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値引きと商道徳

住宅会社選びと業界構造

凰建設の森です。

すみません一点お知らせです。
いつも質問を頂いております
質問箱についてです。

今まで、質問を頂いた順に
答えていく事を心掛けて
来ておりましたが、
こちらの順番について
順序不同にて、お答えを
させていただくようにします。

すみませんご理解を
よろしくお願いします。

さて、本日の話題は質問箱から。https://peing.net/ja/q/3ffd505d-0212-4302-8a8c-179be9369ca6/completed

はい、値引きの話ですね。
住宅業界において、値引きは
当たり前にされてきました。

今月申し込んでくれたら
100万円値引きますとか
弊社に決めてもらえるなら、
あと200万円値引けますとか。

なので、家を建てる際に
値引きがあるのは当たり前だと
思っているお客様もいます。

私が住宅業界に入ったおよそ
20年前は、プラン見積もり無料、
値引きも頑張ります。

それが当たり前でした。

では、値引きという物を
ビジネス的に考えてみましょう。

例えば小売業における
ワゴンセール。

これは値引きになります。
なぜ値引けるのか。

新商品などが出たりして、
在庫の価値が無くなったり
商品に傷がついていたりして
元の値段では売れない。

だけど破棄するのも惜しい。
だから値下げをして売る。

いわゆる損切りの値引き。

家づくりで言えば、
設備の現品展示を
入れ替えに伴い
安く放出するとか。

そして薬局などでよくやる、
客寄せの値引き。

ティッシュ5箱セット200円
安い。多分原価ギリギリ。

なぜそれが可能になるのか。

別に売りたい本命の商品が
あるからです。

ティッシュを売った利益は
0円かもしれません。

だけどご存知でしょうか。
薬の利益率は非常に高い。
価格のうちの4割が利益です。

ティッシュと抱き合わせで
ついでに薬を買ってくれれば
薬局は十分です。

イオン銀行や楽天銀行の
住宅ローン金利が安いのも
同じ理由です。
彼らは金利で儲けようとしている
というわけではありません。

世の中のビジネスにおいて
値引きとは、損切か客寄せ。

どちらかしかありません。

では、家づくりにおける
値引きとは、なんでしょう?

客寄せですね。

競合他社よりも沢山値引いた方が
選んでもらいやすくなります。

例えば、全く同じ魅力を
感じている二つの会社で、
片方は4000万円の見積もりを
値引いて3500万円にしてくれる。

片や3600万円の見積もりを
値引いて3500万円にしてくれる。

どちらを選んでも3500万円の家。

だけどあなたの頭の中には、
500万円引いてくれた会社と
100万円しか引かない会社。

そういうイメージが残ります。

じゃあ、定価を高くしておいて、
沢山値引いた方が受けがいいやん。

はい、そういう事です。

ハウスメーカーがなぜあんなに
定価を高く打ち出しているか。

値引きが前提だからです。

あなたに、より高額な値引きを
提示する為に定価を高く
設定しているんです。

そして、値引き交渉ありきで
定価を設定しているという事は
得をするお客さんと、
損をするお客さんがいることに。

値引き交渉が上手で、
500万円引いてもらった人と、
交渉が下手で100万円しか
引いてもらえなかった人が居たら
100万円の人は無駄に高い
家を建てている事になります。

また、どれだけ値引かれたとしても
「実はもっと引けたのでは?」
という疑念はお客さんに残ります。

そして、そういう会社は、
ユーザー同士が交流するのを
出来るだけ避けるようになります。

住まい手同士が、
「ところでおたくはどれだけ
引いてもらえたんですか?」
みたいな話を始めたら、
会社の信頼は一気に失墜。

でも昔はそれが当たり前でした。

私も何の疑問も抱かずに
そういう世界に身を置いてました。

しかし先に述べましたように
お客さんにとっては不公平。

なので、最初からきちんと見積もり
値引きをしないという姿勢の
建築会社が増えてきました。

弊社もそのスタンスになります。

最近ではYouTubeやメルマガ、
他の会社さんの情報発信でも
値引きをしないのはなぜかという
事を丁寧に説明される方が
増えてきましたので、
値引きをしてほしいという
依頼をされることはほぼ
無くなってきました
(ゼロではありません)

もし、あなたが疑心暗鬼の
道を進むこともやぶさかではない
という考え方であれば、
値引きをする会社を選んで
手練手管を尽くして値引き交渉を
されると良いかもしれません。

一度値引きを口にしたお客様には
次の見積もりからは高めに
出さざるを得なくなります。

あなたが逆の立場だったら
当然そうしますよね?

そして値引きをして
注文を取ってきた家って、
値引きした相応に見えない所の
仕様を落とすだけですから。

仮設工事をいい加減にしたり
養生をいい加減にしたり。
下地に当たる部分の工程を
省略してみたり。

もう20年近く前になりますが、
実行予算800万円で25坪の家を
一件建てるという物件の
監督を任されたことが。

分譲だと日常茶飯事ですが。

大工さんと怒鳴り合いながら
何とか現場を納めましたが、
ちょっとここでは書けない
色々ひどい事を沢山やりました。

その工事の様子を見ていた、
社内の設計士さんは、
別の会社の建売物件を買いました。

凰建設ではそういう仕事は
したくありません。

結局、値引きをする仕組みを
採用するかどうかは、経営者の
商道徳によるところが大きい。

とりあえず定価は高いので、
値引きせずに売れた分というのは
そのまんま儲けになります。

だけど、経営者もそうですし、
スタッフさんは、心が真っ黒に
染まってしまうか、荒むか、
どちらかになりがちです。

お金の仕組み的に隙も大きいので
不正もよくおきがちです。

商売の道徳とは、売り手だけでは
なく、買い手も同様の道徳心を
理解してくれないと成り立たない。

だから、値引きが当たり前だと
思っているのであれば、そういう
会社を訪ねたほうが良いです。

なかなか難しいですね。

#本質的な家づくり #未来コストを考える #住宅を消費しない

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー