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空き家の相続問題を回避する「家づくりのゼロ・ステップ」!家は建てるべきでない?

こんにちは。凰建設代表取締役の森です。
今回は、家づくりを真剣に考えるすべての方、そして将来ご実家や親族の不動産を相続する可能性がある方へ、少し耳の痛い、しかし避けては通れない「空き家と相続」の現実についてお話しします。
Contents
新築が新たな空き家を生むという構造


ねえおっぴー、やっぱりマイホームはピカピカの新築がいいわ!古い家なんて、なんだか気分が上がらないもの・・・

その気持ちは分かるよ、誰だって新しいものはワクワクするからね。
でもママ、「新築を建てる」ってことは、日本のどこかに「空き家」をもう一つ増やすってことだって、気づいている?
今の日本において、新築を建てることは「新しい空き家を一つ生み出す行為」と言っても過言ではありません。
日本には既に約900万軒にものぼる空き家が存在します。
参考:総務省|令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果
1980年代に住宅不足は解消されたにもかかわらず、その後も業界の論理で住宅を建て続け、現在は完全に供給過多です。
住宅業界は、例えるなら「残飯だらけのバイキング会場」。
テーブルにはまだ食べられる料理(既存住宅)が山積みなのに、厨房からは次々と新しい料理(新築)が運ばれ、手つかずのまま廃棄されていく…。
一方、建築コストの高騰、住宅ローン負担の不安、など様々な要因が絡み合い、家を建てることを躊躇される方も多い昨今。
実際に住宅着工数は減少傾向にあります。
家を建てる私が言うのも何ですが、家を建てる人が減るのは、社会全体で見れば妥当なことだと思っています。
個人的には「これ以上、日本には家はいらない」と本気で思っているのです。
「じゃあこれから家を建てたい人は古い粗悪な家で我慢するしかないと言うんですか?」
そういうわけではありません。
直せばいいのです。
既存のストックを暖かい家にリノベーションする。日用品でもまだ使えるものがあれば、新しいものを買わずに手入れして使いますよね?
住宅も同じことなのです。
「負動産」化する空き家相続のリスク


まあ、家を相続できたとしたらラッキーよね。家や土地がタダで手に入るなんてありがたいわ!

昔はそうだったね。でも今は人口も減っているし、使い道のない不動産は「負動産」、つまりリスクになりかねないんだ。
固定資産税に管理の手間…タダより高いものはないってことになるかもよ?
かつて不動産は確実な「資産」という時代もありましたが、今は違います。
地方の実家を相続しても、売れず貸せず、管理の負担だけが残るケースが後を絶ちません。
ご相談いただいた、あるご夫婦の例を挙げましょう。
| 30代ご夫婦 ・住宅購入の相談に来られました ・ご自身の親、配偶者の親、さらに祖父母の代の土地を含め、将来的に最大で4軒の土地建物を相続する可能性がありました |
このご夫婦が、もし、今回新たに土地を購入して新築を建てた場合、ご夫婦は将来5軒もの不動産を管理することになります。
半世紀前なら資産家として益を得られたところですが、今は違います。
バラバラの地域にある4軒の空き家の草むしりや修繕、税金の支払いを想像してみてください。
「住まないなら貸せばいい」と思うかもしれませんが、そう簡単ではありません。
古い家を正規に賃貸に出す場合、現行法への適合を求められます。
耐震基準を満たしていない、24時間換気がない、火災報知器がない…。
これらを是正しなければ法的に貸せない場合もあるのです。貸せたとしても、借り手がつかないこともままあります。
かといって放置すれば、管理不全で「特定空き家」に指定され、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性も。
最悪の場合、行政代執行で勝手に解体され、数百万円の請求書だけが届くかもしれません。
維持管理にお金がかかり続ける家を相続することのリスクを、ぜひ把握しておいてください。
家づくりの「ゼロ・ステップ」と住宅診断の必要性


