よくある質問

窓の日射遮蔽の方法について質問です。これから新築する我が家は、6地域でHEAT20のG2くらいの仕様かつ東道路、南は隣家と3mほど空いています。夏の日射遮蔽にすだれを使おうと思っているのですが、二階の南窓・東窓は滑り出し窓ですだれやシェードがとりつきません。窓の大きさは700×900で南は少し軒が出ています。どうやって日射遮蔽するのがいいのでしょうか?

南は軒をなるべく出す、東西は窓をなるべく減らすというのが、2階の日射遮蔽は有効です(角度があまり振れていない場合)
それができないのであれば、せめて反射率の高いカーテンなどを取り付ける事になりますが、内側で出来る日射遮蔽対策は大して効果はありませんので、気休めくらいに思ってください。

リビングダイニングなどに掃き出し窓を設計することがあると思います。この場合、25120の掃き出し窓は、2枚のものと4枚のものがあると思うのですが、4枚のもので設計することはありますでしょうか?

現在施工中の家で、25622−4という、4枚引き違いの掃き出し窓を採用している家があります。理由としては、既に車椅子の生活をしており、庭のデッキから車椅子で出入りする必要があるためです。2枚引き違いでも開口幅は大して変わりませんが、開口位置の自由度が高くなる4枚引き違いを採用いたしました。当然気密の数字は悪くなるはずですので、大工さんにお願いした性能は、いつもの数字(αA)+5cm2です。何を優先するかで、色々な仕様は変わって良いと思います。

窓ガラスの色について質問です。ブロンズなどの色ガラスや曇りガラスはプライバシー的には良さそうですが、日射等の影響はどうなのでしょうか?森さんはいつもクリアガラスをご使用でしょうか?

南側はクリア、その他の面はグリーンやブロンズです。(ブロンズは北海道限定だと思います。質問者さんは北海道での計画でしょうか?)
ブロンズだと思いっきりガラスのイメージが変わりますので悩ましいところですが、グリーンやブルーならそこまで影響しませんので、気になるならそういう選択肢もあるかと思います。

現在APW330(low-e、アルミスペーサー、アルゴンガス入)の引き違い窓の気密向上を目的として内窓の設置を検討しております。気密向上を目的とした場合でも複層ガラスの内窓を選択した方がいいでしょうか?

コスパを考えるととりあえず複層を選んでおいた方が良いかと思います。

窓について質問です。6地域でUA値0.3くらいの建物で十分な日射が得られると仮定した場合、南面の窓を日射遮蔽型にすることはありますか?日射遮蔽型で熱が逃げる量を抑えることでオーバーヒートも抑えた方が温度一定で快適性が得られる気がしますがどうなんでしょうか?

日射取得型でオーバーヒートを起こさないように窓の面積を調整すればよいかと思いますが、あえて大きな窓を施工しておき、日射遮蔽型というのも決してダメではありません。肝心なのは、それをちゃんと計算して狙ってやってもらえるかどうかだと思います。
きちんと計算した場合、コスパが良いのは取得型になります。

これまでにいただいた質問

窓の取り付け方で断熱性能が変わるという記事を見ました。日本製の窓でも海外と同じ断熱ラインでの取り付けは可能ですか?

仰る通りで断熱性能は窓の取り付け位置によって変わります。断熱の厚みが十分であれば、海外と同じ納まりは可能です。

これから着工予定で排気のみダクト式の第三種換気を予定しています。寝室にも排気口があり換気は問題なく窓はFIXで良いと考えていますが、森さんのお考えを伺えますでしょうか?

温熱環境的にはFIXでも問題ありませんが、強いて言えば避難について注意があります。
有事の際寝室から屋外に避難が出来にくくなりますので、それでも良いかどうかだけ、気にしてみても良いかもしれません。

性能の高い家の場合、窓を開けなくても快適な環境を実現できると考えますが、居室の窓を引き違いにせず、全てFIXにすることによるデメリットはありますでしょうか?

高層ビルの上層階を想像していただければと思います。窓を開けられないので、快適を得る方法は完全に空調設備に依存します。高断熱な住宅だと11月のこの時ですと、日射取得熱が外皮からの放熱を上回る為、日中は家の中が暑い事もあります。そんな時、窓を開けると涼しいさわやかな風が入ってきますが、それをも放棄して冷房を掛ける事になります(外が涼しいので効率は恐ろしく良いですが)

完全に通風をシャットアウトするという事は、そういうデメリットも発生します。
また、100%設備に依存致しますので、今年の千葉の災害のようなものがあり、ライフラインが断絶すると、非常に厳しいです。

全部の窓が開く必要はありませんが、季節のいい時期や、いざという時に通風が確保できるくらいの開口は設けたほうが良いかと思います。
どのくらいの開口が適切なのかは、お住まいになる地域の気候、家の大きさ形状、家族構成などによりバラバラですので、設計士さんにきちんと計算してもらってくださいませ。

窓の経年劣化についてのどこがどのように劣化するのか教えてください。とある方が以前動画で言っていたのですが詳細はあまりお話しされなかったので樹脂窓の経年劣化などがあれば伺いたいです。

素材としての劣化は30年程度の比較であれば樹脂でもアルミでも特には問題ないです。
100年同じ窓を使い続けようと思えば紫外線に当たる部分だけアルミになっている窓が最も良いかと思います。窓ガラスは基本的にどんな窓でも交換が必要になっているはずです(そうでない物もあるかもしれませんが)
窓が最も痛むのは可動部分です。丁番などの金物部分が一番最初にやられますので、それが丈夫な商品を選ぶといいです。

コーナー窓(L字窓)は耐震的に問題があるとお聞きしますが、許容応力度計算による耐震等級3していてもコーナー窓(L字窓)は避けた方が良いのでしょうか?入隅がないことで空間が広く感じられるとお聞きしたのですがどうでしょうか?

コーナー窓の定義があやふやな気がします。コーナー部分に柱が無く、全てガラスになっている物を指すのか、柱はあるけど壁ではなくガラスになっているものを指すのか。それを混同して使っているのかなと思ったりも致します。

隅角部の柱は非常に重要な物になります。地震時のめり込み、引き抜きの力が最もかかりやすいので、柱が無い状態というのは避けたいところです。
では柱があったうえで窓があるなしをどうするかというと、それは全体のバランスを見なければ何とも言えません。角だけ壁になっていて、真ん中が全部ガラスという建物と真ん中が全部耐力壁で角だけガラスという建物では、後者の方が、角の柱にかかる引き抜きが小さい為、ホールダウン金物を小さく、または無くしたりも出来ます。部分的な写真だけを見て、コーナー窓がダメだというのは短絡的です。