凰建設の森です。

建築業界に限らず、
その道で長い間仕事をしている人は
沢山の経験を持っています。

そのおかげで仕事がうまくいく
可能性が高まっていきます。

長年の経験によって、仕事の勘所も
分かってきたりします。
急所を押さえてミスを減らします。

はい、それは間違いない事だと
思うわけですね。

ただしかし、、
近年の木造住宅業界においては、
実は長年の経験や勘が全く役に
立たないというケースがあります。

それが、耐震構造や省エネの分野。

日本の家づくりは戦争を機に
一旦リセットされています。

それまでやってきた伝統工法だと
作るのに時間が掛かり過ぎるから
面倒な部分をざっくり省いた
在来工法という物を普及させました。

木造の耐震は木材のめり込み効果が
大きく影響してきます。
接合部が変形しようとする際、
木材が押されてめり込むことで
力を吸収するという物です。

通し貫などを使いめり込む箇所を
多くして地震力を吸収しやすく
する工夫がされていましたが、
そういうのを省いたんですね。

※通し貫とは
↓     ↓
%url1%{http://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2019/11/P1010299-12.jpg}

それに加えて、建築基準法では、
戸建て住宅程度であれば
構造計算はしなくていいよ。
最低限の仕様だけ守ってね。

というルールになっているため、
今、現役で木造住宅に従事する
実務者の9割以上は、
木造の構造計算をやったことが
ありません。

嘘でしょ?と思いますよね。
でも、本当です。

試しにあなたが相談窓口にしている
家づくりの担当者さんに、
構造計算をやったことがあるか、
聞いてみて下さい。

構造計算ソフトを触ったことが
あるという回答が得られるだけでも
結構レアケースだと思います。

どんな仕事でも、これっていくら
掛かるんですかという質問って
ありますよね。

それに答えるためには、数量を
計算したり単価を掛けたりという
作業をするわけです。

それを繰り返していくうちに、
概要を聞いただけで、ざっくり
このくらいかかりそうという
勘が働くようになるんですよね。

これが、経験と勘が養成される
プロセスになります。

なので、構造計算をやったことが
ない人というのは、構造の勘は
働いていない訳です。

特に構造は、地震が来た時に、
潰れるか潰れないかという、
非常に検証が難しい物で、
多くの住宅実務者が、自分で
設計した建物が地震で倒れるという
経験をすることなく実務者人生が
終わります。

勘は、養われないんですよね。

省エネはまだいいかもしれません。
嘘は住んだ瞬間からバレます。

聞いていたよりも光熱費が高いとか
聞いていたよりも寒いとか。

それが経験となって、もう少し
断熱材を増やそうとか窓を
いいものにしようとか、
改善をすることができますので。

でも、やっぱり自分で断熱性能の
計算をしたことが無い人に、
断熱設計の勘所は分からないです。

そもそも住宅業界において、
断熱とか耐震がここまで
クローズアップされ始めたのは
ここ10年くらいのものです。

阪神大震災が起きて法律が
変わり、耐震等級3という概念が
世の中に出てきたのが2000年。

2016年の熊本地震が起きるまで
耐震等級3が必要だという意識は
作り手も住まい手も希薄でした。

熊本地震以降、建築会社は
わたわたと耐震等級3の対応を
始めたというのが業界の実情。

これが出たのが契機でしょうか
↓     ↓
%url2%{https://sapj.or.jp/wp-content/uploads/2017/01/taishintoukyu3_susume.pdf}

だから、そもそも長年の経験
そのものがあるかどうか怪しい。

少なくとも、私を含め、私の
周りにいる人のほぼ全ては、
熊本地震以降にちゃんと構造に
向き合い始めたという感じです。

もし、それ以前からやっていたら
今頃はとっくにコンサルなどの
人に教える立場になっているはず。

省エネの分野では、私は人様に
教える事が出来る程度の知識は
ありますが、構造の分野では、
まだまだ生徒の立場です。

長年の経験と勘で仕事はばっちり。
もし、構造と省エネの分野でも
そういう事を言う人がいましたら
結構、疑った方がいいかもです。

本当にばっちりなら方々から
取材されたり意見を求められたり
しているはずです。

このサイトの検索窓に個人名を
入れて検索すれば、その人が
業界の中でどういう立ち位置なのか
出てきます。
↓     ↓
%url3%{https://www.s-housing.jp/}

岐阜県の中でも活動的に動いて
いる人は名前入れるとちゃんと
何かしらの記事が出てきますから。

勿論、出てこない人の方が
圧倒的に多いのですけど。

間取りやデザインの分野については
経験と勘は非常に有効です。

いいデザインだなと思う住宅は
やっぱり熟練の人が設計している
事が多いように思います。

そこはまた別分野ですね。