専務コラム

COLUMN専務コラム

2017.01.08ブログ

webコラム 完結いたしました。

昨年8月より連載をさせていただきました新建ハウジングDIGITAL様でのWEBコラムですが、

昨年末を持ちまして連載終了となりました。

 

このブログでは2回分しか紹介をしておりませんが、これから家を建てる方が読んで面白いのは最初の2回と

今回の最終回の計3回だと思いますので、ご紹介も3回分のみさせていただきます。

 

最後の回は、私がどういう思いで家を建てているのかという事を、これまでの連載テーマとリンクさせてお話をさせていただいております。

こちらから元のサイトにリンクさせていただきましたが、文章を以下に転載させていただきます。

 

性能の高い住宅は売れない――

 同業の方から、よくそんな声を聴くことがあります。かくいう私自身も、性能の高い住宅の必要性をお施主様に十分伝えきれず、情けない思いをすることが数知れずあります。そんな時に、一度立ち止まって考えていただきたい事があります。性能の高い住宅をなぜ提供しようとしているのかという事です。

 様々な理由があると思いますが、私はいつもお施主様に対し、2つの事をお伝えしております。一つは、お施主様が一生を終えるまでの暮らしに満足していただくこと。もう一つは社会の為になる家をつくることです。

 きちんと断熱化された家は、住む人の日常を豊かで優しい環境に変えてくれます。不快や不経済に悩まされずにこの先を過ごしていけることで、お施主様の生涯がどんなに安らかなものになるのか。そんな暮らしのイメージをお施主様に抱いていただくことが大切であると思います。そして、住宅とは個人の財産であると同時に、社会の財産であることの認識を持っていただくようにしております。住宅が世代を超えて受け継がれていくうちに、古さが味になり、街並みをつくり上げていく。そして、古い町並みは観光の対象になり、多くの人を引き寄せ感動させる力を持つようになります。そうなるためには、長い年月に耐えられる家を造らないといけません。

 豊かで優しい暮らしと、地域ひいては国の宝となり得る家を両立させるためには、あらゆる面で性能の高い住宅を建てていくこと以外に無いと信じております。その思いをどのようにお施主様に伝えるのかという事が専らの私のテーマとなっております。

 全国各地に、良い家を作りたいという純粋で熱い思いを持った作り手がいらっしゃいます。しかしながら、熱い思いをどのように住まい手に伝えてよいか分からないという悩みをお持ちの方も少なくありません。Eco is Moneyのコラムを通じ、性能住宅の良さを伝える手段の一つとして、数値、更にはお金として表す方法をお伝えしてきました。

 断熱材の性能や厚み、太陽の光のエネルギー、設備の効率、住まう地域の気象特性といったものが主な要素となり、冷暖房費や光熱費は決まってきます。もちろん、コラムで取り上げていないだけで、光熱費を決める要素はそれ以外にも無数にあります。

 事細かに、各要素の数値を算出する事が出来れば、それに越したことはないと思います。しかし大切なことは、ざっくりでも良いので、何をするとどのくらい負荷が大きくなるのかという順位付けを正しく認識し、それをお施主様にお伝えすることが出来るかどうかです。そういう事が感覚的に理解できるだけでも、設計する建物の住まい心地や光熱費は驚くほど改善されていきます。

 他の国では当たり前になっている、建物の性能を数値で表すという取り組みが、日本でも取り入れられ、普及が進み始めました。これが、星の数というランク付けではなく、きっちりと数値で表される制度にまで昇華していくと、性能の高い住宅の価値がもっと認められていくのではないかと期待しております。私たちはプロとして、そんな時代が来た時に、分かりませんではなく、様々な工法、仕様、設備を見誤ることなく公平な目で評価し、本当に良いものをお施主様に届けなくてはいけません。そのために、同じ目的でアプローチの違う設備や仕様については、同じ土俵に乗せて比べてあげることが大切になってきます。同じ土俵が何なのかはケースバイケースですが、お施主様に伝わりやすいのは、お金にまで落とし込んであげることではないかと思います。

 最後に、私はいつも家を建てていただくお施主様に対して「家づくりの勉強をしてください」とお話しします。家の作り方はもちろん、住まい方についても、少し知っているだけで光熱費やメンテナンスコストがずいぶん下がってくるからです。もし、自分の子供が本当に可愛いのであれば、自分で食べて行けるように生き方を勉強させるのが親だと思います。同じようにお施主様の事を本当に大切に思っているのであれば、隠したい事でも包み隠さずお話しし、お施主様が自分の家を自分で守っていけるように知識をお伝えするのが、作り手である我々の務めではないでしょうか。特に、作り方で間違った方法を選んでしまうと、お施主様は一生その十字架を背負ってその家と過ごしていく事になります。2020年の省エネ義務化に対応することはもちろんですが、その先もずっと続く、お施主様の人生の為にも、まずは率先して我々が勉強していかなくてはならないと思います。

 全国に目を向けると、素晴らしい取り組みをされている家づくりの先駆者とも言える方が大勢いらっしゃいます。私も、そんな先達に学び、更に良い家づくりをして行きたいと思っております。

 長いコラムでしたが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。皆様のお役に少しでも立てたならばこれ以上の事はありません。これからもお施主様の為に、共に学んでまいりましょう。

 

私自身7月に原稿を上げて以来、久しぶりに読んだ形になりましたので、自分の考えていたことを再認識する良いきっかけとなりました。いかがでしたでしょうか。どこかの部分に共感できるところがあれば、嬉しいです。

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