に死に、次にお年よりが亡くなる。そして家の主人が亡くなり、最後に子供が死んで一家が絶えるというのが一般的なパターンなのだそうです。色々な想像をして、深く考えさせられましたが、AIだとどのような答えを出すのでしょうか。

AIの進化に目が離せませんね。

森 亨介

17.07.17

換気と断熱、どちらが優先か

暑くなってきたり寒くなってきたりしますと、家を建てるお客様も「性能の良い家」が欲しくなるようで、凰建設に来場されるお客様からも、夏に涼しい家にしたいという要望をよく聞くようになりました。

 

住宅の性能を上げるために、断熱材の強化、換気ロスの低減などが有効です。では、岐阜県愛知県あたりで建てる一般的な住宅の場合、断熱を強化することと、換気負荷を低減する事、どちらがどのくらい効果のある対策なのか、ご存知でしょうか。

実はこれ、プロの建築業者さんでも、よく間違えている人の多い質問です。住宅の場合、断熱部分から逃げていく熱が圧倒的に多く、家が寒くなったり暑くなる原因の8割以上は、断熱によるものです。

オフィスビルや公共建築などでは、換気負荷の方が大きくなったりすることもしばしばありますので、余計に間違えやすいという事ですね。

断熱もそこそこに、換気の熱交換効率を上げていくという、とんでもない建物が多く散見することからも、業界内にもまだまだ浸透していないなと感じた次第です。

何で熱が逃げるか.jpg

実際に計算をしてみると、U値が0.3を切るくらいまでは、わき目も降らずに断熱材を厚くする事だけに力を入れた方が、名実共に省エネな家になっていきます。是非、正しい知識を基に、用法、用量を守った賢い省エネ住宅を建てていただきたいと思います。