そんな疑問や不安をお持ちではないでしょうか。家づくりは一生に一度の大きな買い物。性能の違いがどう影響するか、気になりますよね。
こんにちは。凰建設 代表取締役の森です。
私はこれまで、数多くのお客様と家づくりを重ねる中で「住宅性能を知らずに建ててしまい、後悔された方」をたくさん見てきました。だからこそ、正しい知識を持った上で判断してほしいと願っています。
この記事では「高性能住宅とは何か?どう捉えるか?」をプロの視点から、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。
高性能住宅の定義と基準
高性能住宅の定義
高性能住宅とは、主に「断熱性」「気密性」「耐震性」「省エネ性」など、快適で安全・長寿命な住環境を実現するための性能が十分に備わった住宅を指します。
高性能住宅の性能
断熱性
- 外部との熱移動を遮断し、室温を安定させる
気密性
- 住宅の隙間をできるだけ減らし、外気や湿気の侵入、室内の空気の流出を防ぐ
耐震性
- 地震に対する強さ。耐震等級(1~3)で評価され、等級3は最も高い耐震性を示す
省エネ性
- エネルギー消費量を少なくし、ランニングコストを抑える
高性能住宅の基準
高性能住宅自体には「この数値を満たせば高性能住宅」といった統一基準はありません。法律や明確な定義はなく、各ハウスメーカーや工務店によって基準や仕様が多少異なるのが現状です。
ただし、ZEH〈ゼロエネルギーハウス〉、長期優良住宅など明確な基準が設けられているものも存在します。これらの基準をクリアすると、補助金や優遇制度を受けやすくなることがあります。
高性能住宅を謳っているからといって安心するのではなく、公式ホームページを確認するなど、具体的にどのような性能を備えているのかを自身で確認することが大切といえるでしょう。
高性能住宅のメリット
高性能住宅にはさまざまなメリットがあります。以下に主なものをまとめました。
メリット1:家中が快適で、春や秋のような室温が続く
高性能住宅の最大の特徴は、家の中がとにかく快適であることです。夏は涼しく、冬は暖かく、部屋ごとの温度差もほとんどありません。どこにいても同じように過ごせるのは、断熱・気密性能がしっかりしているからです。
エアコンの稼働時間が短くても、一度冷やした(あるいは暖めた)空気が長時間保たれ、快適さが持続します。
実際に「冬でも薄い布団1枚で寝られるようになった」と喜ばれるお施主様も多く、寝室の場所にこだわらず過ごせる自由さも生まれるのです。
メリット2:冷暖房効率が高く、光熱費を抑えられる
断熱性能が高いと、一度暖めた(または冷やした)空気が逃げにくくなり、エアコンを少し使うだけで快適な室温を保てるようになります。
つまり、冷暖房にかかる光熱費が自然と抑えられるということです。
もちろん、高性能な断熱材や窓には初期投資が必要ですが、月々の電気代が確実に下がるため、長期的に見ればその差は非常に大きくなります。
エアコンや換気設備などの機械は劣化し、メンテナンスや交換が必要になりますが、断熱性能は一度施工すれば長く維持されます。結果的にお金がかからない家となるのです。
メリット3:健康リスクを減らし、安心して暮らせる家に
冬の寒い地域では、ヒートショックによって命を落とす高齢者も少なくありません。
脱衣所やトイレなど暖房の届きにくい場所での急激な温度変化が、血圧の急変を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中など深刻な健康被害につながることは、広く知られています。
しかし、高性能住宅なら家の中の温度差が小さいため、こうしたリスクを大きく下げることが可能。
実際に、室温と血圧や夜間頻尿との関連が認められる研究報告も上がっており、暖かい家が健康維持に寄与することが数値としても裏付けられつつあります。
メリット4:家の構造材を守り、家自体が長持ちする
断熱性と気密性の高い住宅は、室内の温度や湿度の変化を最小限に抑えられるという大きなメリットがあります。
こうした安定した環境は、住まう人にとっての快適さだけでなく、建物そのものの耐久性にも大きく影響するのです。
たとえば、家の構造材である木材は、気温や湿度の変化によって膨張・収縮を繰り返します。
しかし、断熱と気密の性能が高い家であれば、そうした温度差や湿度の揺れ幅を抑えられるため、構造材にかかる負担が減り、劣化のスピードが緩やかになります。結果的に、家の寿命が延びるのです。
メリット5:間取りの自由度が上がり、理想の暮らしが叶う
高性能住宅の「家の中で温度差が出にくい」という特徴は、間取りの自由度を高める要因にもなります。
たとえば、リビングを吹き抜けにしたり、個室や廊下で仕切らずに、ひと続きの大空間で暮らすスタイルも実現しやすくなります。
私たちがご提案する「がらんどうプラン」もその一つ。柱を最小限に抑え、家全体を一体空間として使うことで、暮らしの柔軟性と将来の可変性を兼ね備えた設計が可能になるのです。
メリット6:災害やエネルギー不足にも強い
