家づくりを失敗したと感じた先輩の体験談とその原因をまとめています。最新のメールマガジンは申込後購読が可能です。

大事な二つの思考法

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は遠方より来客。
都会から岐阜にUターンで
家を建てられる計画。

私がそうだからという
つもりはありませんが、
自分より都会の地域の
女性と結婚して、
地元で子供を育てる。

っていうのは、地方活性化にとって
ものすごい有益なことになります。

だから婚活イベントなどは、
田舎の男性×都会の女性
という構図な訳ですね。

岐阜に嫁いでくる人が
増えてくれると嬉しいですね。

さて、本日もノートのアーカイブ。
今日で最後になります。

メルマガに残しておくと、
後々テキストデータで
まとめて管理できますので、
色々楽なんです。

お付き合いさせてしまい
すみませんでした。

元投稿はこちら
↓ ↓
%url1%{https://www.facebook.com/notes/709815152940872/}

そして本文

****************

物事の結論を出したり、
推論をしたりする方法に、
帰納法と演繹(えんえき)法
という思考方法があります。

帰納法は、沢山の事実を基に、
確実な結論を出す方法です。
イメージ的には「当たり前」とか
「絶対」と言い切れるものを
探す感じですね。

今まで死ななかった人間はいない
→人間は必ず死ぬ。みたいなものです。
猫はにゃーと鳴き、犬はワンと鳴く
というのもそうですし、
水が標準大気圧下では0℃で凍って
100℃で蒸発するのも、
多くの実験や人々の経験則を
帰納させて得られた結論です。

色々やってみたけど
稲作が調子良かったので、
日本の主食はコメに
帰納されたわけですね。

演繹法は、今までに分かっている
事実や結論、理論を組み合わせて
新たな常識を探る感じです。

三段論法も演繹的な思考法の代表例です。
気圧の低い山の上では水は
90℃くらいで沸騰蒸発する
→もっと気圧の低い真空の宇宙では
0℃でも水は沸騰蒸発すると思われる。

という感じです。ガリレオが
「それでも地球は回っている」
と言ったのも演繹的思考法の
例の一つでしょうか。

当時は、地面は動かずに
太陽や月が動いているというのが、
多くの人の実感を帰納させた
常識でしたが、ガリレオが空を
観測し続けるうちに、これは
どう考えても地球が回っている
としない事には物事の道理が
付かないぞと気づいたわけですね。

どちらが正しいかは
皆さんご存知の通りです。

演繹的な思考方法は、
やったことが無い事、
前例がない事をやろうとするときには
とても大切です。例えば宇宙開発。

どうも宇宙には空気はなさそうだ。
空気が無いという事は空気を
圧縮させて移動する
ジェットエンジンは使えない
という事になる。

当然人間が呼吸する酸素を
持参しなければならない。

そして月は地球を公転しているので、
着陸するためには方向やスピードを
きちんと計算して
打ち上げる必要がある。

帰って来る時も、角度が悪いと
大気の壁に宇宙船が弾かれる
という可能性もある。と、そんな事を
延々と考えに考えて対策を練り、
満を持してロケットを打ち上げる訳ですね。

もし、宇宙開発を
帰納法的思考でやると、
とりあえず10000発くらい
ロケットを打ち上げてみて、
無事に帰ってきたロケットの
共通点を抜き出せば正解が
分かるだろうみたいな事になり、
膨大な損失を覚悟せねばなりません。

帰納法、演繹法、
どちらも大切な考え方です。
どちらが良い、悪いという事はありません。

決断を迫られたときに
どちらが適したものなのだろうか
と考えることが大切です。

ちなみに、日本人の特性として、
演繹法よりも帰納法的な
考え方をする人の方が多い気がします。

家づくりで言うと
家相を大切にするなど、
昔からの言い伝えや風習を
守る姿勢がそうなのかなと感じます。

さて、では住宅はどうでしょうか。

日本は70年前に戦争が終わって、
とにかく住宅を普及させないと
家が足りないという時代が
50年近く続いてきました。

おかげで世界で一番沢山家の建つ国に
なっています。数が多いという事は、

帰納的に考えると、とても精度の高い
結論が得られるはずで、日本の住宅は
ものすごいスピードで改善を繰り返し、
世界で一番質の高い家づくりが
できているようになっていても
おかしくないわけです。ところが、
現状蓋を開けてみると、
日本の1/3や1/4くらいの数しか
家の建たない国よりもはるかに
質の低い住宅が
乱造されてしまっております。

