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【日刊】廃熱を大切に

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は大阪の空調講座。
の新倉敷回になります。

盛岡から新倉敷に移動。
いろんな人に助けられて
なんとかなっております。

ありがたい話です。

さて、本日の話題は、
熱のカスケード利用
というお話になります。

カスケード利用
という言葉を聞いたことの
ある人もいるかと思いますし
初耳だという人もいるかと。

例えば、ゴミの焼却場では、
ゴミを燃やすために大量の
熱が生まれてきます。

その熱を大気に放出して
おしまいにしてしまえば、
熱はゴミを燃やすためだけの
ものになってしまいます。

それでは勿体無いので、
大気に放出する前に、
水をくぐらせて水に熱を
移し替えておくと、
温水プールが併設できる。

みたいな感じで、熱を
最後まで使い切ろうと
するのがカスケード利用。

主に高い熱に対して
考えられるのがカスケード
利用になりますが、
住宅で作られる低い熱でも
カスケード利用を考えては
どうかという取り組みは、
昔から存在します。

住宅から捨てられる熱。
主だったところは、
お風呂の排水と、
換気の排気ですね。

今の時期にお風呂を
出た後はなるべく早く
排水することを
お勧めしておりますが、
そうすると、40℃程度の
お湯が200L程捨てられる。

室内環境が25℃程度
だとすると、12.6MJ程度の
熱を捨てているのと同じ。

ちなみに冬は少なくとも
室温までお湯が冷めてから
捨てることをすすめていますが
冬だと室温が低いのでそのまま
捨てるともう少し勿体無い
エネルギーが生まれます。

冬季に、20℃40%の空気を
10℃50%の屋外に100m3/hで
捨てていると、1日に43.9MJ程度の
熱を捨てていることになります。

MJって言われてもなかなか
ピンとこないと思いますが、
それなりに使える熱が
捨てられていると思ってください。

その熱をどうにか回収できないか。
例えばお風呂の排水管の周りに
給水の配管を巻き付けて、
給湯器に入る前に少しだけ
予熱をするような仕組みがあったり。

北欧に行きますと第三種換気の
排気の先には熱回収をするための
ヒートポンプが置いてあったり
する事もあります。

残念ながら、日本ではまだ
住宅の熱をカスケード利用する
仕組みはほとんど考えられてない。

なぜかというと、全館空調が
非常にマイノリティな今の
日本の社会の中で、住宅からの
廃熱を利用しようとする
設備の初期投資はほぼ無駄だから。

家の中が満遍なく温められて
いるからそこで「勿体無い」
廃熱があるわけで、外と中の
温度差が大して無い家であれば
換気をして熱を捨てたとしても
勿体無いことにはなりにくいんです。

ただ、高断熱化と全館空調が、
広まるにつれて、熱の
カスケード利用を考える商品の
市場も形成されていきます。

2050年までのどこかの時点で
住宅の熱のカスケード利用を
する製品が登場してくるはず。

研究や実証実験は来たる時に備え
少しずつ行われております。https://www.hro.or.jp/upload/55268/2012_14e.pdf

70%しか熱回収ができない
第一種熱交換換気システムと、
100%熱回収ができる第三種換気
だったら後者の方が優秀。

将来的には第三種換気の排気口に
後付けでカチッと取り付ける
熱回収システムが作られて、
住宅の熱のカスケード利用が
ぐんと進むなんていうことも
ありえる話だと思います。

未来の技術に期待ですね。

#温熱は物理 #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー