凰建設の森です。
本日は事務所業務。
年末に向けて、
仕事の区切りをつけなければ。
空調設計講座の宿題を
出しましたので、
後は受講生さん達に
年末年始頑張ってもらいます。
大人になっても冬休みの
宿題があったりするのは
大変ですが頑張って。
さて、本日の話題は、
定期的に出てくる、
職人さん不足、
とりわけ大工さん不足の話。
↓ ↓
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木造住宅において、
大工さんというのは最も
仕事の範囲が大きい役職。
元々大工さんが請け負って、
家を完成させていましたので、
住宅建築の8割以上は、
大工さんの手によるものでした。
しかし、需要拡大により、
工業化や分業化が進み、
住宅建築における大工さんの
ウエイトはどんどん下がります。
そして今現在、工事全体に
おける大工さんへの支払額
というのは、全体の1~2割くらい。
倍も違うのは、大工さんが
使う釘などを大工さんへの支払いに
入れるかどうかでも変わります。
4000万円の住宅を建てると、
大工さんへの手間賃は400万円くらい。
1年間に2件家を建てれば800万円?
2000万円の家であれば、
大工さんへは200万円くらい。
1年間に4件建てれば、
やっぱり800万円くらい。
なんだ、大工さん、800万円も
貰っているんじゃないか。
と思う方もおられるかと。
しかし、大工さんというのは、
道具が必要な職種です。
エア工具、電動工具、
大工さんの車を見てもらえれば
分かりますが、ものすごい量の
道具が積んであります。
それだけじゃない、作業場が
ある大工さんであれば、
木工の為の大きな作業機械もある。
収入の半分はそういった
道具を揃えるのに消えていく。
800万円は売上げ。
400万円分の販管費が掛かると、
やっぱり申告する収入は、
400万円位になっちゃう。
それが、今の大工さんの
おかれた状況という訳です。
大工さんが最も脂が乗るのが
3~40代になるかと思います。
技術もついてきた。体力もある。
そういう年代の大工さんは、
若さに任せてもうちょっと
頑張れたりしますので、
少しゆとりがあるかもしれない。
しかし、50代を過ぎてくると
だんだん身体が付いて行かなくなる。
やっぱり収入が落ちてきます。
大工さんは需要が超高い割に
収入が思ったように上がらない。
保育士さんと似たような感じ。
今後は、ますます大工さんが
売り手市場になっていきます。
そうすると、大工さんの収入が
上がっていきます。
当然、家全体の価格も高い。
海外の建築職人さんが高収入
などと言われますが、
やっぱりその分家も高いんですね。
日本も、いつかはそうなります。
大工さんの収入が今の倍になれば
家の価格は1割上がります。
じゃあ、安いままでやってくれる
建築会社を探そうか。
ってなるかもしれませんが、
同時に安かろう悪かろう化も進む。
今の時代において、大工さんを
安く使おうとする建築会社は、
もう先がありません。
遠くない将来、大工さんから
見放されてしまいます。
あそこの会社と付き合っても
何のメリットも無いって
評判が立ってしまったら終わり。
大工さんを大事にしているかどうか
というのは、その建築会社の
未来を占う事になるわけですね。
大事にしているかどうか
というのは、まず社員かどうか、
そして自社で大工を育てているかどうか。
弊社、創業以来60年以上、
大工さんを育て続けてやってきた。
それは私の功績ではありません。
祖父や父が
「大工を育てない会社は
住宅会社を名乗るな」
という思いでやってきたから
今があるんですね。
そこだけは、私は恩恵を
受けるだけの立場にある。
感謝しかありません。
だから、弊社の建て方は、
10人からの大工さんがいて
全員日本人で、8割が50歳以下。
半分が40歳以下になります。
日本人じゃないとダメとは
言いませんが、日本人じゃない
職人さんは高い確率で5年後には
居ません。その場しのぎの
若手人材にはなりますが、
会社に技術が残っていきません。
世の中には大工さんを大事にする
会社と、大工さんを使い潰す会社がある。
圧倒的に後者の方が生き残ってきた。
なぜならば家を安くできるからです。
その結果、今の時代に家を建てる
住まい手さんが大工不足のあおりを
受けているんですね。
じゃあ、これから家を建てようとしている
あなたはどんな選択をするのか?
大工を使い潰す会社に頼んだ方が
やっぱり安く済んだりします。今でも。
その代わり、世の中に大工さんは
ますます存在しにくくなり、
あなたの次の世代が家を建てる際には
もっと苦しい事になります。
あなたが、大工さんを大事にする会社を
選ぶのであれば、次の世代は少し
楽になったりします。
これは年金でも何でも、今の日本社会に
言える事ですが、自分が得をしようと
思って選択をしてきた結果、
後の世代はどんどん苦しくなっていく。
負のスパイラルをどこで止めるのか。
世の中を変えるためには投票をしよう。
とよく言われますが、資本主義社会に
おいては、消費もまた投票です。
推しが無くなってほしくないなら
買い支えるのと同じですね。
社会を善くするために活動している
人から物を買えば社会は良くなるし、
自分の事だけ考えて商売をしている
人から物を買えば社会は廃れる。
社会は大きすぎて、自分の力では
なんともならないし、誰かが
何とかしてくれると思って、
みんなが自分が得をするような
消費行動という投票をしてきて
今があります。
住宅なんて最たるものです。
今だけカネだけ自分だけで
商品を提供してきた会社と、
それを選んできた消費者が、
家を建てれば建てるほど
国民が貧しくなる社会を
作ってきてしまいました。
だから、家が資産価値になるなんて
日本人はほぼ信じておりません。
日本以外の先進国が全部、
家は資産価値になっているし、
戦争が終わる前は日本の家も
大変な資産価値のあるものだった。
世界の歴史の中でも、
この70年程度の日本は
家に資産価値が無い社会。
今、日本で息をしている人は
ほぼ生まれた時から家には
資産価値が無い世の中だったから
もう信じられないんですね。
世界全体から見たら非常に狭い
コミュニティの常識に囚われている。
スマイルアップ(ジャニーズ)も
宝塚も、統一教会も、日大も、
阿部派の議員も、私たちは
笑えないんですね。
昭和の時代は家不足だったから
仕方がなかったとしても、
平成くらいから、家が量より質に
変わっていれば、私たちは
そもそもこんなに借金をして
家を買う必要すらなかった。
でも、あなたは家を建てようとしている。
なぜならば、日本にはまともな家が
殆ど無いからですね。
民家の耐久性向上は、
そのまま国の豊かさの向上につながる。
人類の発展の歴史は、
住処の長寿命化の歴史です。
住まいを長寿命化出来た国は
他の所に人の富を投資できる。
いくら建築会社が大工さんを
大事にしようとしても、
その行いに投票をしてくれる
消費者がいなければ、
それは絵に描いた餅でしかない。
あなたの一票は死に評になる
可能性はありますが、あなたの
家づくりに掛けた数千万円は
確実に世の中に影響を与えます。
どうぞ、家を建てるのであれば、
後の世代に感謝されるような
ものを建てていただければと。
