よくある質問

Q & Aよくある質問

よくいただくご質問をまとめました

パッシブハウスについて

昔はパッシブハウスの基準は暖房負荷15以下となっていましたが、最近は暖房需要に訂正されたのでしょうか? 結構混同して使用されているワードな気がします。暖房負荷と暖房需要の違いはどういった点にあるのか教えてください。
需要は実エネルギー量(kWh)、負荷は仕事率(W)なので単位の次元が違います。
率がいくら小さくても、実質使うエネルギー量が多かったらそれは省エネじゃないですよね。くらいの認識でいて頂ければと思います。
パッシブハウスで最も気にされているのは、年間に実質使うエネルギー量がちゃんと少なく済んでいるかどうかになります。
パッシブハウスジャパン工務店の特徴は、高気密高断熱・省エネ・日射取得・遮蔽・接着剤が少ない建材・札幌時計台のように長持ちする家や外壁、シロアリのメンテナンス費用が抑えられるという理解であってましでしょうか?
概ねそのような意識の工務店さんが多いと思います。
ただ、会としてそういう取り決めがあるわけではありませんので、会員工務店さんの家づくりは様々です。
家づくりをする際に高気密高断熱、可能ならパッシブハウスに近づけたいのですが、予算が足りないのかなと不安です。 高気密高断熱はそのままで、価格を抑えることも可能なのでしょうか?その場合のデメリットはありますか?
高気密高断熱をそのままに価格を抑える事は可能です。

ただし、何もデメリットなく抑える方法はありません。建物の予算をどのように配分するかという事だけになります。

予算の掛け方は、大きさ(坪数)構造(耐震)性能(断熱気密)耐久(防水防蟻排湿)意匠(デザイン)内装(床壁天井)設備(キッチンバストイレ照明IOT他)外装(屋根外壁樋)埋設設備(配管配線)に分けられます。限られた予算の中で、性能に対するお金の掛け方を増やしたければ、その他の予算を削ることでパッシブハウスクラスの断熱性能を持つ家にすることは十分に可能です。

ここで気を付けたいのが、削る順番を間違えると何も意味が無いという事でして、高性能な住宅は長い年月の中で最も温熱環境的にも経済的にも優れたものを目指したものになります。1年しか住まない仮の家なら沢山の冷暖房設備を入れたほうが快適で安いです。
という事で、長く住む為の要素を削ると意味が無くなってしまいます。具体的には構造、耐久、埋設設備、外装です。長い年月の間に地震で痛んでしまうと高気密の性能も台無しです。排湿が上手くできずに腐ったりしてしまうとやはり台無し、外装の耐久性が悪くメンテが追いつかずに雨漏りをしてしまっても台無し、電気配線のメンテのタイミングで断熱をめくらないといけないような家でも台無しです。
それ以外の要素は後からでもやり直しはできます。
という事で予算が足りない場合、パッシブハウスクラスの物にするためには、広さ、設備、意匠、内装の順に予算をカットしていく事になるというのがデメリットでしょうか。
ちなみに、弊社の場合、構造、耐久、埋設設備に関しては、削るという選択はしませんので、性能、大きさ、外装、設備、意匠、内装の天秤で、予算を決めていく形になります。
パッシブハウスの実例を見ていると、年間暖房需要が15kWh/(㎡・年)を超えているのにパッシブハウスに認定されている建物や、申請中の建物があります。15kWh/(㎡・年)以下以外にも認定される条件はありますか?
2015年くらいを境に、ルールが変わってきております。
日本の気候ですと、暖房負荷よりも冷房負荷の方がはるかに大きくなってしまう建物もあり、ドイツのルールだけではちょっと無理があるので、冷房、暖房負荷をそれぞれ計算してパッシブハウスの認定を下ろすようになっております。
北海道や東北、標高の高い地域はドイツのルールと同じでも大丈夫ですが、それ以外の地域だと冬はいいけど夏は厳しいねという事になってしまいます。
そのあたりが日本の実情に合わせてルール変更されておりますので、15kWh/(㎡・年)を満たさない建物でも、夏の負荷、全体の負荷のバランスを見て認定が下りるようになっております。
パッシブハウスのそもそもの目的が、地球の温度上昇を2℃以下に抑えるために必要な住宅のあり方から逆算されているものです。一次エネルギー使用量を抑える事が目的ですので、日本やドイツの気候風土や生活スタイルの補正を加えて計算した方がより目的の達成に近くなるという意味です。
UA値にこだわるのと、実際の光熱費にこだわるのでは、後者の方がより高性能な家を建てる目的に近いと思いますが、それと同じことだと思います。
パッシブハウスの見学会はありますでしょうか?

見学会は今のところ予定しておりません。

個別でのご案内は受け付けておりますので、弊社ホームページの「モデルハウスのご予約」からお申し込みください。

スマートハウスとパッシブハウスは、共存するものでしょうか?

勿論、共存します。

スマートハウスはエネルギー消費の効率化を、パッシブハウスはエネルギー消費量の低減を目指したもののため、相反する要素はありません。

ただ、現実的には予算をどちらに振り分けるかによって求められる効果が変わってくるかと思います。

パッシブハウス認定を取ると決めた施主様は何が決め手だったのでしょうか。コスパを考えると微妙ですが、悩んでいます。
勿論、認定を取るにあたり、認定費用が掛かる上…

勿論、認定を取るにあたり、認定費用が掛かる上に、日本のルールにおいてはそれに対して何もインセンティブが無いという事に対しては皆さん悩まれます。認定費用を断熱を分厚くすることに回したい等、様々な葛藤があります。私も、どうしても取りたいという方以外に無理にお勧めしている訳ではありません。認定を取られる方の最も大きな理由は、地球環境の為、人類の未来の為が大きいです。次いで、折角だからちゃんとしたパッシブハウスだと言いたい。という物です。この先300万円を投資しても良いと思えるのであれば、取っておいても良いかと思います。また、パッシブハウスの認定取得のチャンスは新築時だけではありません。遠い将来、大規模リフォームをされる際に、改めてパッシブハウスの認定を取るという方法もあります。(勿論今取っておいた方がトータルでは安いかと思います)
うーん、悩みますね。

パッシブハウス基準で家を建てると、冬場でもオーバーヒートになったり寝苦しくなったりするのでしょうか?また、オーバーヒート対策は何かされていますか?
オーバーヒートは狙ってさせる…

オーバーヒートは狙ってさせることが出来るようになります。暑くなり過ぎたら窓を開けて「ああ、涼しい」で大丈夫です。夜寝苦しいレベルになることは余程ありません。オーバーヒートをするという事は窓が大きいという事で、夜に逃げる熱も大きくなっていきます。

私の場合、オーバーヒートをさせるかどうかは住まい手さんの生活スタイルによります。夫婦共働きで日中は殆ど家に居ませんという家庭であれば、存分にオーバーヒートさせておき、夜の暖かさを確保します。

パッシブハウス認定はダクトレスの1種換気では取得できないと伺いました。これはなぜでしょうか?
ダクトレスでは認定が取れないのは本当です。

ダクトレスでは認定が取れないのは本当です。カタログスペックだけ見ればダクト式と変わらないように見えますが、ダクトレスは1つの穴で吸排気をする性質上、他の換気扇の有無に性能が大きく影響されます。カタログスペック通りの性能が現実に出ない事が多いという事です。
性能の安定性、信頼性、空気環境の清浄さなど換気に必要な要素のほぼ全てにおいてダクト式換気の方が上です。
ダクトレス換気は、リフォームなどでダクトを今さら這わせるのが無理だから仕方なく施工されるというのが、ドイツでの認識であり実態です。
リフォーム用につくられた商品を、なぜか新築で有難がってつけているのが日本の住宅市場です。

数十年後の気候が変わった際には、パッシブデザインされた家は効力を失ってしまうのでしょうか?

パッシブデザインの最適解が変わることはありません。パッシブデザインの本質は、太陽の動きと家の形を合わせる事にあります。地球の地軸の傾きが23.4℃からずれたりするレベルの天変地異が起こらない限りはパッシブデザインの効力は変わりません。
このまま極端な温暖化が進むと、断熱材の厚みが1cm薄い方が良かったとか厚かった方が良かったという些細な差が生まれる事は予想されますがパッシブデザインの最適解が変わるという事はありません。
しかし、周囲(主に南側)にビルが建ってしまった場合には、冬の日照計画に大きな影響がある為、そういう事が起こり得る地域の場合は南側に大きな窓を設けるべきかどうかは慎重に判断した方が良いかと思います。
西側や東側に建つ大きなビルは、本州の多くの地域では通年で考えるとプラスになる事も多いので、気にしなくてもいいです。北側のビルに関しては、マイナス要因はほとんどなく、プラスに働くことの方が多いと思いますので、問題ありません。

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