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目標値は1.5倍に

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

連休最終日ですね。
オリンピック関連の
ニュースは聞けども、
映像は全く見ることなく
終わりました。

本日も午前午後と
打ち合わせになります。

間取りの打ち合わせは
家づくりの中でも、
山場の一つです。

楽しいですね。

さて、本日の話題は、
家の断熱、どこまで上げるべき?
に関連するCO2排出量の
削減目標関連になります。

2050年にカーボンニュートラル
と言われていなかった半年前まで
2030年の各部門排出量削減目標は
こちらのとおり
↓     ↓
%url1%{https://www.jccca.org/download/13234?p_page=3#search}

2013年度比40%削減ですね。
業務部門と家庭部門は、今まで
野放しで規制も何もされてなかった。

だから改善の余地が他部門より大きい。

会社や家計でもそうだと思いますが、
余裕のありそうなところから削減しますよね。
脱炭素の場合それが住宅部門になります。

世界的に見て日本の製造業はとても省エネ。
世界的に見て日本の車は燃費が良い。
(EV化の波が来るとどうなるかは???)
世界的に見て日本の建物は断熱が薄い。

一つの住宅が排出するCO2で比べると、
実は日本の方が省エネです。
それは、冷暖房をつけないで我慢してるから。

日本人は省エネ意識が高いかというと
そうでもありません。

だって、家が暑いとショッピングモールなどに
行って涼んだりしますよね?

会社の冷暖房や光熱費を、
ギリギリまで我慢して抑えてる
っていう人も少数派かと。

という事で、冷暖房費を湯水のように使う
公共や民間の建物が沢山あり、
日本の建物における省エネは、
あまり進んできませんでした。

しかし、今になって外圧が。

四の五の言ってられない状況になり
今まで手付かずだった住宅や
業務部門にも手をつけようと。

で、40%と他部門よりも高い目標。

そして更に2050の脱炭素。
40%の目標ですら甘いという事で
目標値の改正が検討されていました。

今朝がた、おぼろげながら見えてきた
目標数値が記事になりました。
↓     ↓
%url2%{https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210724-OYT1T50415/}

今まで業務部門と横並びだった目標が
家庭部門だけ突出しました。

それだけ目をつけられているという事。

在り方検討会で、2030年までに
UA値0.6の建物を義務化?
と言われておりますが、
その目標で本当に足りるのか。

これ、2030年までの
新築だけでは到底足りず
2030年までに
日本中の家を0.6にしても
まだまだ足りないくらい。

2013から2030までの
17年で66%削減。では
37年後の2050年にはどうなる?

143%削減?

そんな単純なものではないにせよ
住宅業界全体として、CO2排出量が
マイナスになるという目標像は
想像に難くありません。

日本中のすべての建物が
ZEH率143%のLCCM住宅。

先日完成内覧会をさせていただいた
あの家がZEH率158%です。
UA値は0.29になります。
太陽光は10kW弱載ってます。

ZEH率はUA値だけでは決まりません
しかし、やはり影響は少なくない。

日本中全部があのクラスの家?
自分で作っていてなんですけども
30年で全部の家がそうなったら
日本の住宅は完全に発電施設扱い。

素晴らしいなと思います。

夏休みの目標は大きい。
しかし毎日やっていることが
達成に全然足りていない。

それが今の住宅業界の
省エネ目標と現実です。

辻褄が合わないように思います。

今の自分ができるかどうか
という判断基準で
目標を決めるって、
脱炭素においては意味がない。

クリアしないとダメな目標が
あるんだから。

本当はこの10年間で、
断熱気密の技術は、
普及して当たり前のものに
なっているはずでした。

しかし、やれないという人が
多かったため、義務化は見送り。

ところが脱炭素で怒られて
慌てて目標再設定。

今、バンバン尻を叩かれている。

さて、どうしようか、、、
というところです。

みんながいきなりUA値0.3を
やれるかというと、それは厳しい。

しかしUA値0.5を切るくらいまでの
断熱というのはとても簡単。

付加断熱も要らなければ高価な
断熱材も要らない。

柱の厚みにぎっしり断熱を詰めて
樹脂窓を使い、足りない部分は
屋根の断熱厚で調整。

これができないなら建築会社なんて
やってはいけないレベルだと
私は思います。

断熱気密を上げて行こうとすると
大体この辺で一度壁に当たります。

熱を通しにくい断熱材を使うとか
樹脂窓もトリプルガラスにするとか
窓の設計を工夫するとか、
そうやって、UA値0.46を下回る
住宅を作れるように成長していきます。

そこでまた壁ですね。

どうしても壁の断熱が足りなくなる。
窓や屋根も大事ですが、最終的に
外皮面積のうち最も大きな面積になる
壁の補強無くしてはそれ以上の
性能アップは見込めません。

ただ、一度付加断熱のノウハウを
身に着けてしまえば、後は自由自在。

UA値0.3台を出せるようになれば、
UA値0.1台までは一気に行けます。

この先の10年弱は第二の猶予期間。
ここで付いていけなかったら、
ふるいに掛けられてしまうのでは。

そして今後も断熱性能の基準は
上がり続けます。

10年前、弊社のUA値は0.6前後。
付加断熱を初めてやったのが8年前。
今年、弊社のUA値は0.33(平均)

10年、きちんと技術向上に取り組めば
そのくらいのことはできるはず。

2020年を過ぎたら、断熱なんて
差別化の要素じゃなくなると、
言われてきました。

しかし、依然断熱を厚くすることが
有効な差別化になってしまっています。

もっと業界も消費者も、
断熱なんて当たり前だよね。

というのが常識にならないと
なかなか脱炭素は難しいのでは。

40%でもできるの?と言っていた
目標が66%に。

炭素税、太陽光義務化、などなど
後でお金のかかりそうな制度が
じわりじわりと検討されてます。

あなたの建てる家の性能が、
低かったとして、後で税金の
対象になったりしても建築会社は
何ら責任を取ってくれることは無い。

どうぞお気を付けください。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー