岐阜の木造注文住宅を「完全自社施工」する岐阜県岐阜市の凰(おおとり)建設のスタッフブログ

凰スタッフブログ

森 亨介

17.05.04
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プロとして、住まい手の役に立つとはどういうことか

建築業界、とりわけ住宅業界には建築のプロが少ないと常々言っておりますが、じゃあ住宅業界には何がいるのかというと、それは「営業のプロ」です。

家というものは生涯に一度、住まい手の皆さんが人生を掛けて建てるものです。日用品の買い物や車などと比べて「失敗したくない」という思いが強くなるのが消費者心理というものです。

そんな消費者を相手にするわけですので、必然的に、住宅業界は営業競争が激しくなっていきます。お客様の心をつかむ新たな手法やプレゼンなどが、次々に生み出され、そしてそれが「営業ノウハウ」として販売されております。

凰建設にもそういうチラシが毎週どっさりと届きます。

 

こんな感じのやつです。

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沢山売って社業を伸ばしたいという気持ちも分かりますし、そういうノウハウを売る事を生業にするコンサルタント的な仕事が成り立つのもよく分かります。

 

しかし、こういう仕事をされている方や、こういうチラシから学ぼうとしている方の価値観は、「如何に売れるか」しかありません。

 

建築基準法ギリギリの建物をとにかくばら撒く。その後その地域や社会がどのような事になるのかなどひとかけらも考えておりません。

チラシの中で全員反対したとされる社員さんたちの方がよほどまともな思考をされていたと思います。

 

こういう価値観の人に、「ヤングケイスウ」であったり「ダンセイゲンカイ」や「ソウゴウネツデンタツリツ」という言葉は全く意味の無いものです。

もっと言えば、基本的な「UA値」「C値」「Q値」「耐震等級」といった言葉も自分には関係の無いものと考えています。

 

建築業界には「お客様の役に立つ」という言葉を「売れる」と置き換えて勘違いしている人がとても多いです。「売れている=お客様の役に立っている」と信じて疑いません。

それもそのはず、70年前に戦争が終わって、日本は「家が足りない」という状況がしばらく続きました。公団の抽選に人が殺到し、我先に家を手に入れようとしていた時代が確かにあったのです。

絶対的に家が足りない時代において、お客様の役に立つとは、とにかく住むための箱を用意する事でした。

そういう世代の価値観が少なからず残っているため、未だに「沢山建てる」事が住宅業界内のステイタスになっております。

 

しかし、今はどうでしょう、空き家率は10%を超え、多くの市町村が「空き家対策」に追われております。

 

その時代その時代において、求められるものは変わってきます。

今は果たして、安かろう悪かろうの家を大量に普及させていく時代でしょうか。

いくら世帯数が増えていくからと言って、人口の減少に入ったこの時代、すぐに先細りすることは目に見えております。

 

今、家を建てるプロに求められているのは、「お客さんを上手に乗せて買ってもらう方法」なのではなく、

「住んだお客さんが生涯を通して、この家で良かった」と思って貰える家を建てるか。

そしてその為の知識を蓄えるのかではないでしょうか。それがプロとして住まい手の役に立つという事だと思います。

 

前述のチラシのセミナーに行くのも、フランチャイズに入会するのも、タダではありません。

企業のお金は全てお客様から頂いた利益の中から出ているものです。

もし、自分が家を建てるのであれば、自分のお金をどのように使ってくれる人に頼みたいでしょうか。

自分や、自分が建てた後のお客さんを上手く説得する事にお金をかけている人に頼みたいでしょうか。

 

それとも王道の、建築に関する知識を身に付ける事にお金をかけている人に頼みたいでしょうか。

 

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こちらは私が岐阜高専で教えるときに使わせてもらっている教科書です。

2つ合わせて6200円です。

こういうセミナーに一度行くと、30000円以上のお金を払う事になります。

 

どちらのお金も、全て家を建てる人が払っている事になります。

どちらにお金をかけている人に家を頼んだ方が、いい家が建つと思いますでしょうか。

少し例えて言うと、もし自分のお子さんが、次のようなおねだりをしてきたらどうでしょうか。

「学校の勉強で分からないところがあるので参考書を買いたい。5000円欲しい」

「クラスの人気者になる為には最新のスマホが必要だから、20000円欲しい」

絶対前者にお金を渡しますよね。

 

家づくりも同じだと思います。ただし-

売る為の勉強だけをしている人は、中身は無くとも、お客様にとても分かり易く説明をしてくれます。

いい家を建てるための勉強だけしている人は、伝え方は往々にして下手くそです。

 

そこは間違えないでほしいと思います。

 

 

 

 

 

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