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耐震改修意味なし?

災害とレジリエンス

凰建設の森です。

本日、弊社は仕事始め。
今日から仕事という方も
多いのではないでしょうか。

昔は仕事始めの日には、
沢山メーカーさんなどの
挨拶回りがあったのですが、
今はもうほぼ無い。

そういう社会の風潮も
あるかと思いますし、
私が、用もないのに会いに来るだけ
の御用聞き営業さんが嫌いだと
言い続けた事もあるかと。

基本的に、向こうからやってくる
案件は碌なものが無く、
自分で調べたり、信頼できる
人から紹介してもらった
事でやっていくようにする
という考え方です。

さて、本日の話題は、
また地震の事について。

それも、耐震改修の話。

そもそもの話、
なぜ地震国である日本なのに
地震対策がなされなかった?

それもこれもすべては、
戦後の住宅不足が発端。

家が足りないという事が
大きな社会問題であり、
耐震だの断熱だの、質を
論ずるなんてこと以前の状態。

とにかく20年住めれば御の字
という仮設住宅の普及を
戦後30年かけて行い、
日本の住宅普及率を100%
以上まで押し上げた。

その後、ちゃんと耐震も
考えてみましょうか、と
新耐震基準を策定し、
それなりに地震にも耐えられる
家を作っていきましょうね。
となったのが1981年。

その基準も阪神淡路大震災で
不十分であることが分かり、
2000年に現行の
基準が制定されました。

現行基準は2016年の
熊本地震で全壊倒壊6%
無被害率61%が確認され
とりあえずの有効性を
示すことが出来た。
↓    ↓
%url1%{http://kumamoto-fukkou.or.jp/datafolda/data/kumamoto.pdf}

1981-2000年の建物は
全壊倒壊で18%
無被害率は20%

今回の能登半島沖地震の
被害の取りまとめも、
おいおい出てくると
思いますので、現行基準が
そのままで良いかどうか
という議論は再度
なされるかもしれませんが。

とりわけ現行基準のうち
最高等級である3等級は
熊本地震後を経ても
住み続けられる確率が
100%となっており、
日本で想定される
巨大地震に対しての
一つの解を得るに至った。

人の生命を守るなら、
現行の耐震等級1
人の財産をも守るなら
現行の耐震等級3

後は最後の構造面での
手抜きの温床である
4号特例を無くして
行けば大丈夫。

というのが住宅業界が
戦後70年かけて
導き出した答えです。

現在日本中に建っている
2000年以前に建築された
建物のうち、巨大地震で
倒壊しないかな、と言える
建物の割合は1割弱
↓     ↓
%url2%{https://www.mokutaikyo.com/files/images/220329.jpg}
※木耐協HP 2022年3月データ

ただ、国の定義としては
1981年以降の建物なら
耐震性は一応「ある」と
されている事になってる。

多分今回の地震でもバタバタ
倒れているでしょうけども。

4000万戸程度ある
2000年以前に建てられた家。
9割を早急に建て替えるというのは
これからの時代においては無理。

国民の経済力は、そんなにも無い。
もしできるのであれば、
私たち建築会社はウハウハ。

となると、耐震改修か。
となる訳ですね。

1軒の家を耐震改修するのに
掛かるお金は、耐震の部分だけ
抜き出すと50万円程度かと。

しかし、壁をめくって床をめくって
耐震補強をしたらそのまま表し、
なんてことが出来るはずもなく、
内外装の復旧が必要です。

そういう事をやっていくと、
300万円以上掛かったりする。

しかも、その金額は現行の
耐震基準にギリギリ載せるか、
もしくは高齢者であれば、
耐震基準に2割足りない所までの
補強になったりします。

耐震等級3に近い強度など、
とても望めるものではない。

耐震補強をしたとて、
家が倒れて死なない程度の
強度になるだけで、その後の
復旧にはやはりお金が掛かる。

改修でも耐震等級3相当に
することはできるけど、
もっと大きな範囲で仕上げを
剥がして、構造の接合部を
強化しないといけないので、
1000万円以上はかかる事に。

勿論各種補助金なども
あったりしますが、
自費負担分が払えない
という家の方が多い。

だから耐震改修も進まない。

長期優良住宅をリノベで
認定した建物の件数は、
毎年200件程度になります。

このペースで3000万棟超を
直すなんて無理無理。

結局大きな地震がある度に
古い家がどんどん潰れて
淘汰されていくという
流れが出来てしまっている。

現実的に、地震から生命を
守れると言えそうな建物は
2000年以降に建てられた
住宅と、それ以前に建てられた
住宅のうちの1割程度。

でも、国の目標としては、
2000年以前に建てられた
建物のうち、1981年以前の
建物だけを、1981年以降レベルに
耐震改修すれば大丈夫という
ものになります。
↓     ↓
%url3%{https://www.mlit.go.jp/common/001345338.pdf}

ちなみにその基準で耐震化を
図ると、5年後には、日本中の
家全てが1981年以降レベルの
耐震住宅になる予定。

それで国の目標は達成。
めでたしめでたし。

後は50年くらいかけて、
1981-2000年の建物が
なくなればいいかな?
みたいな感じでしょうか。

耐震改修のゴールが、
「人が死ななきゃいい」
であるうちは、これ、本当に
やっても意味があるのかな
って思ってしまう。

だって、耐震改修をするって
聞くと、当然地震が来た時にも
無傷でいられるような家を
想像しますよね?

耐震改修後、家が傾いて、
住めなくなってしまった。
折角改修したのに!って
文句を言いに行ったら、
「やあ、生きてたんですね。
改修の効果がありましたね!」
って喜ばれるみたいな事が
起こっても嫌ですよね。

折角耐震補強をするのなら、
巨大地震後にも住み続けられる
という事を想定して、
工事をしてほしいなと思います。

1981年以降に建った家だから
大丈夫だというイメージも怖いし、
現行の耐震等級1なら巨大地震後も
住み続けられるというのも怖い。

恐らく大多数の日本人が思う、
地震が来ても大丈夫な家というのは
耐震等級3の事になるはずです。

建てるなら耐震等級3、
耐震改修するのでも、
耐震等級3レベルを目指す。

お金が無くてそこまでできない
という場合はどうするのか?

とよく聞かれます。

新築で耐震等級3にする為の100万円を
けちって、地震が来た後に
数千万円補修で掛かるかも?
と怯え続けながら住むのか、
今は家を建てないでおいて、
巨大地震が来て運よく生き残ったら
改めて等級を気にせず家を建てるか。

勿論、耐震等級3だと万事解決
という訳でもありません。
土砂崩れなど、地盤がやられたら
家は被害を受ける事になります。

そんなところではないでしょうか。
これ、どうしようもないですよね。
あなたが悪い訳でもないし、
私が悪い訳でもない。
日本全国同じ状況なんですから、
あなたが好きな方を選べばよい。

ただ、新築の場合は掛かるお金と
リスクの重さを考えたら、
耐震等級3以外は考えられない。

明らかにコスパが良いです。

耐震改修の場合は、本当に
地震が怖くて命さえ助かれば
良いという考えなら、
ギリギリの改修という手も
なくはないけど、
折角なら大きくちゃんと手を
掛けて耐震等級3に近い性能を
家に与えてあげてほしいですね。

どうぞ、参考にしていただければと。

#本質的な家づくり #災害に強い家

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー