よくある質問

木材の含水率は何%くらいであればシロアリ対策には安心でしょうか?

20%は切っておきたいです。できれば15%以下が望ましいです。木材が白蟻にやられる理由は、施工時に湿っているというよりも、施工後も継続的に湿り続ける事が原因です。きちんと木材が乾く施工になっているか、水分の供給源が無いか(結露や雨漏り)がものすごく大事になってきます。
だから、高気密高断熱が必要になってきます。

新築で白アリ対策は加圧かホウ酸か何が良いかご提案ください。

ものすごく沢山の考え方があり一概には言えませんが、各種論文を読み解く限りでは、日本の岐阜において最も永続的に効果のあるシロアリ対策は、木材の乾燥状態を保つことになります。
勿論薬剤を使っても良いとは思います。じゃあ、木材の乾燥状態を保つためにどういう工夫をして、どういう効果が見込めて、その時のシミュレーションは妥当かどうかという検証をすることは誰もやらないので、結局保証のある薬剤に頼るしかなくなります。
自信が無ければ強い保証の薬剤に。自信があれば弱い保証の薬剤に。
だから、その建築会社さんがお勧めする物が、その建築会社さんで建てるのであれば最も良いものになるはずです。
一概には言えません。何が良いかではなく、あなたの場合に何が「最適か」で決まります。

アメリカカンザイシロアリの被害が拡大している様ですが、新築時に何か対策をされていますか?

これは厄介な問題ですね。
現在の所、気にされる方は全棟ホウ酸処理を勧めるという形になります。
建物を建てる際には様々なリスクを天秤にかけて予算の使い方を決めますが、質問者さんにとって、カンザイシロアリのリスクがどの順位に来るかによって、予算が回る/回らないを決められたら良いかと思います。
恐らく日本で一番白蟻の事を研究している京都大学の吉村教授は、外来種であるカンザイシロアリの対策は、根絶させる事であり、地域自治体全体で取り組まなくてはならないと言われております。マクロな話をすると、これ以上アメリカから木材や古家具を輸入しないというのが、最も現実的な対策になります。つまり、国産の木材を使って家を建てるという事が、まわりまわってカンザイシロアリの撲滅につながります。

基礎外断熱に使用する防蟻断熱材のおすすめを教えてください。それに付随して、土台までのルートを塞ぐ専用テープなどの役物系のおすすめも教えていただけると助かります。

熱橋にはなりますが、コンクリートから基礎外断熱までを金属(やアリダンテープ等)で囲い、木部と縁を切ることをお勧めしております。
防蟻断熱材はどちらでも良いかと思います。

シロアリ対策で重要なのは乾燥や日頃の確認だと思いますが、第二第三の策として家全体のホウ酸処理やacq加圧注入材などもあるかと思います。これらに森さんはあまり積極的ではないのは理由があるのでしょうか?

床下を屋内空間として使いたいからです。
床下がカラッカラに乾く高気密高断熱の家(床下熱源なら尚更)はヤマトシロアリ、イエシロアリに対して非常に効果の高い防蟻効果を出しますが、床下空間が薬剤にまみれた木材で構成されていると、その空間は果たして綺麗か?という懸念が残ります。とはいえ、あまり大きなこだわりというわけでもないので、ホウ酸も注入材も希望があれば使います。

これまでにいただいた質問

基礎内断熱・基礎外断熱どちらで施工されますか?シロアリ対策のため、防蟻断熱材、薬剤などの、どの様な対策を講じておりますか。ご教授ください。

基礎内断熱、基礎外断熱、どちらもやりますし、両方施工することもあります。基礎外断熱の場合はスタイロフォームATやパフォームガードという部材を使います。薬剤につきましては、特にこだわりはありません。
白蟻はあまり薬剤ではなく、家の作り方の方で対応していくのが良いかと思います。

白アリ対策としてホウ酸処理を床下から1mを考えています。予算次第でどこまでやってもキリがなく見える白アリ対策ですが、貴社の考え方はいかがでしょうか?

これもどこまでやるかはキリがありません。これは私の考え方ではありますが、シロアリ対策の基本はどこまで行っても木材の乾燥状態を保つことにあると思います。ホウ酸処理は半永久的に持つとは言われますが、木材が湿潤状態にあれば、一旦木材内に入ったシロアリは縦横に食い荒らすことが出来てしまいます。木材の乾燥状態を保つためには雨水の侵入を防ぐ事が第一です。そのためには無理なデザインをしない事です。もう一つ、木材が結露水に晒されない事です。そのためには木材部分で温度差が出来る事を避けねばなりません。木材で温度差が出来ないためには、しっかりした断熱と防湿(気密)処理が必要です。という事で、実はシンプルなデザインと高度な断熱気密は根本的なシロアリ対策には非常に有効になります。きちんと高断熱住宅に取り組み始めて以来20年、いまだにウッドデッキ以外でシロアリの被害は有りません。取り組む前の家はやはりちらほらシロアリ被害は有ります。

定期的なシロアリ薬剤処理はやるに越したことは有りません。しかし、これも建築業界の闇の一つでして、この定期的な処理で、継続的にお客様が課金してもらえる仕組みを作ったというのもまた事実です。

乾燥した木材でも食べるカンザイシロアリという種類が外国から木材と共にやってくることもあります。国産材を出来るだけ使った方が良いと言っている理由の一つが、このカンザイシロアリ対策になります。

依頼している工務店が基礎外断熱になります。防蟻処理された断熱材や銅板のアリ返しなどはしてもらえるのですが、何か確認しておくことなどあればお願いします。

私の想像ではありますが、、基礎外断熱を選択されている時点で、それなりにリスクを回避する納まりは徹底されておられると思います。

あまり口うるさく確認するのもひょっとしたら煙たがられるのではと想像してしまいますが、強いて言えば、床下の換気方法と点検の体制でしょうか。

最初の2~3年だけでも、床下の空気がしっかり動く方式をとっておられた方が無難です(会社によって給気をしたり排気をしたり、室内循環をしたり様々です)

点検については、ウッドデッキや給湯器の影など、蟻道の発見が遅れ気味な部分は何か対策をされているかどうかを確認できるといいと思います。

基礎外断熱について質問したいです。基礎外断熱の断熱材ではグラスウールボード、ホウ酸入り断熱材、スタイロフォームATなどが使われているようですが、耐久性や防蟻の観点からおすすめはありますでしょうか?

パフォームガードとスタイロフォームATを使ったことはありますが、どちらを使う場合でも、断熱材自体の防蟻については半信半疑です。
蟻返しの板金をしっかり施工するなど、断熱材がやられても良いような防蟻処理が望ましいと思います。

土間部分のシロアリ対策はどのように行っていらっしゃいますか?

基礎内断熱の場合は立ち上がりの断熱を少し薄くして熱橋と断熱のバランスを取ります。基礎外断熱の場合は、熱のバリアラインと蟻のバリアラインをそれぞれ設定して対応します。