えー、じゃあ古い家を直して住むのがいいってこと?なんだか我慢してるみたいで嫌だなあ・・・

我慢じゃないよ、賢い選択さ。骨組みがしっかりした実家をフルリノベすれば、新築と同等に快適で、しかも1000万〜2000万円も費用が浮く可能性があるんだ。
家づくりを考えたとき、多くの方は「どこの建築会社で建てようか」というステップから始めることでしょう。
しかし、その前に、ぜひ「私達には本当に新築が必要か?」を問う「ゼロ・ステップ」を踏んでいただきたいと私は願っています。
相続する予定の家があるなら、譲り受けた住宅ををリノベーションして住む・・・。
そうすれば、土地代も新築費用も浮き、生涯コストを下げられる可能性が大いに高まります。
相続した家を高性能住宅へ再生できれば、無理なローンを組まずに済み、廃棄物を減らすという社会的意義も生まれます。
とはいえ、すべての家がリノベーションに適しているわけではありません。
例えば、築20〜30年程度のハウスメーカー製のプレハブ住宅。
壁を抜いたり窓を変えたりすると、当時の適法性が失われ、違法建築状態になるリスクがあるのです。
こうした家は、残念ながら建て替えざるを得ないケースもあります。
そのため、まずは専門家による住宅診断を受けるところから始めましょう。
人が手術前に精密検査を受けるように、家もまず状態を正しく知ることが欠かせません。
「住宅医」「ホームインスペクター」といった専門家を活用するのもいいでしょう。これらの専門家は、既存住宅を調査・診断し、改修すべき箇所などをアドバイスします。
ぜひ、相続した家を診断し、どう行動するのがよいか、プロの判断を仰いでください。
後世への責任と「真の資産」

子供のためを思うと、やっぱり家を残しておきたいわよね。家を残せたらとりあえず安心だもの。

その愛情は素敵だよ。でもね、もしその家が30年でボロボロになったら、子供に残るのは「数百万円の解体費用」という借金なんだ。
本当に子供のためを思うなら、現金に勝るとも劣らない価値のある家にしてあげる必要があるね。
家づくりは「出口戦略」が重要です。
資産価値のない家を遺すことは、子供に解体費用という負債を背負わせるだけです。
これから家を建てるのであれば、受け継ぐ人の迷惑にならない家を建てなければなりません。
あなたが「親から現金を遺してほしい」と思うように、あなたのお子さんもまた「ボロ家よりも現金を遺してほしい」と思うようになるでしょう。
逆に、100年住み継げる高品質な家(長期優良住宅など)なら、子供たちはそのまま住んで住居費を浮かすことも、売却や賃貸で現金化することも可能です。
相続した家の耐震診断をお手伝いすることも多いですが、結果をお伝えするたびに、住まい手さんの少し悲しげな顔を見ることになります。「こんなはずじゃなかった」と。
お子さんたちが、将来そんな顔をしないで済むような家を建ててほしい。切にそう思います。
相続放棄と社会全体のコスト


相続した家の資産価値が低かったら残念よね・・・。そういう場合は、相続放棄したらいいんじゃないかしら?

相続放棄は簡単に考えるものじゃないと思うよ。みんなが放棄して管理されない土地が増えたら、そのツケは税金として跳ね返ってくるんだから
相続放棄は、個人の問題で終わる選択ではありません。
所有者不在となった土地や建物の管理コストは、最終的に税金で賄われます。
相続放棄が増えれば増えるほど、その負担は社会全体に広がり、巡り巡って私たち全員の首を絞めることになります。
空き家の相続は、たとえるなら「維持費の高い、動かない旧車」を引き継ぐようなものです。
放置すれば駐車場代だけがかさみ続けます。
一方で、きちんとレストアすれば再び価値ある存在として使われます。
あるいは、最初から長く使える車を選ぶという判断もあるのです。
家も同じです。あなたが遺す家は、次の世代にとって「商品」になり得るでしょうか?
50年、60年先でも使い続けられる家であれば資産となり、そうでなければ解体費用を伴う負債に変わります。
これからは、良い家にこそ資産価値が認められる時代です。
次の世代に譲ったとき、家を継ぐ人から感謝されるのか、それとも負担を残したことを悔やまれるのか。
その分かれ道は、今の家づくりの選択にあります。
私たち一人ひとりの判断が、家族の財産を守り、同時にこの国の景色と未来を守ることにつながっています。
どうか目先の都合ではなく、長い時間軸で住まいを考えてみてください。
最後に
今回は空き家の相続問題について紹介をしてきましたが、
家づくりにはまだまだたくさんの落とし穴があります。
「家づくりに失敗したなぁ」と思う人を一人でも減らせたらと思い、
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