車やエレクトロニクスの分野では、
世界のトップ水準の物が
できているのに、住宅はなぜ
そうならなかったのでしょうか。

これは、住宅産業が置かれた状況や
人の意識の差ではないかと思います。

車や電気の分野は
世界と戦ってきましたので、
厳しい開発競争に
さらされてきましたが、
家は潤沢な内需に支えられ、
技術革新よりも量の普及が
優先されておりました。

今まで建てたものを検証して
より良いものにしようと
考える人や、理論理屈を勉強して、
より良くなる可能性のある事に
チャレンジしようとする人の数も
少なかったと思います。

そんなことよりも同じ手間で
沢山作れて売れる仕組みを
考える事に頭を使う方が
有益だったわけですね。

(うちもですが)時折、
家づくりのパイオニアとか先駆者、
というキャッチフレーズを
見かける事があります。

まだ誰もやったことが無いような
事にチャレンジし、新たな道を
開いていく人や会社を
指すのでしょうが、こちらも、
演繹的にパイオニアを目指すのか、
帰納的にパイオニアを目指すのかで、
やり方はずいぶんと違ってきます。

帰納的にパイオニアを
目指すのであれば、膨大な数の
失敗作と向き合う事になるわけです。

演繹的に考えれば失敗しないのか
というと、そんなことはあり得ず、
沢山失敗をするのですが、
やってみた事を検証し、
帰納的に考えて結論を出し、
またその結論を基に次の事を
演繹させて考えて行く、
そうして自分に知見やノウハウが
溜まっていき、パイオニアという
存在になり得るのではないか
と思います。両方の考え方が大切です。

私の固定概念かもしれませんが、
日本の住宅実務者は演繹的に
物事を考えることが非常に
苦手の様に思います。

「昔からこれでやってきた」
「そんなの非常識だ」
「前例がない」
「学校で習った事なんて役に立たない」

という言葉と演繹的思考の欠如は
セットになっている感があります。

沢山の失敗のうえに、
少しずつの改善が
なされてきたことも事実ですが、
お客様の大切なお金を
お預かりして家を
建てさせていただいているわけですから、

「とりあえずやってみよう、
沢山建ててみて結論を導こう」

では、お客様のリスクが高すぎます。

演繹的な思考方法を身に付けるには
理論、理屈やデータを
知っていなくてはなりません。

ちょっと面倒ではありますが、
小難しい数字の書いてある
専門書を紐解いて、統計データを見て、
将来の予測をする癖を
つけると良いと思います。

私が家づくりでいつも言っている、
1996年は160万個/年の住宅供給戸数で
4400万世帯をささえていたので、
1つの住宅は30年の寿命で
良かったのだけども、
2030年は54万個/年の
供給量で5000万世帯を
ささえなければならないから、
これからの住宅の寿命は
97年持たないと計算が合わない
というのも、帰納的な数字と
演繹的な思考方法を組み合わせて
導き出された結論です。

帰納とか演繹という言葉は
難しいですが、要するに、
当たり前を探す事と、
じゃあ、これからはこうなるね
と言う事を論理的に考える
という事であり、
PDCAサイクルを回すのも
同じことだと思います。

先進的な事をやろうとする
のであれば、演繹的な考え方は
とても重要になってくると思います。

****************

たまに書きたくなる文章熱ですが
メルマガを始めてからは毎日
発散されていますので、
もうノートを書くことは
なくなりました。

GW中ふとFBを見てみたら
ノートがなくなっている?

と思い、慌てて記録した
という感じになります。

高気密高断熱住宅にすると
生活が一変します。

作り手も住まい手も、
演繹的な考え方ができていないと、
不要なものをいつまでも引きずり、
無駄に高い高断熱住宅に
なってしまうこともあります。

帰納的に技術を蓄積しようとする
工務店さんにやったことがない事を
依頼するときは、人柱になるつもりで
依頼した方が良いとも言えます。

覚えておくと良いかもしれません。

#本質的な家づくり #長寿命住宅 #温熱は物理

登録特典として、小冊子をpdfでプレゼント
+知って得するメルマガを毎日配信

メルマガ

メルマガに登録する

この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

Xアイコン facebookアイコン Instagramアイコン

国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー