「家が古くなってきたから、そろそろリフォームかな…」
「最新の便利でおしゃれな設備に入れ替えたいな」
リフォームやリノベーションを考えるとき、多くの方が「新しいキッチンにしたい」「きれいなお風呂にしたい」とワクワクしながら想像されることでしょう。

確かに、こうした設備が新しくなると、日々の暮らしは格段に楽しく豊かになります。
しかし、リフォームを考えるときは、まず「家の性能」を見直すことを忘れないでください。特に大切なのが「耐震性能」と「断熱性能」です。
このふたつは、家の安全性と快適性を支える根幹にあたるものです。ここをおろそかにしてしまうと、どれだけ素晴らしい見た目にリノベーションしても、後々「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。
こちらの記事では、私がなぜ「耐震断熱リノベ」に強くこだわるのか、そしてこれが未来を守る最高の投資である理由を、具体的にお伝えしていきます。
どうか最後までお付き合いください。
Contents
なぜ今、耐震断熱リノベが必要なのか
なぜ今、耐震断熱リノベを推奨しているかというと、理由はふたつあります。
まず、私たちが暮らす日本は、世界でも有数の地震多発国です。
南海トラフ地震をはじめ、今後30年以内に大規模地震が発生する確率が極めて高いと、多くの専門家が警鐘を鳴らしています。こうした現実を前に、住まいの耐震性を見直すことは、もはや避けて通れない課題だと言えるでしょう。
そしてもうひとつ、近年深刻化しているのが気候変動の影響です。真夏の異常な猛暑や真冬の厳しい寒さは、もはや特別なことではなく、毎年のように私たちの生活を脅かしています。
断熱性能が低い住宅では、室内でも熱中症など健康上のリスクが低くありません。特に高齢化が進む日本においては、室内の温度差によるヒートショックといった健康リスクは、無視できない深刻な問題となっています。
さらに、電気代やガス代などのエネルギーコストも、ここ数年で大きく上昇しています。世界的な資源価格の高騰や為替変動の影響を受け、私たちの暮らしに直結するエネルギー費用は、今後も高止まりが続くと予測されています。
光熱費の負担は家計にじわじわと影響を与え、暮らしの安心に関わる大きな問題にもなるでしょう。
だからこそ、家を守り、家族を守り、健康を守り、未来の安心を手に入れるためには「耐震性」と「断熱性」。このふたつを確実に高めるリノベーションが、必要不可欠になっているのです。
また、近年は、共働き家庭や単身世帯、高齢者世帯が増え、ライフスタイルや、住まいに求められる役割・機能が多様化しています。だからこそ、誰もが安心して長く暮らせる家づくりが、これまで以上に求められているといえるでしょう。
命を守る耐震リノベ|耐震等級3レベルが理想
耐震リノベーションにおいて、私たち凰建設が大切にしている考え方ははっきりしています。
リフォームやリノベーションの際には、単に最低限の耐震性能を満たすだけでなく「耐震等級3レベルを目指していただきたい」。これが私たちの基本姿勢です。
とはいえ、新築であれば耐震等級3は必須ですが、耐震改修で上部構造評点1.0(耐震等級1級相当)にするのは、実はそれなりに大変です。既存住宅は新築の時とは、構造の計算方法が違うからです。リノベーションなどは上部構造評点1.0以上が今後目指すべき落とし所なのかなと考えます。
上部構造評点とは
1.0未満は倒壊する恐れがあるとされている。
耐震等級とは?
耐震等級とは、建物の耐震性能を1から3までのランクで評価する制度です。この制度は、住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)に基づき、2000年に「住宅性能表示制度」の評価項目のひとつとして制定されました。
耐震等級1は、震度6強程度の大地震に一度耐えられるレベル、いわば最低限の基準にあたります。しかし、1回目の地震に耐えられたとしても、建物が受けたダメージによって、その後の余震に耐え続けられる保証はありません。
地震後も安心して暮らし続けるためには、耐震等級3相当の性能を確保することが重要です。 耐震等級3を目指すことで、大きな揺れにも十分に耐え、家族の命と財産を守ると同時に、将来的な資産価値の維持にもつながります。
さらに、家の耐震性は、地域全体の防災のためにも重要です。道路に向かって家が倒れてしまうと、他人の逃げ道を塞いだり、救助のための車両が通れなかったりします。固くて丈夫な建物を建てることは、地域全体の安全のためにもなるのです。
耐震等級について詳しく知りたい方は、下記の記事「新築で家を建てる場合に耐震等級3は意味がない?【地震に後悔しない家づくり】」もご覧ください。
https://www.ohtori.net/k-blog/taishintoukyu3-hissu/
旧耐震基準と新耐震基準とは?
耐震性能を考えるうえで、特に注意していただきたいのは、1981年5月以前に建てられた「旧耐震基準」の住宅です。
この時代の家は、震度5強程度までしか耐えられない設計となっており、基礎の強度不足、壁量やバランスの不均衡、柱や梁の接合部の弱さ、屋根の重量過多など、さまざまなリスクを抱えていることが多いのが実情です。
このように不安に思われる方は本当に多く、そしてその心配は決して杞憂ではありません。 大地震が起こった際、耐震性の弱い家は、家族の命や財産を危険に晒す可能性が非常に高いのです。
一方、1981年6月以降に建てられた住宅は「新耐震基準」に基づいて設計されています。
新耐震基準では、震度6強から7程度の大地震でも倒壊・崩壊しないことを目指して設計されており、旧耐震基準に比べれば安全性が向上しています。
ただし、新耐震基準の家であっても、設計や施工の精度、築年数による劣化の影響によって、十分な耐震性能が確保されていないケースもあるので、過信は禁物です。
お住まいの住宅の状況が心配な方は、まず耐震診断を受けることをおすすめします。耐震診断では、基礎や柱、壁、接合部などを調査し、建物の耐震性能を評価します。これにより、具体的な改善ポイントが明確になるでしょう。
耐震改修は最新の正しい知識と技術で
耐震改修を行う際には、昔ながらの勘や経験だけに頼るのではなく、現代の耐震基準に基づいた正しい知識と技術に裏付けられた設計・施工が不可欠です。
特に木造住宅では、木材の性質や構造設計の細かな違いが、耐震性能に大きな影響を与えます。だからこそ、最新の基準に基づく緻密な設計と、確かな施工技術が求められるのです。
凰建設では、第三者機関による検査も積極的に受け入れ、常に客観的に品質をチェックしながら、安心して暮らせる住まいづくりをお手伝いしています。
健康と家計を守る断熱リノベ|快適な暮らしを実現
最近は、光熱費の上昇や将来のエネルギー不安が現実味を帯びており「省エネで快適に暮らせるかどうか」が、家計を大きく左右する時代になっています。
そのような中で注目されているのが「断熱リノベ」。一度の施工で効果が長く続き、後から余計なお金がかからない賢い選択といえます。
断熱リノベは「未来の出費」を防ぐ家づくり
家づくり、そしてリノベーションにおいて、見過ごしてはならない大切な視点があります。それは「後でお金がかかるか、かからないか」ということ。
現代の多くのビジネスモデルは「後でお金がかかるように設計されている」のが実情です。これは住宅にも当てはまり、設備の追加・更新、ランニングコスト、メンテナンスなど、住まい手が将来的に払い続けるコストが無視できません。
その中で「断熱性能の向上」は、数少ない「後でお金がかからない投資」です。たとえば床暖房は、導入費用に加え、光熱費・修理費・交換費用が継続的にかかります。一方、断熱リノベーションは、一度しっかり施工すればその効果は長期にわたり、光熱費の削減という形で「家計を助け続けてくれる存在」です。
断熱性能が高まると、冷暖房効率が格段に上がり、光熱費を大きく削減できます。これは、目先の便利さにとらわれず、長期的な視点で家計を守る賢い選択といえるでしょう。
UA値とC値、どちらも揃って初めて「本当に快適な家」
断熱リノベーションで大切なのは、単に断熱材を入れることではありません。
UA値(外皮平均熱貫流率)とC値(気密性能)という指標を正しく理解し、両方をバランスよく高めることが、本当に快適で健康な住まいをつくる鍵です。
UA値とは
この値が低いほど、冬暖かく夏涼しい快適な住環境が実現する。
凰建設では、UA値0.3程度を目標にした断熱設計を基本とし、さらに高性能な場合は0.2台を目指すこともある。
C値とは
数値が低いほど気密性能が高く、隙間風を防げる。
気密性が高い家は、断熱材の効果をしっかり発揮できるため、室温が安定し、冷暖房の効率も大きく向上する。
凰建設では、全棟で気密測定を実施し、設計だけでなく現場での性能もきちんと数値で確認している。
UA値だけ良くても隙間だらけでは意味がありませんし、C値だけ良くても断熱材が不足していれば快適にはなりません。
断熱と気密は、両方が揃ってこそ住宅性能が発揮されるのです。
凰建設では、UA値とC値を総合的に考え、一人ひとりの暮らし方に合わせた、本当に快適な断熱リノベーションをご提案しています。
さらに、断熱リノベは結露やカビの発生も抑える効果があるのです。これにより、建物の寿命を延ばし、家そのものを長持ちさせることにもつながります。また、アレルギーや喘息といった健康被害を防ぐことも可能です。
断熱リノベで、より少ないエネルギーで快適な住環境を実現していきましょう。
耐震と断熱を総合的に考えたリノベを
耐震補強と断熱改修は、それぞれに大きな意味があります。リフォームを検討する際には、どちらか一方だけに目を向けるのではなく、建物の基本性能を総合的に向上させる視点を持つことが大切です。
耐震工事では、壁や床、天井などの内部を開けて補強を行います。同じように、断熱改修でも、壁や天井を開放して断熱材を施工する必要があります。
その通りです。実際、耐震と断熱の改修を一体的に検討すれば、工事の重複を防ぎ、期間や費用の面でも効率的になるケースが少なくありません。
また、耐震補強で加えた耐力壁に、高断熱仕様を施すなど、工事をまとめて計画することで、構造強度と室内環境の両方を同時に高められる可能性もあります。
さらに、国や自治体によっては、耐震改修と省エネ改修(断熱改修)を同時に行うことで、異なる補助制度の併用が可能になったり、複合工事に対する補助対象範囲の拡大加算がされたりする場合もあります。これらを上手に活用することで、費用面の負担を軽減できるチャンスにもなるでしょう。
リフォームを考えるときには、耐震と断熱、どちらか一方だけに偏るのではなく、住まい全体の性能向上を見据えた計画をおすすめします。
最後に
今回は耐震断熱リノベについて紹介をしてきましたが、
家づくりにはまだまだたくさんの落とし穴があります。
「家づくりに失敗したなぁ」と思う人を一人でも減らせたらと思い、
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