MAGAZINE その伝統は勘違い
凰建設の森です。
ちょっと前までは、家の省エネを
考えるというときには、
「実は給湯エネルギーの方が多くて
断熱より給湯が優先なんです」
とお伝えしておりました。
実際、日本人は、家の中は寒くて
我慢しつつ、熱いお湯に一日一回
入って体を温めるという暮らしを
伝統的にしてきました。
だから、暖房よりもお湯に使う
エネルギーの方が多かったのです。
しかし、2016年を境に日本人の
暮らしにも変化がみられるように。
給湯エネルギーよりも
暖房エネルギーの方が増えました。
高気高断熱住宅(偽も含む)が
増え、一部屋だけ暖房から、
全館暖房へと生活がシフトすると
いくら断熱性能が1/3になっても、
暖房面積が4倍になると、総量は
1.3倍に増えていきます。
きちんと暖房するという事は
ヒートショック対策にもなるので
それは歓迎すべきことです。
世の中のニーズが、暖房する方向に
なってきましたので、全館暖房に
耐えうる家の性能を確保するのは
作り手の責任だと思います。
きちんと断熱の出来た家でないと
全館暖房はとんでもないお金が
掛かってしまいますので、、、
さて、断熱が進んでくると、冬は
暖かくなりますが、夏の対策は
また別になります。
きちんとしたパッシブデザインを
設計に取り入れなければ、夏は暑い。
きちんとしたパッシブデザインとは
何のことでしょうか。
端的に答えるならば、日射を
防ぐという事です。
私が主に施工範囲としております、
岐阜県西濃~中濃地域ですと、
日射遮蔽のパッシブデザインは
昔から伝統的に作られてきました。
この地域に住む人達が、何千年という
長い年月をかけて、こうすれば
夏は涼しく過ごせるぜと出した結論は
全く理に適っており、
今の技術でしっかり計算しても、
それが一番最適な回答になります。
昔から、です。
いつも私が家づくりにおいて
今と昔を切り替えるタイミングは
太平洋戦争の前か後かになります。
私が昔と言ったら、それは戦前の話。
私が今の家と言ったら戦後の話。
住宅史全体からすると、
70年前なんてついこの前です。
しかし戦争を境に、
パッシブデザインは
なぜか軽んじられてきました。
例えばこちらは、今計画が進んでいる
現場の付近の様子。
↓ ↓
%url1%{http://www.ohtori.net/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88%202019-07-06%2011.01.03-down.png}
いやまあ、これが全てです。
昔から建っているパッシブデザインの
ルール通りの建物なのか、
全く無視の建物なのかは一目瞭然。
建築士じゃなくても
一目で判別できますよね。
こんな設計をしておいて、
夏を涼しくなどと言うのは
ちょっと違います。
稀に、家を建てる親御さん世代も
昔から窓を沢山開けて暮らすのが
この辺の伝統的な、、、、
みたいなことをいう人がいますが、
それは窓を付ける位置が違います。
本当に伝統に則った夏涼しい
パッシブデザインの家を建てるなら、
東西に窓を付けてはいけません。
窓を付けた分だけ、冷房代が
増えていきます。
逆に言えば、冷房代を掛けても
良いのであれば、東西に
ある程度窓を付けてもOK?
匙加減は難しいですね。