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もう、大失敗。

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

オリンピックの開会式
ご覧になられました?

私は、、見てません。
ずっと地域の会議。

休日がずれる前の
昨年から決まってましたので
不可抗力ではありますが
少し、残念でした。

本日は、ご契約。
年明け着工のお施主様。

ウッドショックの渦中では
ありますが、今まで通り
値上げをせずに対応できるよう
祈るばかりです。

メルマガのタイトルは大失敗ですが
こちらのご契約は万事うまく
行ってますので大丈夫です。

さて、本日の話題は、
私、やらかしてしまいました。

その昔、93.4%の方がまだ
このメルマガの存在を知らなかった頃
とある配信について優しく
諭されたことがあります。

それが、住環境と健康について。

健康住宅というフレーズは
昔からありましたが、
それが顕著に言われ始めたのが
2013年ごろからになります。

こういう団体が立ち上がったりして
本当の健康住宅とは何かを
みんなで考えて行こうという
流れができ始めました。
↓     ↓
%url1%{http://www.kokumin-kaigi.jp/}

で、私もそういう発信を
メルマガでしておりましたが、
健康という言葉には医療業界は
非常に敏感に反応するため、
あまり強く言わない方が良い。

という事を教えていただきました。

そしてそれ以降メルマガでも
YouTubeでもブログでも、
健康をメインテーマにしたものは
なるべく書かないようにしてきました。

しかし、やってしまいました。
ノーマークの質問箱でした。

あれだけ言われてたのに、しっかり
考えることなく対応してしまい、
結果複数の人を巻き込む事態に。

大変申し訳ない。

住宅と健康という分野は
学問としては昔からあるものの
データの蓄積方法が難しく、
なかなか根拠となる資料が集まりにくい。

寒い家は健康に悪いよ。という、
多くの人がそうだよねと
経験的に知っていそうなことでも、
データの蓄積度合いとしては、
その確率は「中程度」になります。

中程度というのは
今後さらなる研究が実施された場合
その推定が変わるかもしれない。
とされているレベルになります。

だから、言い切りはダメですよ。
という事なんですね。

でも、さらっと触れてしまった、、
いやあ、大失敗です。

まあ、失敗ついでなので住宅業界が
健康について調べてきた経緯を
かいつまんでお話できればと思います。

住宅と健康について語るのであれば、
伊香賀先生が日本のキーマン。
↓     ↓
%url2%{https://www.st.keio.ac.jp/tprofile/sd/ikaga.html}

先生が参考にされたのが英国保健省。

英国にはHHSRSというツールが。
これは、住宅の安全性、健康性
を評価するためのツールです。

この評価によって住宅に欠陥が
認められた場合は、
住宅改修・閉鎖・解体の強制や
罰則を与える事が出来るという
かなり強い法律が整備されている
というのが英国です。

その評価項目は多岐にわたりますが
その中に、

・湿気、カビの繁殖
・過剰な寒さ
・過剰な暑さ

に関する規定もあるんです。
強制力のある法律を作れるくらいに、
英国は何か根拠を掴んでいる?

と睨んだ伊香賀先生は、
国交省の予算を取り付け渡英。

多くの資料を持ち帰り、その後
日本の住宅と健康に関する
研究者の第一人者として
活躍をされておられます。

寒さと健康被害の資料は、
英国から持ち帰ったものの中に
沢山ありましたが、
その中の資料ではどうしても
説明のできない現象が、
日本にはありました。

それが、お風呂の中で
人が亡くなる現象です。
これは日本独特のものですからね。

なるほどこれは日本独自に
研究するしかないぞと。

当初、脳卒中や心筋梗塞が
お風呂の中でも起きるのでは?
と考えられ、「ヒートショック」
と名付けられたその現象は、
その後伊香賀先生らの研究により、
どうも熱中症ではないか
という事が分かってきたところ。

その原典はtwitterの中の
方に教えていただきました。
ありがとうございます。
↓     ↓
%url3%{https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/advpub/0/advpub_0825-18/_article/-char/ja/}

しかしなにぶん研究は始まったばかり。
教えていただいた熱中症の論文も
結論は「findings suggest~」
日本語訳だと「示唆している」
という表現に留まり、
今後の研究でどんどん裏付けを
していかないとね。

という段階になります。

伊香賀先生が英国で交流された
HHSRSの開発中心人物である、
オーマンディーさんという
研究者がおられます。

最初にデータの蓄積度合いは
中程度と紹介しましたが、
誰が中程度と言っているかというと
WHOになります。

世界中の根拠を集めてもまだ中程度。

家の中は暖かくした方がいいよ。
高断熱住宅に住むと健康が改善するよ。

だけど、そのエビデンスは中程度で
まだまだ裏付けは足りないよ。

と言っているわけですね。

その中程度のエビデンスを、
確たるものにするために、
研究しているのが、
オーマンディーさん。

彼の研究はWHOの
主張を裏付けるものも多く、
恐らく世界でもトップレベルの
建築と健康に関する研究者です。
↓     ↓
%url4%{https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0301421511006926}

そこまでは別に確認しなくても、、
と思っていたのですが、今回
やらかしてしまったのを機に、
生まれて初めて海外の論文を購入。
大変学びになるいい失敗でした。

興味があれば、買ってみてください。

室温と健康についてはここまでが
今の所、私の知見の限界。

お風呂で亡くなるのは熱中症の
線が濃そうだけどもよく分からない。
(だからヒートショックか
熱中症かというのはどっちでもいい)
だけど、家の寒さと健康は
関係がそれなりに認められてるよ。

というのが私の認識です。

これ以上の事は分かりませんし、
今のところは調べるつもりもない。

そこは実務者の私がやるよりも
研究者の方の分野だと思います。

私もしょっちゅう引き合いに出す
論文があります。

断熱レベルが上がると医療費が
安くなるという物です。

こちらも英国保健省が
出している資料の中に
暖房に1ポンド
お金を払うと0.42ポンドの
国民保険削減に相当する。

という物があります。

これは面白いアプローチ。

なんとか日本にも応用が
出来ない物か。

日本人はとかく、
暖房費を削って寒いのを
我慢しがちです。

海外だと、暖房をするのは
割と当たり前。断熱をすると
暖房費が下がるから、
元が取れる効果が分かりやすい。

日本人は暖房しないのが
当たり前。断熱をしたとて、
元々暖房費をかけてないから
元が取れるとは言いにくい。

しかし、断熱をすると、
室温が高まるので
健康的には良いはずだ。

住宅の断熱性能を上げる事を
光熱費だけで考えると日本は、
いつまで経っても進まない。

住宅の断熱のベネフィットを
光熱費×医療費で考えると、
日本の場合でも良いのでは。

そして研究が進み発表されたのが、
毎度おなじみこちらの論文
↓     ↓
%url5%{https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/76/666/76_666_735/_article/-char/ja/}

ちなみにこちらの論文の中にある
数式を使って、医療費も
含めた生涯コストを算出できるよう
私が作ったシミュレーションソフトが
ebifitになります。

こうして、日本の住宅業界は

・室温を上げて健康になる
・断熱を上げて生涯コストを下げる

この2つの旗印の基、
健康住宅を推奨してきました。

日本の住宅と健康について
私が把握している範囲で
経緯をかいつまんで話すと
こんな感じになります。

しかし以前、私が諭された時にも
教えていただいたように、
医療業界が積み上げてきた
エビデンスの数と、
住宅業界が積み上げてきた
エビデンスの数を比べると
その差は大きい。

だから、あまり健康の事に触れると
指摘されますよと。

言われてたのに、やっちゃった。
twitter上で巻き込まれてしまった方、
私を庇ってくださった方、
本当に申し訳ないです。

質問にもきちんとお返事が
出来ればよかったのでしょうが
最初から少し適当なお返事を
してしまったので、もう
謝るしかありません。

ご指摘いただいた方にも申し訳ない。

という事で、これからも
住宅と健康については、
あまり触れないで発信を
していこうかと思います。

以上、私の大失敗談でした。

エビデンスがそんなに大事かという
疑問もあったようですが、
それはやっぱり大事です。

プロとして、より効果の高い
ものを顧客に提供しようとすると
数字などで比べる事は必須です。

特によく分からない物を
比べる際は大事。

実際、住宅業界でも、優先順位を
間違えてミスリードをしている
という例は沢山あります。

消費者として根拠を求めていくのは
正しい事だと思います。

ただ、お医者さんに診察室の中で
その薬を出す根拠は何ですか?

となかなか聞きにくいように、
私にも面と向かっては聞きにくいはず。

だから、匿名の質問箱なんですね。

昨日のメルマガの質問に対しても
それ私も気になってました。

という感想をいただきました。

これからも失敗することも
あるかと思いますが、
出来る限りお答えするよう頑張ります。

私の失敗はtwitter上にそのまま
残してありますので、
どれどれ、見てやろうという方は
↓のtwitterリンクから
探してみてくださいませ。

作り手の方が、参考になるかも。

#未来コストを考える #温熱は物理 #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー