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最強の家

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は埼玉空調講座
早くも9回目になります。

そして埼玉回ではありますが
本日の会場は長岡。

前回は秋田、今回は長岡。
ぜんぜん埼玉感がありません。

残すところ最終回の発表。
ぜひ頑張っていただきたいです。

さて、本日の話題は、
最強の家について。

完全無欠の家とは何かを
話してみたいと思います。

どんな災害にも負けないで、
夏は涼しく冬暖かく、
メンテナンス性が良くて
使い勝手も最高で、
家族のライフスタイルの
変化にも対応できて、
永く使える家が最強。

そんなところでしょうか。

その為に、家の仕様は
何が良いかどうかを
あれこれ悩むわけですね。

耐震の部材だったら、
○○と△△を比べたら
○○の勝ちだね。

みたいな感じで
優劣をつけたりします。

で、各々が思う、
それぞれの最強仕様で
家を建てていくわけですね。

で、結局どの家が
最も強いかみたいな事を
論じたりもするわけです。

当然、みんな自分の家が
最強だと思いたいわけです。

私の家が一番強い。
私の家が一番省エネ。
私の家が一番快適。
私の家が一番コスパ良し。

やたらと勝ち負けに
こだわる人もいたりします。

人ですから、競う気持ちが
出てくる事もあります。

しかし、家づくりに限らずですが、
最強の仕様を求める事はあまり
意味のある事ではありません。

一番良い物を探したくなりますが、
家づくりに限らず、探すべきなのは
一番良い物なのでは無くて、
一番「適したもの」になります。

かっこいい洋服があったとします。
モデルさんが着てて、すごく
よく見える。あれを着れば
私もそうなれるかな?と思って
買って着たとしても、
モデルさんが着ている時と
なんか違って見える。

みたいな事はよくあります。

自分の体形がモデルさんと
同じじゃないからですね。

最もかっこよく見えるように
デザインされた洋服を
着こなせる体形じゃないと、
格好も崩れるし、着心地も悪い。

住宅においても、
ドラマや映画に出てくるような
家にすることは可能ですが、
それがあなたにとって最高の
住み心地になるかというと、
そうではない場合もあります。

家具や雑貨の数が多すぎると
テレビで見た感じにはならない。

ものが多い人であれば、
最適な部屋の在り方も
変わってくるわけですね。

最高に快適で省エネな
全館空調だって、
家族がそもそも温冷感が違うと
全室同温同湿の環境が
仇となるケースもある。

家づくりというのは、
最高や最強を求めるのではなく
最適を求める事です。

住まい手さんでもつくり手でも
そこの勘違いが抜けないまま、
家づくりをしている人もいます。

弊社の換気空調部材はこれ、
これ以外は使いません!

という会社さんはよくあります。
それはその換気空調が最強で
最高だと思っているからです。

ダメではありませんが、
どんな換気空調設備でも、
得意なシチュエーションと
苦手なシチュエーションがある。

適していない条件で動くと
やっぱり効率が落ちたりします。

最適を探すとは、様々な条件を
考慮し、都度その敷地に合った
家を設計することになります。

地域や住まい手が違えば
また新たな最適を探す。

最適を探し続ける事と、
最高を見つける事、
どちらが良いのか?

チーズはどこへ消えた?

という本があります。
大きなチーズの塊を
見つけて、そこで
安住する事と、
新たなチーズが無いかと
探し続ける事の違いを
描いた絵本です。

最高を見つけたと
思った瞬間に、人間は、
途端に思考が鈍化します。

見つけた最高が、他よりも
優れている事のアピールを
し始めてしまったりします。

そういう人はよく、
勝ち負けで話をします。

3種換気と1種換気などでも、
どちらか一方をあり得ないと
断じたりしてしまいます。

断熱材も、これしかないと
決めつけたりします。

構造についても、
この部材しかないとか、
この作り方がいいとか、
一つの結論を出そうとしがち。

自分の中で、選択肢を狭め
そこに集中したいからです。

その方が振り切れるので、
力を発揮しやすいという
事もあるのですが、
やっぱり思考は鈍化しがち。

個別の条件において、
最適を探し続ける姿勢だと、
何かの可能性を切り捨てる
という事は悪手でしかない。

時代が変わって求められる物が
変わってきた時に、何かを
批判しながら最高を決めつけて
やってきた人はとても苦しくなる。

昔、外断熱内断熱論争があった。
もう20年も前の事です。

今は、充填断熱+付加断熱は
当たり前の時代になってます。

両方やるという事です。
断熱住宅を古くからやってきた
実務者さんの中には、自分が
やっているやり方じゃない方を
批判しすぎて、引くに引けない
という状況になってる人もいました。

最高や最強は、それ以外のものの
可能性を排除してしまいます。

最適は全てのものの可能性を
諦めることなく考えます。

一番いい物を探す姿勢は
悪くないと思いますが、
あなたの探している一番いい物
とは、あなたの置かれた環境に
おける一番いい物、つまり
最適を探しているという事です。

それを認識しないと、
人が選んだものはダメだと
思ってしまいがちになります。

家づくりとは、最高じゃなくて
最強じゃなくて、最適を探す旅。

どうぞお忘れなき様。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー