住宅の間取り設計で失敗しないために|理想の暮らしをカタチにする方法

こんにちは。凰建設代表取締役の森です。

一生に一度の大きな買い物である、マイホーム。その中心となる「間取り」を考える時間は、未来の暮らしを想像する、この上なく楽しく、心躍るひとときです。

おっぴー

わかる〜!間取り図を見てるだけで、新しいおうちでの生活を想像してワクワクしちゃうよね。

ママ

そうよね。広いリビング、日当たりのよいベランダ・・・憧れるわ~!


私自身、間取りを考える時間を「人生で一番楽しい時間」だと感じています。

敷地の条件やお客様の想いといった無数のピースを組み合わせ、世界に一つだけの答えを導き出す、まさに至福の時間だからです。

しかし同時に、多くのご家族が「何から考えればいいの?」「本当にこの間取りで後悔しない?」といった大きな壁にぶつかるのも事実です。

この記事では、住宅の間取り設計で後悔しないために、本当に大切なことは何かを、数々の家づくりに携わってきたプロの視点から徹底的に解説します。

住宅の間取り設計で最初に考えるべきは「理想の暮らし」

最近では、無料で使える間取り作成アプリやツールも充実しています。ご自身で簡単に間取りを考え、未来のマイホームを想像するのは本当に楽しい時間ですよね。

ですが、プロの立場から、あえてお伝えしたいことがあります。いきなり部屋の配置(パズル)を始める前に、少しだけ立ち止まってみてください。

なぜなら、そのステップに進む前に、もっとずっと重要で、家づくりの満足度を根底から支える土台づくりの作業があるからです。

それは、あなたとご家族の「理想の暮らし」を、深くそして明確に描き出すことです。

おっぴー

「理想の暮らし」って言われると、なんだか壮大で難しいなぁ…。

リビングは広い方がいいし、キッチンもおしゃれなのがいいし…くらいしか思いつかないかも?

そもそも「間取り」とは?

一般的に「間取り」とは、部屋の配置や広さを示す平面図を指します。

しかし、私たち凰建設にとっての間取りは、ご家族の人生を豊かにするための「暮らしの器」そのもの

朝起きてから夜眠るまでの家族の動き(生活動線)、家族がどこで顔を合わせるか(コミュニケーション)、そして何を大切に生きるか(価値観)。

間取りはこれらすべてを映し出す、暮らしをデザインする設計図なのです。

だからこそ凰建設では家を作るんじゃない。暮らしを作るという言葉を胸に、単なる部屋のパズルではない、血の通った空間設計を追求しています。

設計者に伝えるべきは間取り図より「理想の暮らし」

「自分たちで考えた間取り図です!」と打ち合わせにお持ちいただく熱意は大変素晴らしいのですが、実は私たち設計者が最も知りたいのは、完成された間取り図そのものではありません。

私たちの仕事は自己表現をするアートではなく「お施主さんの頭の中にある、断片的なイメージや、ぼやっとしたものを具現化する」問題解決のデザインです。

そのため、お客様にお願いしたい最も重要な仕事は、ご自身の頭の中にあるものを「最大限の努力」で私たちに伝えていただくこと

好きなカフェの写真、憧れの暮らしが描かれた映画のワンシーン、今の住まいで感じている不満点のリストなど、どんな断片的な情報でも構いません。

それらの情報こそが、あなただけの「最適」な間取りを導き出す、何よりのヒントになるのです。

住宅の間取り設計を成功させる!プロが実践する5つの基本ポイント

理想の暮らしが少しずつ見えてきたら、次はいよいよ具体的な設計のポイントです。

次の5つの基本を押さえることで、デザイン性、安全性、そして将来性までも満たした、質の高い住まいが実現します。

ポイント1:全体のバランスを最優先に考える

家づくりで最も重要なのは、間取り、構造、性能、設備、コスト、デザインといったすべての要素が調和し、バランスが取れていることです。

「リビングは広く」といった部分的な要望に固執すると、全体のバランスが崩れ、耐震性が落ちたりコストが嵩むなど、かえって住みにくい家になりがちです。

凰建設では、特定の部材や性能が「最高」だと断じるのではなく、お客様の価値観やライフスタイルに合わせて「最適」な家を目指します。

ポイント2:「引き算」のデザインで洗練された空間を

本当に心地よく、長く愛せる空間を創る秘訣は「引き算」のデザインにあります。

色、素材、凹凸、そして目に見える線の数を、いかに減らせるか。これが住宅デザインの本質だと私たちは考えます。

例えば、部屋ごとに壁紙のテーマを変えると、家全体としてまとまりのない、落ち着かない印象を与えてしまいます。

シンプルで統一感のあるデザインは、空間に広がりと落ち着きをもたらし、そこに住まうご家族の暮らしそのものを引き立ててくれるのです。

ポイント3:構造を理解し、家族を守る安全な家を建てる

お客様が描いてくださった間取り図を、私たちがそのまま採用することは稀です。

その最大の理由は、構造的な安全性が考慮されていないケースが多いからです。

デザインや暮らしやすさだけを優先して柱や壁を配置すると、地震に弱い家になってしまう危険性があります。

プロの設計者は、耐力壁、直下率、偏心率などを緻密に計算し、安全性を確保します。

ポイント4:将来の変化を見据えた「長く使える」設計

家は、建てて終わりではありません。

何十年という長い時間、ご家族と共に変化していくものです。

だからこそ、設計段階で「将来の変化」を見据えることが極めて重要になります。

凰建設では「後でお金がかかるような仕様にしない」ことを徹底し、メンテナンス費がかさむ設備よりも、断熱など一度施工すれば生涯その性能が続く基本性能にお金をかけるべきだと考えています。

ポイント5:テクノロジーの進化に対応する備え

私たちの暮らしは、テクノロジーの進化と共に日々変化しています。

10年後、20年後には、今では想像もつかないような便利な家電が登場しているかもしれません。

こうした未来の変化に備えることも、現代の家づくりにおける大切なポイントです。

例えば、コンセントの数を多めに設置することをご提案しています。

特に、災害時にも最低限の生活を維持できるよう、非常用コンセントはスマホ充電用や冷蔵庫の近くに計画するなど、具体的な備えが将来の暮らしの快適性を大きく左右します。

これで後悔しない!住宅の間取り設計で失敗しがちな5つの注意点

どんなに素晴らしい理想を描いても、いくつかの「落とし穴」にはまってしまうと、後悔の残る家づくりになってしまいます。

ここでは、多くの人が陥りがちな、間取り設計における失敗ポイントと、それを回避するための考え方をご紹介します。

注意点1:「来客」を意識しすぎて家族の快適性を損なう

「お客様が来たときのために独立した和室を」といったご要望は少なくありません。

しかし、年に数回のイベントのために、毎日暮らす家族の生活動線が不便になったり、リビングが狭くなったりしては本末転倒です。

家全体がひとつの大きなワンルームのような間取りが、実は最も生活しやすいという考え方もあります。

見栄や固定観念に縛られず、ご自身の家族のリアルな暮らしに最適化した間取りを追求しましょう

注意点2:「子供部屋」を快適にしすぎない

子供の成長を願い、豪華で快適な子供部屋を用意したい、と考えるのが親心かもしれません。

しかし、私たちはあえて「子供部屋を使いにくく、過ごしにくい環境にする」ことや、場合によっては「子供部屋を作らない」という選択肢すらご提案します。

これは教育的なアプローチです。自分のスペースが「足らない」と感じた時、子供は自ら考え、交渉するようになります。

与えられすぎた快適な環境は、時に子供の自立心を育む機会を奪ってしまう可能性があるのです。

注意点3:収納は「量」より「場所」と「使い方」

「収納はとにかくたくさん欲しい」これは、ほぼすべてのお客様からいただくご要望です。

おっぴー

収納スペースがあると部屋がすっきり見えていいよね!

ママ

そうね!ウォークインクローゼットを大きく作りたいわ!

しかし、ただ闇雲に大きな収納スペースを設けるだけでは、住みやすい家にはなりません。

大切なのは、収納の「量」だけでなく「場所」と「使い方」、つまり「適材適所」の収納計画です。

玄関クロークやファミリークローゼットなど、生活動線上に収納を配置することで、家事の負担は劇的に減り、家は常にスッキリと片付きます。

散らからない家の秘訣は、暮らしの流れに沿った緻密な収納計画にあるのです。

注意点4:照明計画を後回しにしてしまう

間取りや内装に気を取られ、照明計画を後回しにしてしまうケースは少なくありません。

しかし、照明は空間の雰囲気を決定づける、非常に重要な要素です。

私たちは、間取りを描く段階から、どこに光を溜め、どこに影を落とすかを想像しながら設計します。

間接照明などで明暗のメリハリをつけることは、空間に奥行きと上質さをもたらす人気のテクニックです。

また、将来の家族の変化を考慮し、照明を後から追加・移動できる「ライティングダクト」などを採用しておくことで、暮らしの変化に柔軟に対応できます。

注意点5:窓の配置で「周辺環境」とつながる

窓の役割は、光を取り入れ、風を通すだけではありません。

室内と屋外をつなぎ、暮らしに豊かさをもたらす「額縁」でもあります。

設計の際には、ぜひ敷地の周辺環境に目を向けてみてください。

遠くの山並みや隣の公園の桜などを家の中から美しく見えるように設計する「借景」という手法は、暮らしに彩りと広がりを与えてくれます

住宅の間取り設計は「学ぶこと」と「語ること」から始まる

住宅の間取り設計とは、ご家族の過去・現在・未来を紡ぎ「理想の暮らし」をカタチにしていく、創造的で尊いプロセスです。

その成功の鍵は、究極的には2つのことに集約されます。

ひとつは、住まい手であるあなた自身が、家づくりについて徹底的に「学ぶこと」

自分が詳しくなればなるほど、何が重要で何が不要かを見極める力がつき、コストを抑えながら満足度の高い選択が可能になります。



そしてもうひとつは、学んだ上で見えてきたあなたの価値観や夢、理想の暮らしを、信頼できる設計者に余すことなく「語ること」です。

私たち凰建設は、そんな熱意あるあなたの想いを真正面から受け止め、プロの知識と技術、そして「暮らしを作る」という情熱をもって、世界にひとつだけの「最適」な住まいをデザインするパートナーです。

残念ながら、建築業界には「最初の見積もりは安く見せておいて、後から追加費用を請求する」といった慣習が未だに残っています。

しかし、凰建設では、こうした不透明さをなくし、お客様に心から安心していただきたいと考えています。

そのため、できる限り最初から余裕を持った正直な資金計画をご提示し、そのご予算内で最大のパフォーマンスを発揮できるよう全力を尽くすことをお約束します。

お金の心配事をなくし、純粋に「理想の暮らし」を考えることに集中してください。

最後に

今回は住宅の間取り設計について紹介をしてきましたが、

家づくりにはまだまだたくさんの落とし穴があります。

「家づくりに失敗したなぁ」と思う人を一人でも減らせたらと思い、

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この記事を書いた人

代表取締役

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー