よくある質問

Q & Aよくある質問

よくいただくご質問をまとめました

日射取得、遮蔽について

再来月に着工予定で、軒ゼロの家です。 東西に窓はなく、南北に高さ60センチくらいの窓が複数あります。 南北どちらも同じ奥行20センチくらいの庇が設計されていますが、北向きの窓にも庇は必要ですか?
日射遮蔽的には北面の窓の庇は全く必要ありません。
窓の雨かかりを防ぐという点では大きな効果がありますのであっても良いですが、雨かかりに弱い状態かどうかは文面だけでは何とも言えません。
デザインで付くておくという意図もあるかもしれませんので、一度設計者さんに聞いてみられてはいかがでしょうか。
日当たりが良い立地の南面の窓面積はパッシブと言うのでしょうか? 日射取得したい場合、室内床面積の2割が良いですか?

冬期に直射日光が当たる場所の窓(主に南)はパッシブ設計の要素と言えます。
その家が何ワットの熱量を欲しているのかにより窓面積は変わります。

南面の窓を多くして冬の日射取得したいですが、夏に暑すぎ、名古屋では要らない、昔の縁側みたいでダサいと言う工務店が有りますが、冬の省エネ優先ならどう思われますか?
名古屋で日射取得が取れるのであれば、南面の窓を大きくする方が良いですが、日射が取れないのであれば窓は邪魔なだけですので、小さくても良いです。
また、安易に引き違いの掃き出し窓を使うのでダサくなります。FIX+縦辷りや大開口横辷りなど、ダサくならない窓も視野に入れてくださいませ。
季節の太陽高度を基に軒の長さを設定されると思いますが、夏場の基準日は夏至に設定されていますか? 又は期間とするといつからいつまでの日射を遮蔽し、日射を取得できるように考えられていますか?
夏至では意味がありません。一年のうちで最も暑いのは8月の第一週になります。夏至+40日になります。この高度は夏至-40日と同じですので、GW明けくらいの太陽の角度と同じです。庇で日射遮蔽をする場合、お客様が暑がりか寒がりかにもよりますが、4/20~8/20位は南の窓に陽が当たらない期間と考えます。暑がりの人であれば、4/1~9/10くらいまでが陽の当らない期間です。
ただ、これもあくまで目安でして、最終的にはちゃんと計算して求めていきます。
私は自然素材の簾の雰囲気が好きなのですが、日射遮蔽をする際にYKKのアウターシェードなどと比べて遮蔽率など大きく変わるものなのでしょうか?
すだれの評価に関しては、実は定まっているとは言い難いです。
例えば日本の研究チームの評価では、すだれは外付けスクリーンよりも性能が高いという評価をされていますが、海外の研究チームの報告ですと、すだれよりもスクリーンタイプの物の方が遮蔽性能が良いという評価になります。
これは実験する環境によって評価が大きく異なるという捉え方も出来るかと思います。光の透過量という点では、隙間のあるすだれよりも隙間の無いスクリーンの方が優れているのは間違いありませんが、すだれは竹や葦といった細い中空パイプの植物で作られておりますので、素材裏面の温度はスクリーンよりも低いです。そこから放射される輻射熱の影響を考慮すると、すだれの方が高性能という結果もあり得る話です。
様々な条件によって前後しますが、窓から極力離して取り付けるスクリーンが85%程度の遮蔽率、すだれが75%程度の遮蔽率というのが現実的な数字ではないかと考えております。
ではこの10%の数字がどの程度の差につながるかという事ですが、冷房期で東西南面の窓が20㎡あり、300W/㎡の日射が300時間続くとします。すると、20×300×300÷1000(最後の÷1000はWh→kWh)=1800kWhというのが窓に当たる日射のエネルギーになります。ガラスの遮蔽性能が50%だったとして900kWh、更に85%カットのスクリーンだと135kWh、75%のすだれだったとすると225kWhがそれぞれ室内に入ってくる日射エネルギーになります。
COP3.0のエアコンで冷房をした場合、スクリーンの場合45kWh、すだれの場合67.5kWhが日射熱を打ち消すための消費電力となります。電気代が28円/kWhの場合、スクリーンは1260円/冷房期、すだれは1890円/冷房期という計算になります。ちなみにスクリーンもすだれもない場合ですと、8400円/冷房期という数字になりますので、やはり日射遮蔽の工夫は必須と言えます。すだれにするかスクリーンにするかは、好みで決めて頂いても良いかと思います。
シャッターでの日射遮蔽は有効でしょうか?日射はほぼ完全に遮蔽できる気がしますが、金属のシャッターが熱くなったらシャッターからの輻射熱で結局暑くなるでしょうか?
結論だけ言えば有効です。
シャッターが火傷するくらいに熱くなるエネルギーが室内やガラスに入って来るよりははるかに省エネです。
夏には日射熱と共に、1㎡あたり300W程度の熱量が窓から入ってきます。普通の掃き出し窓からは約1000W程の熱が入ってくると思ってください。掃き出し窓が3つ程あった場合、エアコンがその熱を相殺する為だけに一つ必要になります。
シャッターを閉めますと、シャッターの裏側の温度は50℃程度になります。シャッターと窓ガラスの間の空気の温度は40℃以上になりますが、その場合にガラスから入ってくる熱量は、掃き出し窓1つあたり100W程度ですので、シャッターが無い場合の1/10ほどまで軽減できます。詳しい計算式は割愛しましたが、そういう事になります。
ただ、おっしゃるように、シャッターが熱くなった分の輻射熱が入ってくるのもまた正解ですので、シャッターよりは、熱容量が軽く熱くなりにくいもので遮蔽をする方がより効果的です。
南面大開口をAPW330、APW430 、大開口スライディングAPW431を検討しています。6地域で日射取得を見込める東海地域なのですが、日射取得率、コスト面を考えて、あえてAPW330にする選択肢もあるのでしょうか?
やってはいけないという事は有りません。
年間のトータル熱収支が430でも330でも殆ど変わらない地域も東海地方内にはあります。