高性能住宅は、快適性や経済性だけでなく、災害に強い家としての役割も果たします。
たとえば、耐震等級3を確保した設計にすれば、震度6〜7クラスの大きな地震でも倒壊を防げる強度が得られます。
また、省エネ性能が高い家は、万が一のエネルギー危機に対する備えにもなるのです。たとえば停電が起きた際でも、家の断熱性が高ければ急激に室温が下がる(あるいは上がる)ことを防ぎ、少ない電力・限られた熱源でも一定の室温を保てます。
「もしもの時、家が安心な場所であってほしい」そんな想いを叶えるのも、高性能住宅の特徴です。避難所ではなく、自宅で安全に・安心して過ごしたいというニーズに応えられる可能性が高まるでしょう。
メリット7:社会と未来のための責任ある選択にもなる
高性能住宅を選ぶことは、家族の快適な暮らしだけでなく、社会全体や次の世代にとって責任ある選択でもあります。
断熱性や省エネ性能の高い住宅は、日々のエネルギー消費を大きく抑えられるため、家庭単位で光熱費が抑えられるだけでなく、地域全体のエネルギー需要を減らし、環境負荷の低減にも貢献します。
これまでメリットを紹介してきました。一方、高性能住宅にはデメリットや注意点もあることを、理解しておく必要があります。下記で紹介します。
高性能住宅のデメリット
高性能住宅にはデメリットや注意点も存在します。以下が主なものです。
デメリット1:初期コストが上がる
高性能住宅には、それなりの材料や施工技術、設備が必要になります。
そのため、一般的な住宅に比べて建築費が上がることが多いというのが、正直なところです。
海外並みの品質基準を目指すと、場合によっては建築費が1億円を超えるような高額になることもあります。しかしその選択は現実的ではありません。
特に現在のように建築資材やエネルギー価格の高騰が続いている状況では、家づくりの難易度はさらに上がっていると感じています。
だからこそ、限られた予算の中でどこにお金をかけるべきか、建物本体に直接関わらない部分をどう削っていくかという視点も問われるでしょう。
デメリット2:知識と技術が問われる
高性能住宅には、耐震設計や省エネ計算などの知識と、現場での精度の高い施術の両立が不可欠です。
たとえば、断熱や気密は、部材選びだけでなく、現場での施工精度が重要な繊細な作業です。わずかな隙間から湿気が入り、内部結露やカビを引き起こすリスクもあります。
床下エアコンや小屋裏エアコンなど、メーカーが推奨していない手法を採用する場合もあり、設計ミスがあれば快適性を損なうリスクも。
また、設計や施工の側だけでなく、住まい手側にも、判断できるためのある程度の知識が求められます。
高性能住宅は、断熱材を入れるだけでは完成しません。断熱・気密・換気・空調などがきちんと計画され、はじめて性能を発揮できる住まいになるのです。
これらの要素は相互に関係しており、どれか一つでもバランスを欠くと、快適性や健康、安全性に悪影響が出る可能性があります。だからこそ、関わる者たちは十分な知識と技術をもって対応しなければいけないのです。
デメリット3:快適すぎて季節を感じられない?
高性能住宅に住むと「暑い!寒い!」という強い気温の刺激を感じにくくなります。
家の中の温度が年中安定していて、いわば春や秋のような穏やかな環境がずっと続くわけなので、これは非常にありがたいことです。
一方で「家の中が快適すぎて外の季節を感じられないのではないか」と不安視する声もあります。ただ、多くの人は毎日外に出かけるでしょう。外では自然を感じられるため、季節を感じられないわけではありません。
また、凰建設では、春夏秋冬の変化を五感で楽しめる工夫を行っています。
たとえば、窓からも自然を感じられるよう落葉樹などの植栽を取り入れる設計や、ウッドデッキや中庭などを通じて外部との緩やかなつながりを持たせた設計を提案しています。
そのため「季節を感じられない」と不安になりすぎる必要はないと考えています。
家をつくるのではなく暮らしをつくる
高性能住宅を建てる上で大切なことは、その家でどんな暮らしを実現したいかという「在りたい姿」です。
高性能住宅には、断熱・気密・換気・空調・耐震など、性能を活かすには緻密な設計と確かな施工が必要です。
素材や工法にも絶対的な正解はなく、その地域の気候やご家族の暮らし方によって「最適解」は変わってきます。だからこそ私たちは、丁寧なヒアリングを通して、過不足のない提案を心がけています。
快適で健康的な住まいは、未来への責任ある選択にもつながります。その実現には、信頼できる会社と出会うことが何より大切です。
私たち凰建設は、性能を活かす技術と、人生に寄り添う姿勢を両立させる家づくりを大切にしています。理想の暮らし、ぜひ私たちに語ってください。
最後に
今回は高性能住宅について紹介をしてきましたが、
家づくりにはまだまだたくさんの落とし穴があります。
「家づくりに失敗したなぁ」と思う人を一人でも減らせたらと思い、
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