よくある質問

第3種換気を検討しています。静圧等の圧力制御の性能はどの程度を考慮する必要がありますか?その他スペックで確認した方が良い項目も教えていただければ幸いです。

換気扇の静圧はこだわった方が良いのですが、断熱の方がまずは優先ですし、これは住まい手はおろか、ほぼ全ての設計者はどのように数値を確認して設計に生かしてよいかは分かりません。換気扇の静圧で商品を選んでいる人は1000人に1人程度の割合じゃないでしょうか。
まずはしっかり気密が取れている事、暖房時の室内の圧力分布を計算してある事、換気扇の適切な流量が計算されている事が、設計時の確認項目です。
そして、住んだ後に、概ね1000ppm以下のCO2濃度でちゃんと暮らせているかというのがものすごく大事な確認項目です。設計がいい加減でも、住んだ後のCO2濃度がちゃんとしていればそれで大丈夫です。

国産の3種換気の選定で将来のメンテナンスを含めて考慮すべき点はありますか?

普通のパイプファンであれば後々でも交換するだけで終わりますので、メンテナンス性は気にすることはありません。
ダクト式の場合は、機器本体の交換が発生しますので、必ず機器本体+αのスペースが必要になります。それが無ければ、使い捨てのつもりで採用した方が良いです。

中華料理屋で炒め物を週4ぐらい作ってますが、掃除を怠ると煙や油汚れはどうしても発生します。御社のような高気密高断熱住宅の、キッチン周りの間取り、換気設計、キッチンとリビングの設計の考え方を教えていただけますか。

その使い方でしたら、必須になるのはキッチンの換気扇は外壁面にくっついている事です。コンロ周りに勝手口や窓は無い方が無難です。オープンキッチンでも良いですが、せめて正面と側面に壁のあるキッチンにすると良いかと思います。換気扇はお掃除機能付きなどは採用せず、掃除のしやすさの1点に絞って探すと良いかと思います。タカラのホーローレンジフードなどは相性が良いかと思います。

第一種換気で全熱式を採用する場合、たばこの匂いは家中に広がってしまいますか?

また、煙草のヤニの成分などはてきめんに熱交換素子を詰まらせますので、メンテナンスの頻度はかなり高くなります。
家の中で煙草を吸うのであれば、熱交換換気やダクト式の空調は全くお勧めできません。普通の第三種換気にしておいて、吸排気のフィルターをマメに変えたほうが良いです。

一種のダクト式換気で、OAに電子集塵機をつけている事例を見かけるのですが、集塵機があるとダクト清掃や熱交換素子交換の頻度は下がるものですか?

はい、下がりますね。ただし、電子集塵機の本当に必要な地域なのかどうかはちょっと考えてみてください。
田舎の空気が綺麗なところであれば普通のフィルターで十分ということもありますので。

これまでにいただいた質問

ダクト式の熱交換換気システムの場合、給気ダクトの汚染が問題になると思うのですが、清掃すると10年毎に15万円くらいかかると西方先生の著書にありました。ダクトの汚染と清掃についてどの様に考えているか教えてください。

まともにメンテナンスを行うと、西方先生の言うとおりのお金が掛かります。それどころか、ダクトの素材がフレキダクトのような清掃のできないものですと、実質清掃もできず、メンテナンスは不能になります。

ダクトの汚染と清掃については、スウェーデンの建築基準法に定められたルールに則るのが最も良いかと思っております。ダクト配管の素材については焼肉屋さんの配管のような太い直管を使い、天井裏の横引きや縦貫通の空間をたっぷり取るか露出させます。不要な曲がりが発生せず、最も高い効率で各部屋に空気を配る事が出来るように致します。勿論材質も各種のメンテナンス方法に耐えられる強度のある素材の物を使います。間取りを考える時点で、同時にどういう配管ルートにするかを考慮しておく必要があります。
日本で普通に流通しているものと比べて初期費用は100万円以上高価になるかと思いますが、建物を50年単位で配管を持たせようと思うと、それがトータルコストで最も安くなる施工になります。

第三種換気について、季節によって換気量がかわってしまうというのは、高気密住宅でも起こるのでしょうか?

その現象は起きます。外と中の気温差により空気の圧力差が生じますので、夏と冬では給排気の風量が変わります。圧力差を無くしたければ、外と中の気温を合わせると良いです。つまり、断熱や冷暖房をしなければそういうことは発生しにくいです。
高気密高断熱でもそういうことが起きる。のではなく、高気密高断熱だからこそ、そういうことが起きるんですね。

ダクト式の第一種全熱換気システムを導入する場合、シーリングファンは必要でしょうか?シーリングファンは掃除が大変とネット上で見かけるのですが、空気を循環させるために、どうしても必要なことがあれば伺いたいです。

サーキュレーターと同じで、あれば空調計画の幅が広がりますが、ないとダメだというものでもありません。
間取りに大きく左右されますので、設計者さんに相談をお願いします。

ダクトレス第3種換気の場合に気密を取った場合、風圧がプロペラファンにモロにかかるのでカタログスペックの最大風量で換気計画を立てると換気回数が足りなくなりますか?また風速は常に2〜3mあって、そうなると9-10Paの風圧がかかることになりますがこれも最初から考慮した方がいいでしょうか?

カタログスペックよりは換気量が落ちると思って設計して良いですが、そういう事も諸々ひっくるめて、換気回数0.5回という、余裕を見た計画になっておりますので、わざわざ増やすという事をしなくても、結果的には丁度良くなることが殆どですので、そのまま設計しても問題ない事が多いです。
夏季、冬季で1階2階の給排気口からの流入/流出量が変わる事まで考慮して計画をしたいという事であれば、計算に入れてみるのも面白いですね。

ダクトレス一種換気ですと、80秒ごとに吸排気が入れ替わるため部屋の中央部は空気が入れ替わらないのではと思いましたが、どうなんでしょうか。

換気は直接空気が行き渡らずとも、空気の成分が拡散、中和して混ざり合う事で、有害物質を希釈するという物になります。ダクトレス第一種でも換気性能については特に問題は有りません。ただ、折角新築を建てるのであれば、ちゃんとしたダクト式換気の方がしっかりしていますので、そちらをお勧めします。ダクトレス換気は基本的にリフォーム用商品です。