MAGAZINE この建物は詰み。
凰建設の森です。
本日は岐阜市から依頼を受けて
耐震診断業務でした。
ミサワホームさんの建物です。
現場でお客様から建築会社の
名前を聞いた時点ですごく
嫌な予感がしてたんです。
案の定、ひどい。
耐震診断業務の為には、
床下にもぐったり、天井裏に
もぐったりする必要があります。
ところが、現場に行っても
床下への入り口、天井裏への
入り口が見当たりません。
通常押し入れの天井や、
床下収納庫を兼ねる点検口が
あるはずなのですが、
全部接着剤で留めてあります。
何か見られてはまずい物でも
あるのかというくらいの、、、
そして極めつけは、自慢のパネル。
ミサワホームさんは、南極基地でも
使われた木質パネルがウリです。
2×4とも微妙に違う、在来+合板
とも微妙に違う、ミサワさんだけが
扱える構造用パネルになります。
↓ ↓
%url1%{https://www.misawa.co.jp/kodate/technology/mokusitu/safety/kouho/}
このパネルを使うと、建築基準法の
アレコレを無視して家が建ちます。
プレハブ系の建築会社がよくやる
形式適合認定の建物です。
完成時はいいんです。
このパネルを使ってあるだけで、
細かい計算は無くても全体で
建築基準法を満たした建物と
みなしてくれますので。
天衣無縫の完成形みたいな。
しかし、もしその建物に、
綻びが出てき始めたら、
どうなると思います?
細かい部材の計算はしてないけど
全体でOKという建物です。
ここの壁が一部壊れたけど
全体ではOKでしょう。
という事には残念ながらなりません。
どこか一部でも壊れたら、
もう直しようがありません。
ちなみに、今日の現場は
家の角の部分がこんな感じ。
↓ ↓
%url2%{http://www.ohtori.net/2019-07-09%2013.38%20%281%29-down.jpeg}
自慢の構造パネルがシロアリやら
腐朽やらで、無くなってます。
在来木造の場合、角の柱が
やられても、それを交換したうえで
既存の部材と適切に接合し、
再度構造計算を掛ける事が可能。
しかし、このパネルはそもそも
接合の仕方が接着だったり
特殊だったりしておりまして、
交換したからと言って、
新築時に想定していた強度が
出る保証は有りません。
細かい部分は分からないけど
全体でOKな建物の
細かい部分が壊れた場合、
何がどう影響するかわからないため
全体でNGな建物になります。
と、いうことで、本日の建物は
ほぼ、建物としては詰んでます。
自分で住み続ける分には大丈夫。
しかし、人に貸したり、売ったり
しようとすると、
一歩間違えば犯罪です。
この建物が建った当時、
ミサワホームはハウス55という
国家プロジェクトに向けて
廉価な建物の開発に余念が
ありませんでした。
押し入れの天井とか、
段ボールで出来ているんです。
しかも接着剤が切れて
落ちかかっている。
このメルマガでも何度か伝えた
型式適合認定の罪過。
なまじ耐震診断をしてしまったので
知らぬが仏の今までと違い
不安な夜を過ごす日々が始まります。
来年、定年退職だそうです。
退職金で家を建て替えるか、
今の家を売ってどこかに
引越しをするのか。
家族で話し合いますと
仰っておられました。
痛んだ型式適合認定の建物は
生みの親であるミサワホームさんも
見放します。
あっさり、建て替えを勧めてくる。
建築会社も行政も、誰も
助けてくれない状態です。
今日のお客様に限らず、
築年数の古いプレハブ系住宅は
みんなこの問題を内包してます。
今日の建物が普通の木造軸組み
であれば、如何様にも手直しが
出来たんです。共通ルールの
計算方法が普及してますので、
やろうと思えば等級3でも。
型式適合認定の建物、今後も
日本に必要だと思います?
新築時にしっかりと一件一件、
構造計算をしておきましょう。
期待していた退職金が
全部吹っ飛んでいくかもしれない。
そんな家を建てたいと思う人は
誰もいないはずです。