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住みながらできる断熱リフォームのメリットと建て替えとの違いを解説!

こんにちは。凰建設代表取締役の森です。
人生の多くの時間を過ごす大切な場所、マイホーム。
その大切な場所がより快適に暮らせるようになり、さらに建物の寿命も伸びる「断熱リフォーム」という選択があることをご存じでしょうか?
思い出が詰まった今の住まいを、建て替えずに、住みながらでもできる断熱リフォームについてご紹介します。

暖かい家ってリフォームでも叶うのね!でも古い家を直して住むより、新築した方が安いって聞くけど…

補強が要るとしても木構造や基礎はそのまま使えるから、新築の方が安くなるはずがないよね。リフォームは、より高い知識や技術がいるから、そもそも「出来ない」会社はそう言うんだよ。
断熱リフォームは、新築よりも難易度が高く、施工には専門的な知識と技術が欠かせません。しかし、同時に快適な住まいを実現し、光熱費を抑え、住み慣れた暮らしのまま家の価値を高める賢い選択でもあります。
この記事では、部分リフォームではなく、建て替えと同じように家全体を快適な住まいに生まれ変わらせるフルリフォーム、特に「カバー工法方式」の断熱リフォームの内容についてわかりやすく解説します。
これから家づくりやリフォームを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
断熱リフォームとは?

断熱リフォームとは、住宅の外壁や屋根、窓、床下などに断熱材を追加・強化することで、室内の温熱環境を快適に保つ工事のことを指します。特に築年数が経過した住宅では、断熱性能が不十分な場合が多く、冬の寒さや夏の暑さが室内に影響を与えやすくなっています。こうした課題を解決するために、断熱リフォームが注目されています。
現代の断熱リフォームは、単に断熱材を追加するだけでなく、気密性の向上や結露対策、換気計画なども合わせて行うことで、トータルな住環境の改善を目指すケースが多くなっています。そのため、住み心地が大きく改善されることが特徴です。
また、断熱リフォームには「部分リフォーム」と「フルリフォーム」に分けられます。さらにフルリフォームの中には、「スケルトン方式」「カバー工法方式」の主に2種類があり、予算や住まいの状況に応じて選ぶことができます。
リフォームを検討する上では、住宅の現状を把握し、耐震・断熱・耐久性など住宅の性能が不足している部分をどのように、どの程度補う工事を施すのか、さらに住まい手の要望の予算なども併せて複合的に考える必要があります。
総じて、断熱リフォームは快適性や健康面の向上だけでなく、省エネやCO2削減といった環境への配慮も期待できる改修工事です。長期的に見て、光熱費の削減や住宅の資産価値の向上にもつながるため、多くの住宅所有者にとって有益な選択肢といえるでしょう。
断熱リフォームのメリットとは

断熱リフォームの最大のメリットは、なんといっても「室内の快適性」が大きく向上することです。冬は外の冷気を遮断し、室内の暖かい空気を逃がさず、夏は外の熱気を遮り、室内の涼しさを保つことができます。これにより、エアコンや暖房の効きが良くなり、一年を通じて快適な室内環境が整います。
次に挙げられるのは、健康面でのメリットです。断熱性能の低い住宅では、部屋ごとの温度差によって「ヒートショック」が起こるリスクがありますが、断熱リフォームを施すことで室内温度が均一になり、こうした健康被害を防ぐことができます。特に高齢者や小さなお子様がいるご家庭にとっては、安全性の高い住環境が整うことは大きな利点です。
また、断熱性能の向上は住宅の「防音効果」も高めます。外からの騒音が軽減されるだけでなく、室内の音が外に漏れにくくなるため、プライバシー性も向上します。これは車通りの多い道路沿いに住む方や、隣家との距離が近い住宅にとって大きな魅力となります。
光熱費の削減も見逃せません。断熱性能が高まることで、冷暖房の効きが良くなり、結果として電気代やガス代の節約につながります。数年単位で見れば、投資したリフォーム費用を回収できるケースもあり、長期的な経済効果が期待されます。
さらに、省エネ性能の高い住宅は「資産価値の維持・向上」にもつながります。近年の住宅市場では、住宅性能表示制度を普及する動きがあり、不動産売買において省エネ性能や断熱性能が評価対象となるケースも増え、将来的に売却や賃貸を検討する際にも有利に働く可能性があります。このように、断熱リフォームは住まいの質を高めるだけでなく、将来を見据えた資産形成にも寄与するのです。
建て替えとリフォーム、それぞれの定義

「建て替え」と「リフォーム」は、どちらも住まいを改善する手段ですが、その意味と規模は大きく異なります。まず建て替えとは、既存の建物をすべて解体し、地盤改良から新たに建物を建築することを指します。法的には「新築」として扱われ、建築基準法や各種規制に従って新たな構造・性能を備えた住宅が建てられます。
一方で、リフォームとは既存の建物を残したまま、部分的あるいは全体的に改修を加えることです。断熱リフォームであれば、壁や天井、床、窓などの断熱性能を向上させるための工事が含まれ、必要に応じて耐震補強も行いますが、構造体そのものは基本的に元々の形を活かしていきます。
この違いは、費用や工期、暮らしへの影響に直結します。建て替えは大規模な工事となるため、仮住まいが必要になるほか、工事期間も長く、費用も高額になる傾向があります。一方、リフォームは建て替えよりも工事期間は短く、費用も建て替えに比べて抑えられることが多いです。さらに、住みながらの工事が可能な「カバー工法リフォーム」という選択肢もあります。
ただし、断熱リフォームの場合、地盤改良はできません。厳密に言うと、家を一度持ち上げて地盤改良をしてまた元に戻すということはできるのですが、費用が掛かりすぎるため一般的にはあまり用いられません。ですので地盤の心配がある地域であれば、建て替えの方がおすすめという場合もあります。大切なのは、両方の選択肢をしっかり理解した上で選択することです。
住みながらできるカバー工法断熱リフォームとは?

住宅の断熱リフォームにはさまざまな方法がありますが、その中でも「スケルトン方式」と「カバー工法方式」は対照的な特徴を持っています。スケルトン方式とは、建物の骨組み(柱・梁など)を残して内部や外壁をすべて撤去し、構造体をむき出しにした状態から断熱材や設備、内装を一新するリフォーム手法です。まるで新築のように自由な設計が可能で、間取り変更や配管・配線の入れ替えなど大規模な改修が行えます。本州ではスケルトン方式のリフォームが一般的です。
スケルトン方式は工事の自由度が高い反面、解体と再構築に多くの時間とコストがかかります。また、仮住まいが必要になり、「住みながらリフォームしたい」場合には不向きです。そこで、「カバー工法断熱リフォーム」です。スケルトン方式が“内部から造り変える”のに対し、カバー工法は“外側から包み込む”というアプローチになります。
「カバー工法断熱リフォーム」とは、既存の外壁や屋根を撤去せず、その上から新しい断熱材を重ね張りする工法のことです。住宅の外側を“カバー”するように施工するため、家全体をすっぽりと断熱材でくるむことができ、熱橋が出来にくいのが特徴です。解体を伴わず断熱性能と外観の両方を改善することができ、外壁や屋根の老朽化対策と同時に行うとコスパが良い工事です。
一般的なスケルトン方式の断熱リフォームでは、古い外壁材や断熱材を撤去してから新しいものに張り替えるため、時間もコストもかかります。一方、カバー工法では既存外壁をそのまま残すため、撤去・廃材処理の手間や費用を削減でき、既存の断熱材や土壁も流用するため単純に断熱性能が倍になります。また、家の外側からの工事になるので、「住みながらリフォームをしたい」家庭にとっては、生活への影響が少ない工法として人気があります。
カバー工法の断熱効果は、外壁や屋根全体を包み込むように施工することで高い断熱性と気密性を実現できる点にあります。これにより、外気の影響を受けにくくなり、冬の暖房効率や夏の冷房効率が格段に向上します。また、外気温と室温の差による結露を防ぐ効果もあり、建物の耐久性向上にもつながります。
一方で、既存の部材を残すため、重量が増える点には注意が必要です。特に、木造住宅では構造的な荷重を確認し、必要に応じて補強を行うことが望まれます。また、通気層の確保や防水処理の施工精度も重要であり、経験豊富な建築会社に依頼するのが理想です。
住みながらリフォームが可能な「カバー工法断熱リフォーム」ですが、内窓の設置や屋根断熱の施工の為に、工事業者が室内に入るタイミングが全く無いとは言い切れません。工事が始まる前に、工程と在宅が必要かどうか、どの範囲に及ぶのか、などを確認しておくと安心です。
住みながら工事を進めることには、仮住まいや荷物の一時保管といったコストを抑えられるというメリットもあります。引っ越しの手間や費用が不要なため、家計や時間にとってもやさしい選択肢です。ただし、工事中の安全確保や生活動線の確保など、事前の打ち合わせや準備は非常に重要になります。
RC造・鉄骨造でも断熱リフォームはできる?

