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【日刊】その要望だと失敗

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は新築の打合せ、
そして完成した
新築現場の完成検査。

始まる新築、終わる新築
色々あっていいですね。

新築住宅の施工期間中は
あっという間に過ぎて
しまいますが、楽しい期間です
是非、家が出来上がる様子を
楽しんで頂ければと思います。

さて、本日の話題は、
そりゃ、家づくり失敗するよ
っていう要望の出し方について。

弊社には家を建てた後に、
失敗したから何とかできない?

という相談も多く寄せられます。

今月も2件ほどの相談が、、、
そのうちの一件の話を聴いて、
そりゃ失敗しますわ、、、

って思った事があったので、
ちょっとシェアしたいと思います。

寒がりだから断熱等級7にしたい。
空間が無駄に思えるから
吹抜はなくしたい。
プライバシーを確保したいので
個室は完全に閉じられるようにしたい。
エアコン1台で空調したい。

みたいな事を工務店に提出して
家を建ててもらったら
全部の満足度が低い家が出来たと。

(すみません、個人情報特定を
防ぐために少しぼかしております)

これ、なぜ失敗したのか分かります?

家づくりをしっかり学んだ人ほど、
陥りやすい失敗例と言えるかもですが、
こちらの方が失敗した理由は、
「物や工法の指定をした」
につきるかと思います。

あなたは何だか身体の調子が悪い時
お医者さんに掛かるかと思いますが、
その時にお医者さんで何というか?

頭が痛いとか喉が痛いとか、
右腕がしびれるとか、
症状を言うと思います。

その結果、お医者さんがあなたの
病名を判別し、適切な薬を処方して
くれると思います。

お医者さんに行って、いきなり
この薬をください。という事は、
よほど持病があって継続的に
この薬を飲んでいるとか、
事情が無い限りは言わないかと。

初診の際にこの薬をください
なんていう人はかなりヤバい。

その、かなりヤバい事の住宅板を
やっちゃっているんですね。

建築の知識は医療の知識程では
ないにせよ、扱う金額が大きい分
多岐にわたります。

お施主様のやりたい事や、
建てる地域や敷地の条件に合わせて
最適なやり方は違うんですね。

しかし、ネットではかなり偏った
知識が無責任に拡散されている。

原理原則を言う人は少なく、
澄家ってどうよ?
的なタイトルの断片的で独りよがりな
商品論評みたいな情報が氾濫。

中途半端に勉強したつもりの方が
ぼくのかんがえるさいきょうのいえ
みたいな仕様を叶えてくれる
工務店を探す事が家づくりだと
思い込んで動き回る。

まともなお医者さんが、
特定の薬を欲しがる人を
相手にしないように、
まともな設計者なら
特定の工法に限定して
家を建てたいという人は
あまり相手にしないはず。

しかし、仕事が薄かったり
経験がなかったりする会社は、
そのお施主様の希望を
叶えてしまう。

とても無責任。
ちょっと例え話をします。

お客様の希望は海で泳ぐこと。
しかしこれくださいと言って
レジに持ってきたのは競泳用水着。

これを買えば泳げると聞いて、、、

でも、その客は本当はカナヅチ。
その人に本当に必要だったのは、浮き輪。

意気揚々と競泳用水着を着て
海に行ったけど、危うく溺れて
死ぬところだったじゃないか。

みたいな事が家づくりの場で起きてる。

そりゃ失敗するよ。

なぜこういう事が起きるかというと、
一つはお施主様側の経験不足。

なんの経験不足かというと、
オーダー商品を買う経験です。

完成系の見えないものを買うという
経験が不足していると、物の指定を
してしまいがちです。

仕事でもプライベートでも、
なんでも良いのでオーダーの物を
発注するという経験がまず必要。

そして、物の指定というのは、
ゴールの指定ではありません。

富士山の頂上に行きたければ
たくさんのルートがあるように、
あなたの理想の暮らしにも、
沢山のアプローチが存在する。

あなたは富士山の頂上に立ちたい。
それが要望なのであれば、ルートは
どこからでもいいはずです。

それを指定してしまうのは、
他の可能性を潰してしまうことに。

注文住宅におけるお施主様の役割は
在りたい姿を依頼先に伝えることであり
決して仕様を伝えることじゃあない。

建築会社に要望書をまとめて
提出したという人も多いと思う。

その要望書、どのくらい、在りたい姿が
描かれていて、どのくらい仕様が書いてある?

週末は寝室で映画を見ながらワインを
飲むというのを夫婦のイベントにしたい。

これなら在りたい姿の要望。

寝室にポップインアラジンが欲しい。

これは仕様の要望。

前者なら寝室の位置や音響環境、
ベッドとテーブルの配置などを含め
設計者は在りたい姿を叶えるための
沢山のアイデアを出してくれます。

後者ならシーリングソケットが
天井の中央についているだけ。

もっと言えば、なぜ、寝室なのか、
なぜワインなのか、など、要望の
背景を深掘りすると、もっともっと
良い提案が出てきたりします。

プロの技術の引き出し方を
知っている人は、仕様の指定なんて
したってマイナスしかないと分かってる。

私は家にいる時でも3日に1日は
自分のベッドで寝ていません。

家が暖かければどこで寝たっていい。
そういうところまで家の機能を
分解して考えていけるのが、
高断熱住宅なんですね。

ぜひ、つまらない仕様の指定なんて
しないで、あなたの理想の暮らしを
大いに設計者に語って欲しい。

家を作るんじゃない。暮らしを作る。
それが私たちの役割ですから。

是非是非参考にして、
家づくりをしていただけたらと。

#温熱は物理 #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー