岐阜の木造注文住宅を「完全自社施工」する岐阜県岐阜市の凰(おおとり)建設のスタッフブログ

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森 亨介

17.06.26
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お客さんには後で沢山お金を貰えばいい

「ビジネスモデル」という言葉があります。どうやって収益をあげるかという仕組みの事ですが、世の中が複雑になってきましたので、消費者からするとお金を払っている感覚が非常に薄いものがよく儲かる仕組みになっていたり、費用が大きな負担だと感じにくくする仕組みになっていたり、一般消費者は上手く搾取されてしまうような社会構造になってしまっております。

 

よくある例でいえば、スポーツや格闘技の興行収益は、チケットを払っているお客さんからもらうのではなく、「お客さんが集まる」という価値に対してお金を払う広告スポンサーからもらうものであったり、車や家などの大きな買い物は、一括で払うのではなく、細かく分けた住宅ローンにして払っていただくという事です。

 

今日のブログの本題ですが、今のビジネスモデルは、ほぼほぼ例外なく、「入口を低くして、後からお金を貰う」という仕組みになっております。携帯電話は他社から乗り換える時はこれでもかという特典が付いてきますが、契約したら2年間は解約できない仕組みです。プリンターやオフィスの複合機は本体価格をぐっと抑えて、消耗品であるインクで利益を出す。昔はゲームはソフトを買ってきたら後は遊び倒したもの勝ちでしたが、今は課金し続けないと勝てない仕組みです。パソコンソフトもパッケージ販売ではなく、月額使用料になったものが多いです。

 

では住宅業界はどうか。

勿論、「後からお客さんに沢山払って貰おう」方式でやっている会社が殆どです。メーカーは、後からお金をかけてもらえる商品の開発に余念がありませんし、建築業者は住宅を構成する素材を選ぶ際、それとなく、それとなく、後からお金が掛かるようにアドバイスをすることも多いです。お客様にとっては、後からお金が掛かる商品の方が魅力的に見えるように業界全体でゆるゆると誘導されているのですから、やっぱり、後からお金のかかる商品を選んでしまいがちです。

これが、家で無ければ、私は後からお金のかかる商品を選んでしまってもいいと思うのです。携帯電話は失敗したなと思っても、2年です。車なら10年。でも、家は後からお金のかかる仕組みに引っかかってしまうと、少なくとも35年、多くの方にとっては一生後悔し続ける事になります。

今日は住宅業界の中でも星の数ほどある、後からお金のかかる商品を選んでしまう例の1つをご紹介させていただきます。

まずは、トイレです。

タンクレストイレ.jpg

こちらは人気のタンクレストイレ。シャープな印象で、「新築と言えば、タンクレストイレでしょう!」と、多くの方がこちらを選びます。

タンク付きトイレ.jpg

そしてこちらがタンク付きトイレ、普通ですね。当初の金額の違いは5万円ほど。まあ、そのくらいの値段差であればと、タンクレストイレを選ばれる人も多いです。

 

ここで、メーカーの人も、建築会社の人も、殆ど言わないのが、この選択が将来どのような差を生むのかという事です。

 

トイレで一番最初に壊れるのは、ウォッシュレットです。じゃあ、ウォッシュレットが壊れたらどうなるのでしょうか。

 

タンク無しトイレ、タンク付きトイレと呼びましたが、TOTOさんの場合、正式名称は「ウォッシュレット一体型便器(タンク無しトイレ)」と、「組み合わせ便器(タンク付きトイレ)」となっております。

タンク無しトイレは、全部一体型(だからすっきり)です。タンク付きトイレは、タンクと、便器と、便座(ウォッシュレット)がそれぞれ別れています。なので、タンク付きトイレの場合は、ウォッシュレットだけ交換。タンク無しトイレの場合は、全部交換となります。

メーカーさんは、部品を取りおいてますから大丈夫ですよ。と言いますが、メーカーの部品は製品のリニューアルから大体7年くらいで、在庫が破棄になってしまいます。その後は、せっかく一体型ですっきり見えていたのに、新しい方のアンバランスなウォッシュレットを我慢して使うか、もしくはそれすらできずに、便器ごと交換になる事もあります。

家に50年住むとして、10年おきに25万円のタンク無しトイレ交換費用が発生すると、約100万円の総費用が掛かります。それが、10万円の便座交換だけで済むのであれば約40万円です。

だからこそ、メーカーや建築会社は、タンク無しトイレを勧めてくるのですね。勿論、悪い商品ではありませんが、私は一貫して、タンク付きの方がいいですよ。あとでお金が掛かりませんよ。とお伝えしてきました。家を建てる時、私は優先順位として、生涯コストで考えた時に、お客様が一番お金を使わずに済むものを一番上に持ってきます。

お客さんには後で沢山お金を貰えばいい

家づくりにおいて、この考え方が世の中で当たり前になると、日本人はいつまで経っても、住宅にお金を払い続ける暮らしをしていかねばなりません。

日本は建設業の就業者数が海外に比べて多いです。似たようなGDP規模のドイツと比べると、ドイツは250万人(2006年)に対し、日本は500万人(2016年)です。この500万人の仕事を守るために、耐久性の低いものをどんどんと作り続けていくのは本当に国益につながるのでしょうか。

家を売る側にたっている私たちは、これからの時代道を誤ると、社会の癌になりかねません。その家を建てる事で、まちや地域、ひいては国が豊かになるのか、それとも衰退するのか、よく考えて仕事をしていかねばならないと思います。

 

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