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断熱の目的は国別に違う

エネルギーと暮らし

凰建設の森です。

本日は午前中新築の打合せ。
午後からはお勉強です。
リノベのお勉強です。

今後はリノベの時代が始まる。
それは国の方針でもあるし
現実的に新築を誰でも買える
時代というのは終わりが
見え始めております。

じゃあ、今、まだ手の届く
価格のうちに新築をするのが
正解なのかというと、
それも危うい選択肢です。

2025年、2030年と、
段階的に住宅の最低ラインを
引き上げていく事が予定されてます。

今、その基準に届かない家を建てたり、
2050年の住宅平均ZEH化目標の
足を引っ張る家を建てたり
してしまうのはリスクが大きい。

将来的には日本も、他の先進国同様、
ごく一部の限られた人だけが、
新築住宅に住み、殆どの人は、
中古住宅や賃貸住宅に住むことになる。

そう言われると、殆どの人が
粗悪な住宅に住むかのようなイメージを
してしまいがちですがとんでもない。

賃貸住宅ですら、今の普通の戸建新築より
良質な家に作り変えられていくんです。

全ての国民が今よりはるかに良い家に
住むことを目指して、国は動いている。

その為にも、これからはリノベの時代。
お世辞にも良質とは言えない住宅を
一つ一つ良い物に作り変えていくのが、
私たち建築会社に求められている。

住まい手もつくり手も、考え方を
切り替えていかねば、将来的に
大変な目に遭う事になります。

どうぞお気をつけて。

さて、これからが本題。
前振りの続きみたいなものに
なりますけども。

今、国は日本の住宅を省エネ化
しようと、躍起になっています。

省エネ化の中でも最も言われているのが
断熱性能の強化になります。

なぜ、断熱をしなくてはならないのか。
理由は様々です。光熱費の削減というのも
大きな理由になります。国民の健康の為
というのも理由の一つになります。

実は、これは国によって事情が違い、
断熱を勧める事は世界共通なのですが、
その結論に至るまでの背景は、様々。

例えば、日本の住宅において、
断熱性能を上げるという事に対して、
エネルギー使用量削減という事を
打ち出そうと思うと、反対意見が出る。

なぜならば、今時点で、普通の世帯の
暮らしという点に着目すると、日本は
世界でもダントツに暖房を使わない、
省エネな暮らしをしているからです。
↓     ↓
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1世帯当たりが暖房に掛けるエネルギーは
ドイツの1/5になります。
グラフ中2位の国にダブルスコアの差を
付けて、最も暖房を使わない暮らし。

日本人は昔から、冬は寒いものと
割り切り、家の中全体を暖房する事を
せずに、採暖で乗り切ってきた。

暖房使わなきゃ最高にエコだぜ。
とやってきたんです。

なんだそれならこの調子でいいじゃない。

という人もいる訳ですね。
なぜ、日本はこんなに住宅で
暖房を使わない省エネな生活を
送っているのに、住宅部門が
最も厳しい省エネ目標を
科されているのか。

それは健康性によるところも大きい。
家が寒いと、どうやら高齢者が、
冬季に家庭内で亡くなる割合が
高くなるらしいという事が、
分かってきております。
↓     ↓
%url2%{https://wellnesthome.jp/wp-content/uploads/2017/01/kokusaihikaku-3.png}

家中隅々まで暖かい暮らしを
している国ほど、冬に高齢者が
亡くなるということは起きにくい。

ドイツなんて玄関開けた瞬間から、
トイレ脱衣に至るまで、人が
居てもいなくても関係なく、
暖かくしておくのが当たり前。

そうじゃないと局部的な
結露などでかえって家が傷む。

だから日本の5倍ものエネルギーを
使って家をガンガン暖めている。

その代わりに、高齢者が家で
亡くなるような事は非常に少ない。

日本は寒くて危険だから断熱を。
ドイツは光熱費が大変だから断熱を。

目指すゴールは同じなのですが、
そのゴールを設定した背景は、
それぞれの国で違うというのは
こういう事になります。

日本は、今の光熱費のまま、
ドイツ並みに家中が暖かい家を目指す。

ドイツは今の暖かさのまま、
日本並みに光熱費の安い家を目指す。

だから、日本において高断熱住宅を
建てた後には、温湿度を測ったり、
光熱費を測ったりするのは重要です。

光熱費の測定だけでは片手落ち。
だって、結局我慢して生活を
している人はそこまで光熱費を
かけずに済んでしまったりする。

省エネ住宅じゃあない家であっても。
多少断熱材が入っていれば、
昔よりは暖かく生活できるのが
高性能な住宅の特徴ですから。

省エネ省エネというと、日本人は
我慢をする事ばかり考える。

省エネ=我慢=経済衰退
みたいなイメージがありません?

毎年授業で学生さんに、
省エネの為に出来る事って何?
と聞くと、電気を消すとか、
エアコンの設定温度を下げるとか
そういう事ばかり答えてくれる。

勿論間違いじゃない。

だけど、個人の出来る事を
やるのと同時に、仕組みを
変えていかねば本当の省エネは
達成できません。

家庭部門のCO2排出量推移の
国際比較を見てみると、
↓     ↓
%url3%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2023/09/afbdee6e520bfef98c8a14eeb36a95f1.png}

日本は省エネを頑張っているか
というとそうでもありません。
日本は経済成長しているか
というとそうでもありません。

家庭の省エネは中途半端。
経済は特にこの数年でガタガタ。

仕組みを作らず個人の努力に
任せていては、何も上手く行かない。

日本人は我慢して寒さに強い
国民性だから、断熱材の厚みは
ドイツよりも薄くてもいいのでは?

と思う人もいるかもしれません。
ひょっとすると、そうなのかも。
と思わないでもないですが、
高性能な家に住んだ人の、
温湿度をモニタリングさせて
頂いておりますと、
20℃程度で我慢できている
という人は本当に稀です。

一度快適を知ってしまうと、
殆どの人は22℃程度まで
暖房の温度を上げてしまいます。

その22℃の暖房を家中で
行っていても、今までと
同じか、それを下回る
暖房費で過ごせる家じゃないと
省エネで健康な家とは
呼べない訳ですね。

WHOは家の温度を18℃未満に
しないようにと言ってますが、
18℃で十分暖かいと言えるのは
最初の1年だけになります。

18℃の温度で過ごすなら、
等級5の家でも省エネになる
場合も有り得ます。

だから2030年には、その辺が
義務化というのは妥当な感じ。

でも、それ以上の、本当に
暖かいと言える家にするなら、
そんな家ではダメなわけですね。

どうぞ、高い断熱を目指して、
家づくりをしていただければと。

#未来コストを考える #電気を使い過ぎない暮らし

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー