よくある質問

Q & Aよくある質問

よくいただくご質問をまとめました

換気について

第3種換気を計画する上で、機器の配置や選定に重要な点はありますか?

第三種換気は自由度が高い分、設計者の換気空調に対する理解や知識技術の差が大きく出てしまいます。

大前提として、気密がきちんととれているかです。 C値1.0は切っていないと何を考えても無駄になります。 そのうえで、季節に合わせて給気の方式を変えるという事をお勧めしております。

冬は内外温度差に伴い、家の内外に圧力差が生まれます。気球をイメージしてもらえると分かりやすいのですが、暖かい空気が膨張して上に行こうとするため、1階の給気口から大量に空気が入り、2階の給気口からはほとんど入ってこないか、もしくは2階の給気口から空気が外に出ていく状態になります。 つまり、冬は1階が過換気、2階は換気不足という状況が生まれやすいです。1階が沢山換気されるという事はその分1階だけが冷えやすく、2階はあったかいのに1階はちょっと寒く感じるねという事になりやすいです。

なので、私の場合はざっくりと家の中の圧力分布を計算して、給気口の配置や、その開閉設定を決めるようにしております。 圧力分布を計算する過程で、浴室やトイレに設置する換気扇機器の静圧をカタログから読み取り、中性帯(圧力がゼロの高さ)がどこに来るのかを計算しておく必要があります。 給気口の空気をどこから取り入れるのかというのも重要な要素になります。給気口の先を大気に開放する方法と、壁体内通気層の空気を入れる方法がありますが、冬の南側や西側の壁体内通気層内の空気はそれなりに暖められているため、暖房負荷を低減してくれますが、夏は非常に高温の空気が入り逆に増エネになります。

なので、夏の空気を入れる給気口は大気に開放すべきであり、冬の空気を入れる給気口はなるべく壁体内の空気を入れるべきです。 断熱のレベルにもよりますが、冬のピーク時に暖房負荷のうち2割から3割を換気が占める事になります。機器の選定や配置により、第三種換気でも最大50%程度(全体で言うと1割から1.5割ですね)換気からのエネルギー損失を抑える事が可能になります。

年間の冷暖房エネルギーが10万円だとすると、設計の工夫だけで1万円くらい削減できるイメージになります。 

第1種換気を導入検討しています。ダクト有無など様々な機種が販売されていていますが、機種選定のポイントを教えて下さい。

ダクトの無い第三種換気、もしくは大径スパイラル管を用いた第一種(熱交換)換気をお勧めしております。

弊社では、ダクトレス第三種をベースにした空調換気システムを専用に設計するか、海外製のメンテナンス性を考慮したダクト式換気システムを紹介しております。

海外製で大口径ダクトを使うことで日本製のシステムを使うのと比べ金額は1.5倍程になりますが、メンテナンスが難しく使い捨てになるよりも長く使えるものを提案したいと考えております。

キッチンのレンジフードを動かすと、トイレの換気扇から外気が逆流してしまいます。家にとって不都合なことはありますか?

正転しようとしているモーターを無理やり逆転させるわけですから、あまりいい状態とは言えないかと思います。

もしそれが気になるという事であれば、キッチンの換気扇を動かすときは

キッチンに一番近い窓を少しだけ開けるという事をしていただければ逆転はしなくなるかと思います。

恐らく差圧式や連動式の換気扇を熱橋などを嫌って設置しなかった事と、

そもそも家全体の給気口が少ないか小さいか、その両方かで、十分な給気口の大きさが取れていないのが原因だと思います。

面倒であれば、そのまま使っていただいても、トイレの換気扇の寿命が少し短くなるかも、というくらいのリスクかなと思います。

高性能住宅でのレンジフードの選び方について教えてください。メーカーサイトでは同時吸排換気扇では給気が足りないと記載がありますが、何をおススメされていますか?電動給気を設置するなどはされていますか?

同時吸排では、多くの機種の場合排気がファンを使い、給気はダンパーが開くだけになりますので、やはり家の中の吸排気のバランスは崩れやすいです。では電動給気の方が良いかと言いますと、換気扇を回している間の吸排気バランスは少し崩れにくくなりますが、換気扇を回している期間が多いほど家は過換気になっていきますので、まずはレンジフードの換気扇を使う時間はなるべく必要最低限にとお勧めしております。換気扇を使う時間が短くなればなるほど、初期投資に掛けるお金はもったいない話になってきますので、落とし所としては、同時吸排換気扇をつけておいて、なるべく使わないという感じになりやすいかなというのが印象です。

高気密はウイルスの温床になるという考えは正しいですか?

高気密がウイルスの温床になるのではなく淀んだ空気の中で呼吸をするのでウイルスの数が増えて行くのが正解です。 いずれにしてもしっかり換気をすることは大事だと思います。

コロナやインフルエンザの感染防止のため密を避けることが推奨されますが、高気密による換気と窓を開ける換気ではどちらの方が有効でしょうか?

空気が入れ替わればどちらも同じです。家中の窓を絶えず5mm程度開けておくだけで、計画換気と同等以上の換気が出来ますのでそれでもかまわないかと思います。ただ、その場合は防犯性など、換気以外のデメリットもありますね。いずれにしてもしっかり換気をすることは大事だと思います。

臭いや音が伝わるのが嫌であればリビング階段は避けた方が良いでしょうか?部屋の広がりが感じられるリビング階段に魅力を感じていますが、何か対策がありますでしょうか?
家の中の空気の流れをコントロールすることで、…

家の中の空気の流れをコントロールすることで、においが伝わってほしくない場所への空気の流入をある程度防ぐことはできますが、音は伝わってしまいます。
そこは完全に矛盾した要望になってますのでハード面での工夫よりも、家族間で迷惑な音を出さないように気をつける。あまり音の事に神経質にならないように気をつける。というソフト面の工夫の方が良いかと思います。私の家はロフトまで筒抜けの吹き抜けで、ロフトにおいてあるキーボード(楽器)の音が家中に聞こえますが、家族6人誰もうるさいとは言いません。リビング階段、気持ちいいですよね。

第三種換気について、季節によって換気量がかわってしまうというのは、高気密住宅でも起こるのでしょうか?
その現象は起きます。

その現象は起きます。外と中の気温差により空気の圧力差が生じますので、夏と冬では給排気の風量が変わります。圧力差を無くしたければ、外と中の気温を合わせると良いです。つまり、断熱や冷暖房をしなければそういうことは発生しにくいです。
高気密高断熱でもそういうことが起きる。のではなく、高気密高断熱だからこそ、そういうことが起きるんですね。

居室に通風のための窓を設置しないといけないと言われ、FIXを横滑りに変えましたが、24時間換気があっても開口する窓でないとだめなのでしょうか。
そこは建築基準法の換気に対する…

そこは建築基準法の換気に対するダブルスタンダードと呼ばれる矛盾点になりますね。建築基準法本文では、窓を開けなくてはならず、施行令では機械換気が義務付けられており、現状は両方をクリアしないとダメという感じになっております。
ただ、余程の都市部や狭小住宅でない限りは、法律をかわす手段はあるような気は致しますが、、、

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