凰建設の森です。

先にお知らせの訂正です。
11/3の構造内覧会の現場ですが、
UA値0.4台とお知らせしました。
ところが、確認してみたら
UA値0.38でした。

私が設計を担当した現場でないので
断熱と窓の仕様だけで、大体この辺と
アナウンスしましたが、
思ったよりも良かったです。

うちのベースラインも随分
上がってきたなあと感じました。

G1、G2という概念が出た当初、
直近の現場をUA値換算してみた所
UA値のボトムは0.55でした。

なので、G1以上が最低ランクと
位置づけておりましたが、
現状を振り返ると、G2以上の
現場ばかりになってきています。

知らないうちに進歩しているなと
感じました。

毎週木曜日は女子大での講義。

建築環境工学と建築設備は
建築を志す学生さんにとっては
最もつまらない分野の一つです。

この授業が好きとか、興味ある
という人は10人に一人くらい?

いえ、もっと少ないです。

私が学生時代からそれを専攻した
というのは、単に実家が
高気密高断熱住宅を手掛けている
建築会社だったからというだけ。

だけど、20年前に高気密高断熱を
やっている会社なんてほぼ
なかったですし、そういう面では
色々恵まれていたと思います。

この時代になってようやく
猫も杓子も高気密高断熱。

昔、断熱材の勉強なんて意味ないと
笑っていたみなさんも
理論理屈を一から勉強されてます。

でも、今の学生さんは良いですね。

私が勉強していた頃は、
環境工学は日陰の学問、社会に出て
役に立つかどうかは分からない。

みたいな感じでしたが、今は
絶対役に立つから頑張って。

と言えますもんね。

頑張って欲しいと思います。

さて、今日の話題は、断熱の
優先順位についてです。

壁・床・天井(屋根)・窓
どの順番で強化すべきか。

というのもこんな質問が届きました。
↓     ↓
%url1%{https://s3.peing.net/t/uploads/eyecatch_image/file/a219d4da48ac15cdad75938706b32075a29ff8291be01dd3162925e9936fb319d2b87eb64a1a6a30dcabb4df712dd1da88357bc263e1e25c3c576ee739ff8039.jpg}

芥見南山パッシブハウスのUA値は
0.19です。
新しく出来るG3グレードの
北海道でも通用する断熱レベルです。

なるほど、外観から何が高性能なのか
あまりわからないという事ですね。

まあ、こんな感じの建物なので
至ってシンプルな訳です。
↓     ↓
%url2%{http://www.ohtori.net/case/cat2/entry003091.html}

どの順番で強化していくかという
お話ですが、結論から言えば窓です。
どんなに予算が無くても、
国内で普及している樹脂トリプルの
窓までのグレードアップは、
まずやった方がいいです。

グラスウールを105mm入れた
壁の熱還流率は0.36W/㎡K
国産の樹脂トリプルアルゴン入りで
窓の熱還流率は0.9W/㎡K

国産の最高の窓を使っても、
GW100mmの壁の半分以下の
断熱性しかありません。

ちなみにこの条件で
窓の面積が全外皮の10%だとしても
UA値は0.41となりG2クリアです。
※6地域の場合

断熱はボトルネックをつぶす作業。
どれだけ頑張っても壁の性能に
窓が届くことはありません。

だから、今あるもので最高の物を
選ばねば、数値上の性能は上がっても
窓の結露がひどくなるだけです。

だから、まずは窓です。

次はどこかというと、天井です。
天井や屋根は、比較的厚みを確保
しやすく、断熱アップのコスパがいい。
また、夏の暑さは屋根の断熱が
よく効きますので、夏の暑さ対策も
窓の次は屋根ですね。

その次は壁です。
インターネットなどを見ると、
充填断熱+付加断熱の家の模型が
沢山出てきますので、
今は付加断熱が当たり前のように
思っている方もいらっしゃいますが

とんでもない。

殆どの建築会社は、付加断熱など
やっておりません。

結構断熱の事をしっかりやっている
会社さんでも、窓、屋根までは
頑張るけど、付加断熱はまだ。

という所が多いです。

まあ、付加断熱をやらずとも、
G2グレードは十分に取れますし。

しかし、外壁の面積というのは、
断熱外皮の中でも、一番大きく
UA値を0.2台に突入させようと思うと
ここを避けては通れません。

G3グレードが出来てくると、
付加断熱をやっている/やっていない
というのが大きく影響します。

グラスウールだと250mm程の
厚みが欲しくなってくるはずです。

で、最後残ったのが床(基礎)です。
外気に晒される屋根や壁と違い、
床はその温度差を少し割り引いて
計算することができます。

外が0℃、中が20℃の時だと、
屋根や壁は20℃の温度差で計算。

だけど床は3割引きの14℃で計算。

ただし、床下エアコンや、床暖など
床を暖める暖房方式にするのであれば
床や基礎の断熱はしっかりやらねば
なりません。

床下エアコンの場合、床下の温度が
40℃前後になります。

外が0℃の場合、いくら3割引きでも
28℃の温度差となり、壁や屋根より
沢山の熱が逃げてしまいます。

という事で、優先順位をまとめると

窓→屋根→壁→床
の順番で断熱は強化すべき。

床まで十分にやって、
UA値が0.2台に突入した後は、

屋根→壁→床→窓
の順番に変わります。

国産の普及樹脂トリプル窓を超えて
良い物を探そうと思うと輸入品、
もしくは国産でも特殊な窓メーカーに。

そうなってくると、もう窓の価格は
天井知らずになります。

窓に400万円くらいは掛けるべきよ。

とは、某女性断熱建築家の言葉です。
うーん、確かにパッシブハウスを
狙うと、窓はそのくらい、
いや、もっとかかるんです。

だけど、なかなか難しいですよね。

今日お伝えした優先順位。
色々な条件によって、
この限りではありません。

床下エアコンがあれば基礎の断熱は
もっと優先順位が高くなるし、
オーバーハングがあれば違うし、
建物の形状が複雑なら壁の付加断熱は
とてもやりにくくなります。

平屋で方形屋根の建物なんかは、
屋根が最も重要になってきます。

断熱計算シートなどを見比べながら
どこから強化すべきか、
きちんとシミュレートしたいですね。