QUESTION Q&A

よくある質問
- 地盤調査について、スウェーデン式サウンディング試験と表面探査ではどんなメリットデメリットがありますか?
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表面波探査法の方が地盤に対してより包括的な調査を行えますので、地盤の全体像が把握しやすいです。
結果、スウェーデンサウンディングで、たまたま弱い部分を調査してしまったが為に本来やらなくても良い改良が発生してしまったなどという確率は下がっていきます。
注意事項としては、表面波探査の方法では、地盤に対しておおよそ15m程度下までしか測定することが出来ませんので、あまりにも軟弱な地盤ですと、改めてスウェーデンサウンディングを行わなければならないという事もあったりします。
- 氷点下になりそうなタイミングで基礎工事の予定がある場合、コンクリート打設はそのまま実施されるのでしょうか?
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打った翌朝の気温が0℃を下回ると、少し心配になります。基本的には打ったコンクリートがきちんと保温されている状態であれば、大丈夫です。コンクリート自体は固まる際に水和熱を発生させますので、それが逃げて行かないように、木製型枠を使ったり毛布をかけたりして、保温します。養生中のコンクリートの温度が5℃を下回らないようにというのが目安です。AE材の使用や温度補正も気温に応じて行います。
- 基礎の二度打ちは一体打ちより強度が下がるので一体打ちは当然。みたいな動画を見たのですが、基礎の一体打ちは耐震等級3と同等に必須なものなのでしょうか?
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私はどちらでも構わないと思っております。
打ち継ぎができない分構造は一体化しますが、天端の精度が落ちがちなので、気密性のためには2回打ちの方が良かったりもします。RCの現場であれば各層ごとに打ち継いでいきますので。
立ち上がりと地中梁が両方ある場合などは、梁の中で打ち継ぎが発生することになりますので、1回打ちの方がいいかなと思ったりします。
何が何でも1回打ちじゃないとダメという事は有りませんので1回打ち、2回打ち、どちらの場合でも、それぞれのやり方に応じた丁寧な施工をしてもらえるといいと思います。
- 床下自主点検のために基礎の高さは何センチ以上必要でしょうか?
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長期優良住宅のルール上は床下の空間は有効で300mmの高さが必要となっております。しかし、住まい手の方が自主点検で潜るとなった場合、体格によっては300mmでは通れないという事も発生致します。床下をしっかりと点検できるものにしようと思うと、有効で600mm程度(ダイニングテーブルの下の空間くらいの高さ)があった方が良いです。しかし、今の日本の家づくりでそこまでの空間を作る事は、非常に稀です。
将来的には床下空間の高さもどんどん高くなっていくのではと想像しております。
- 基礎内断熱で床下の換気を考える場合にガラリをつけない換気以外はどのような方法があるでしょうか?例えば、床下エアコンや第一種換気でも十分できたりしますでしょうか?
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ガラリを無くして施工したこともあります。築後数年はマメに点検しましたが問題は発生しませんでした。防湿の設計施工がしっかり出来ていれば、床ガラリの無い基礎断熱でも大事故が起きる事はありません。しかし、全ての家でお勧めできる仕様ではありませんので、ガラリを付けておいた方が無難だとは思います。あえてリスクを抱える必要もないかと思います。
床下エアコンを設置する場合、吹き出し口になるガラリを通って温風が循環しますので、ガラリ無しはあまりお勧めできません。第一種換気の給気や排気を床下に設置する方法であれば、そこまで問題はありませんが、床面や間仕切り壁から床下への給気が全くない施工をしてしまうと、予定通り換気できていないという事も起こりえますので気をつけてください。
設計者さんによく相談されると良いと思います。
これまでにいただいた質問
- 新築時、基礎を化粧モルタルや塗装で表面処理を行った方がいいですか?それとも打ちっぱなしがいいですか?
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シロアリの点検的には打ちっぱなしが良いですが、中性化対策のためには何か塗った方が良いかと思います。
理想的には防蟻対策をした断熱材サンドイッチ基礎だと考えております。
- 基礎外断熱をするとコンクリートの中性化を遅らせることができるようですが、この点にどのようにお考えですか?例えばモルタル塗装で十分であるとか…
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以前もメルマガで紹介したことがありますが、コンクリートの両面を25mmのXPSで挟んだところ、中性化がほぼ止まったという研究結果が出ております。長期優良住宅の評価項目に、それを盛り込む動きもあります。それを踏まえると、断熱型枠による基礎施工は、コンクリートの耐久性を上げる事に対しては効果的であると思います。
- 基礎断熱と床断熱の場合、基礎断熱の方が土間の熱容量も使えると思うので床断熱に比べて温める面積は増えてしまうと思います。それでも基礎断熱の方が、全館冷暖房をする場合、少ないエネルギーで生活できるのでしょうか?基礎断熱と床断熱以外は同じで全館冷暖房が十分出来る家と仮定してご意見を伺いたいです。
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全館冷暖房の場合は、もちろん床断熱の方が少ないエネルギーで生活できます。物理的に気積も表面積も多くなりますので同じというわけにはいきません。
ですので、基礎断熱にするのであれば、床下空間が室内と同じ環境になるという特性を是非活かすべきです。何も活かさないのであれば、床断熱の方が良いです。
- 6地域で床下エアコンを設置しない場合、基礎内断熱の厚さはどのくらいがベストでしょうか?
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立ち上がり100mm、土間50mm程度は欲しいです。
- メルマガで、分厚すぎる基礎土間断熱は年間のトータル負荷を増大させるとありましたが、地中に逃げる熱よりコンクリートの蓄熱性の方が重要なのでしょうか?
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基礎の立ち上がりの断熱材の厚みはできるだけ分厚くしておいた方がよいです。 基礎の土間と地面の熱移動がどうなるかというのが大きなポイントです。夏ですと、地面が基礎内の熱を吸い取ってくれるという現象が起きますが、年間の冷房負荷と暖房負荷の数値がイコールになるくらいまで断熱を施した家になりますと、夏の対策の方が重要になってきまして、あえて基礎の土間中央部分の断熱を薄くしたり、無くしたりして、夏の冷却を期待するというやり方も存在します。このバランスは非常に難しい所ですので、どの程度がベストなのかというのは、それこそシミュレーションを繰り返して決めて行けると良いかと思います。床下エアコンは無いとのことですので、夏寄りの考え方で良いかと思いますが、床下エアコンがある場合は、冬に果てしなく地面が熱を吸い取るという現象が起きますので、土間中央部分も断熱は必須になります。