ただ、合計の熱収支が変わらない事と、実際の生活も変わらない事は別です。
430の方が日射取得が少ない分、昼間の暖まり方が少なくなる一方、夜間の冷え方も緩やかです。
330は日射取得が多い分、昼間は430よりも暖かいですが、夜間の冷え方は430よりも多いです。
室内環境の変化が少なくなる事がどの程度生活に影響を及ぼすかどうかは人それぞれ感じ方が違うので何とも言えません。
吹き抜けリビング上部に窓を設ける場合、大きさ、形状、位置など普段意識されているところはどのようなところですか?6畳の畳リビング上に吹き抜けを作る予定です。
まず一番大きな要素は方角です。
どの方角に窓を付けるかにより考え方が変わってきますが、最も多いであろう南のパターンだと仮定してお話を致します。

意識するのは一年を通しての日射熱取得量/遮蔽量のバランスです。特に庇にて対応する場合は、どの季節まで日を入れてどの季節まで日を防ぐかを意識して設計します。

ただ、日射量だけを気にするとデザイン的に違和感が出る場合がありますので、他の窓との大きさや形のバランスが崩れないようにせねばなりません。
日射遮蔽について縦滑りもしくはFIXでapw430を西側に設置する予定なのですが、高性能窓でもやはり内外の西日対策は必要でしょうか?
必要かどうかの答えは、各種条件によって変わります。
例えば窓の大きさです。人が出入りできる程の大きさの窓からは、夏の西日によって1000W程の熱取得があります。これが2つもあると2.2kWのエアコンが、西日対策の為だけに動くことになります。
APW430で最も日射遮蔽性能の高い窓で70%程になります。430を使うだけでも2000W入ってくるはずの熱が600W程度に抑えられますので遮蔽効果はあります。ただ、70%というのはガラスの遮蔽性能だけですので、実際には暖められた窓のフレームや熱されたガラス本体からの熱伝導により、もっと多くの熱が入ってきます。なので、基本的には西側の窓は何らかの日射遮蔽を考えておくべきです。
ただ、十分に小さい窓であれば、熱は入るけど絶対値に直せば些細な値なので無視するという選択もできます。
窓の大きさが0.15㎡ガラスの大きさが0.08㎡の窓で、Uw値が0.9、日射取得率が30%の場合、窓の表面温度が55℃、室内が25℃だった場合、
入ってくる熱は合計11W程度です。これならエアコンの負担も少ないです。
私の場合は、西側に窓を付ける事になった場合は、横30cm縦50cm程度の小さな窓にして、日射遮蔽はしないという場合が多いです。
カーテン、ブラインド、ロールスクリーン、ハニカムサーモのほかに西日対策としましてガラスフィルムも有効でしょうか?
日射を遮る効果は%で表示されます。
カーテンやロールスクリーンで30%程度
内付けブラインドで35%程度
ハニカムサーモで40%程度
外付けブラインドで80%程度

ガラスフィルムは10%~80%の幅で商品があります。

お値段を考慮して比較すればコスパが出てきます。

有効ではありますが、ガラスフィルムは他の部材と違い、冬の日射を取得する性能も落としますので、注意が必要です。
あと、効果が高いものほど、可視光線も遮りますので部屋の中は暗くなります。

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