RC(鉄筋コンクリート)造、鉄骨造の家でも断熱リフォームは可能です。夏は暑く冬は寒い家であっても、改修をすれば快適に生まれ変わります。
特にRC造の建物は、その堅牢性と蓄熱性において、木造の比ではありません。うまく生かすことが出来れば、木造では逆立ちしても出来ない、温度がピクリとも動かない無の空間を作ることが可能です。築50年のRC住宅でも、しっかり手を加えればさらに100年先まで住み継ぐことができます。
また、建て替えと比べても、まともに工事をすればリノベの方が高くなることはほとんどありません。建て替えの方が安いと言われる場合は、建材や仕様が落とされているケースが多いのです。さらに古い家には、現在では手に入らない良材が使われていることも多く、それを壊すのは大きな損失といえます。
だからこそ私たちは「壊す前にまず断熱リフォームを検討してほしい」と呼びかけています。
断熱リフォームと耐震補強はセットで

断熱リフォームでは、古い住宅をそのまま使うと耐震性が気になります。そのため、断熱性能と耐震補強を一緒に考えることが大切です。
断熱リフォームを検討する際には、「耐震補強」とセットで行うことを強くおすすめします。どちらも住宅の安全性と快適性を高めるための重要な改修ですが、同時に行うことで効率的かつ効果的な住まいの性能向上が実現できます。特に築年数の経った木造住宅では、断熱性と耐震性の両方に課題を抱えているケースが多く見られます。
断熱リフォームでは、壁や床、天井などの内部を開けて断熱材を施工する工程が発生します。このタイミングで構造体の状態を確認し、必要に応じて柱や筋交い、金物などの補強を行えば、後から別工事として耐震改修を行うよりもコストを抑えられます。つまり「一度の工事で二つの性能を高める」ことができるのです。カバー工法方式を行う場合にも、外部からの耐震工事が可能です。しかし、状況によっては一部、内部の補強が必要になる場合もあります。必ず事前に建物の調査を行い、耐震診断をしたうえで必要な耐震補強を実施しましょう。
耐震補強を行うメリットは、地震に強いだけではありません。建物のゆがみや損傷を防ぐことで、断熱材や気密シートの劣化を抑え、断熱性能を長持ちさせる効果もあります。反対に、構造的に弱い建物では、地震や強風で生じた変形によって断熱層がズレたり隙間ができたりし、性能が低下してしまうおそれがあります。耐震性と断熱性は、互いを支え合う関係にあるのです。
断熱と耐震を両立するためには、技術力のある工務店に依頼することが不可欠です。建物全体の構造や素材の状態を見極めながら改修工事ができる施工者を探しましょう。
断熱リフォームに使える補助金制度

断熱リフォームを計画する際に、ぜひ活用したいのが「補助金」や「優遇制度」です。
国や自治体では、省エネ性能の高い住宅を増やすことを目的に、断熱改修工事への支援制度を数多く設けています。これらを上手に利用することで、費用負担を軽減しながら既存の住まいの性能向上が可能です。
たとえば「住宅省エネキャンペーン」や「こどもエコすまい支援事業」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」など国の補助金制度が複数あり、省エネ性の高いリフォームに対して手厚い補助金を支給しています。対象となる工事内容や上限金額は毎年度更新されるため、申請前に最新情報を確認することが重要です。
また、各自治体の補助金制度もあるため、組み合わせることで大きなメリットが得られます。
加えて、リフォームに関連する「税制優遇」も存在します。
たとえば、省エネ改修を行った住宅では固定資産税の減額措置や、所得税の控除制度を利用できる場合があります。これらは工事完了後の申請が必要となるため、事前に工事内容と申請要件を確認し、証明書や工事写真などの必要書類をしっかり保管しておくことが大切です。
最後に、補助金を活用する際は「申請のタイミング」に注意が必要です。多くの制度は年度ごとに予算が設定されており、申請が集中すると早期に受付が終了することもあります。リフォームの計画を立てた段階で、早めに情報収集と手続きを進めることが成功の秘訣です。依頼先の建築会社にもスケジュールを確認しながら進めていきましょう。
まとめ

断熱リフォームは、現代の住まいづくりにおいてますます注目を集めている改修方法です。単に「寒い」「暑い」といった不快さを解消するだけでなく、健康や省エネといった多方面にわたるメリットをもたらします。
骨組みまで解体するスケルトン方式よりも、既存の建物を生かして費用や廃材を抑えられるカバー工法方式は、住みながらの断熱リフォームが叶えられ、工事が進むごとに断熱の効果を実感できる面白さもあります。
ただし、スケルトン方式よりも施工の難易度は高く、現場ごとの現状に合わせた提案力と施工力が必要であり、専門的な知識と経験が欠かせません。
近年では、新築よりもリフォームの補助金が手厚い傾向があります。空き家や親世代の家を活かすことでコスト削減と地域資源の有効活用にもつながります。
壊すよりも生かすリノベは、暮らしを快適にし、社会にとっても意義のある選択といえるでしょう。
最後に
今回は断熱リフォームについて紹介をしてきましたが、
家づくりにはまだまだたくさんの落とし穴があります。
「家づくりに失敗したなぁ」と思う人を一人でも減らせたらと思い、
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