よくある質問

G2レベルの性能がある家で二階リビングを採用した場合、一階の床下エアコンによる暖房だけで、二階を十分に暖めることはできるのでしょうか?一階は間仕切りが多くなり難しい場合、うまく活かせる工夫はありますか?

出来るかできないかで言えば可能になります。1階であれば、間仕切りが多くとも床ガラリの位置や数で吹き出し量を調整すれば大丈夫です。
ただ、おっしゃることを上手く機能させるためには、きちんとした計算が必要です。
Q値1.6(G2レベル程度)W/㎡K×100㎡(30坪)×20℃(内外温度差)=3200W(家の総暖房負荷)。総二階だとすると、各階1600Wの暖房負荷になります。
例えば1階の足元と2階の室温で空気温度が5℃(K)違う想定でに2階に1600Wの熱を空気に乗せて送りたい場合、1600W÷0.34Wh/㎥K(空気の比熱)÷5K=941㎥/hの空気循環が必要です。(エアコンの最強風量で約800㎥/h)室内にこれだけの空気の流れをどのように作り出すのかという答えを持たないまま設計をしてしまうと、床下エアコンの暖気は2階には届きません。
各部屋、そして全体の温度がきちんと均一になる様に設計がなされているのか、その根拠(計算式など)があるのかが一番大事になります。
イメージや、定性的な言葉だけではきちんとした性能住宅にはなりません。上記のような計算が出来る設計士さんを訪ねて頂ければ大丈夫ですが、出来ない人の場合は大失敗する可能性もあります。

6地域でUa値0.4、C値0.5程度で平屋だと何坪くらいまで床下エアコン1台を有効利用できますでしょうか?また、設定温度は何度くらいで運転するのがいいのでしょうか?

基礎とエアコンの設計施工が間違っていなければ、平屋で40坪くらいまでは床下エアコンで行けます。40坪くらいにする場合は、やはり床下に大きな圧力を掛けなくてはなりませんので、なるべく大きな風量となるべく高い設定温度にしておいた方が無難です。

いぐさ畳でも床下エアコン設置は問題ないでしょうか?

いぐさ畳でも床下エアコン設置は問題ありません。わずかではありますが、畳が暖かくなりますので、気持ちいいです。

床下エアコンを設置する予定で、基礎内断熱で基礎立ち上がりが少なくなるよう地中梁を多くしてグリットポストの立ち上がりにしようと考えています。この場合、根太工法ではなく剛床工法だとうまく暖まりませんでしょうか?

基礎の構造はグリッドポストにしておくに越したことはありませんが、空気搬送がうまくいくかどうかは、ちゃんと計算すれば、普通の立ち上がりの基礎でも大丈夫です。
根太工法か剛床かは、どちらでも大丈夫ですが、根太工法は壁体内にも暖気が流れ込んでいく為、空気の抜ける先が多い。剛床は基礎内+床ガラリがメインで暖気を室内に送らないといけない。という違いがあります。違いを分かって計算してくれる方であればどちらでも大丈夫です。
基礎コンクリートから熱が逃げる量は床下エアコンの場合、普通の家の倍くらいありますので、壁の断熱材よりも分厚い断熱が本来は必要です。床面も基礎の上下を問わず全面断熱をしておいたほうが良いのは間違いありませんので、参考にしていただければと思います。

床下エアコンを夏に使うと、結露やカビのリスクがあるのは何故ですか?基礎断熱と床にガラリが設置してある家なら、床下も室内と似た環境になると思います。

暖気はガラリを通して上に上がりますが、冷気は基礎の下にどんどん溜まり続けるからです。
エアコンから出てくる空気は基本的に湿度100%に近いものです。(露点以下に冷やされ、結露させながら出てくるため)それが床下に溜まり続けてしまい床上から流入した空気をまた結露させるためカビが生えます。
室内も、足元だけが20℃以下、頭の上は30℃みたいな空気になってしまいます。下に溜まった冷気を持ち上げるのは非常に大変です。

これまでにいただいた質問

床下エアコンで冷房すると結露リスクがあると聞いたのですが、床置きタイプのエアコンを使用して、床下に風向を出さない方法以外に対策はあるでしょうか?

要は床下の空気が露点温度以下に下がらなければ大丈夫です。
家の中の最も暑い空気を床下に押し込み、床下エアコンから出た空気を家の中の最も暑い部分に送り込む仕組みがあれば大丈夫です。

床下エアコンから出る冷気をダクトを使って小屋裏に押し込むやり方をしている人もいます。それも一つの正解になります。

原理原則が分かっていれば、色々と応用は利くと思います。

床下エアコンでも壁掛けエアコンでも1階のエアコンだけで2階の個室を暖めるのはどのような理屈なのでしょうか?

吹き抜けを通して上に暖気を送るという事を考えております。

一階30坪・二階20坪程度の吹き抜けありの住宅で床下エアコンを検討しています。ワイドなので端から端まで暖気が廻るか心配です。あと、二世帯なので室温調整が難しいのかなと感じます。人それぞれ体感温度が違うため床下放熱器を検討してますがどうでしょうか?

広い家であれば床下エアコンよりも床下放熱器の方が熱を配りたい場所に配れるので温度差もなく快適ですし静かです。
室内環境の質は床下エアコンよりも高いです。
弊社で床下に放熱器を入れる場合は、必ず普通の基礎よりも高くしていざという時の維持管理ができるようにしております。
2世帯住宅の場合、全館同一温度が本当に良いのかどうかは要検討です。体感温度の個人差は世代間で変わらない場合もあれば、非常に大きい場合もあります。
床下熱源も含めた、オールシーズン・家族全員にとって良い空調システムを検討されると良いかと思います。設計者さんに相談をお願いします。

床下エアコンがやりたいのですが、構造がLVLだと床下環境がボンドとかでいいのでしょうか?F☆☆☆☆の日本の基準がいいか悪いのか分かりません。

土台や大引きなど、床下にもLVLの構造材を使われるのでしょうか。
床下エアコンであれば、極端な温度差は出ませんのでボンドなどへの影響はそこまで気にすることは無いと思います。
どちらかというと、住んで2年くらいは発生するであろう接着剤の匂い(F☆☆☆☆)の方が気になるかもしれません。

F☆☆☆☆が絶対悪いとは言いませんが、使わなくて済むのであれば、あえて使うものでもないかなと思っております。

基礎断熱で床下エアコンを採用予定なのですが、一階床の合板と柱の取り合い部分に隙間があります。床断熱とは違いこちらは気密処理をしなくても良いのでしょうか?また、この隙間がある事により工事中の床下コンクリートからの湿気対策になるのでしょうか?

床下エアコンの場合は、壁の内側などを通して暖かい空気を運ぶため、合板と柱などの部分は隙間を開けたままにしておくことの方が多いと思います。
空調設計をどのように考えているかにもよりますが、より沢山の空気がつながっていた方がコンクリートの乾燥にも有利ですので、そのような理由で開けているのかもしれません。