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子の常識を家が作る

日本人の暮らし

凰建設の森です。

本日は事務所の日。
ちょっとした工事の
段取りや見積の精査など。

先週は本当にバタバタと
一週間が過ぎて行ったので
落ち着きを取り戻す日に。

さて、本日の話題は、
家づくりと子育ての
落とし穴?みたいな
お話になります。

家づくりをする際、
私たち大人は、今よりも
便利な暮らしというのを
求めていきます。

それは別に悪い事じゃない。
日常の暮らしを楽で便利な
ものにしたいというのは、
人類が生まれてこの方、
ずっと追い求めた理想。

お風呂を沸かすのに、
近くの水場に行って
水を汲んできて、
薪をくべて火を焚くのが
当たり前の時代だと、
毎日お風呂になんて
入ってられない。

今は浴槽を洗って
栓をしてボタンを押すだけで
お風呂に入れるように
なっているから、
毎日でも入浴が出来る。

洗濯だって料理だって
同じことですよね。

しかし、世の中の物事は
何事も良い所と悪い所が
あるものです。

家づくりにおいて、便利なものを
追い求める事の弊害は、
子育てに出ることがある。

私の経験をお話すると、
今年で小学3年生になる娘が、
ようやくトイレトレーニングが
終わり、公共施設のトイレなどを
1人で行けるようになったくらい、
3~4歳の時でしょうか?

パパここで待ってるからね。
トイレ自分でいけるかな?

って送り出したその3分後、
娘が落ち込んだ顔をして
戻ってきました。

漏らしてしまったと。

家のトイレは全然問題なく
使えるのになんでだろうと思って
どうして漏らしてしまったの?

と聞いて返ってきた答えが、
「蓋が開いてくれなくて座れなかった」
でした。

実は、トイレに関するこういう
子育てあるあるは、20年前から
業界ではよく話題になっていた。

よく聞いたのは、自動洗浄機能の
付いたトイレで育った子は、
よそのトイレで流すことをせず
次に使う人をびっくりさせる。
というものになります。

生まれた時からトイレは人が
前に立つと蓋が空いてくれるし、
用を足したら勝手に流して
くれるものだという生活を
送っていた子ども達からすると、
蓋を開けたり流したり、
というのは自分の行動の
選択肢には無い訳ですね。

パンが無ければケーキを食べれば
いいじゃない。を大人が言うと
常識知らずになりますが、
子どもはごくナチュラルに、
そう思っていたりするものです。

ドアチェックが付いていて、
ドアは開けたら勝手に
閉まるものだと思っていた
子供さんが古い家の扉を
開けっ放しにしていた話や、
引き戸は最後にブレーキが
掛かるものだと思って育った
子供が友達の家の引き戸で、
とんでもない音を出して、
なんてお行儀の悪い子?
みたいに思われた話もある。

高気密住宅になると、
個室の扉は結構な勢いで
締めようとドアを押し放っても
最後は勝手にふわっと
止まってくれたりする。
同じ感覚で他の家を使うと、
大きな音が出るんです。

大人だと「嘘でしょう?」
みたいに思う事が起きるんです。

あなたは今まで生きてくる中で
色んな家を見てきたはずです。
トイレが開かなかったら、
ああ、自分で開けるんだな、
ってすぐに判断が出来ます。

他人の家に行った際、
引き戸を乱暴に閉める
なんてことはせず、最後は
ゆっくり閉まるように、
手で力加減をするはず。

しかし、物心ついた時から、
それが当たり前の環境だった
という子どもにとっては、蓋の
開かないトイレは使い方が
分からないんですね。

手掛けを放り投げるように、
引き戸を閉めた結果、
大きな音が出た時に、
誰よりも自分が驚きます。

すぐに矯正されればそんなに
問題はありません。しかし、
勢いよく扉を閉めるのが
習慣化されてしまったり、
トイレを流さないのが習慣化
されてしまっていたりすると、
それなりに大きくなった際に
恥をかく可能性が出てきます。

私が住宅の仕事を始めた20年前、
当時60手前の大工さんが、

「今の人は階段を走らないとか、
敷居を踏まないという常識が無い。
畳の縁を踏まないという常識もない。
家の傷みやすい部分を守りながら
生活するという感覚が無いから、
そりゃあ早く痛みもするよなぁ」

ってぼやいておりましたが、
敷居や畳を踏まないという
教育を受けたし実践している
という現代人がどれくらいいるか?

あなたもまた、生まれた家によって
作られた常識の中で生きているんです。

基本的に便利な家にすることは賛成。
しかし、落とし穴もあるんです。

扉の開け閉めは、油断すると
大人だって他所で間違えてやっちゃう。

今の引き戸はソフトクローズが
付いているのが当たり前です。

しかし、昔ながらの高級な旅館や
立派な邸宅に行くとそんなものは
付いていません。

そしてそんな所に行く機会は、
大体が大事なライフイベントの日。
そこでやらかしたりしたら、
目も当てられません。

あなたの作った家で育つ子は
その家の暮らしが常識になります。

世間一般の常識じゃない部分が
あるのであれば、そこは補正を
掛けながら子育てをしてあげてほしい。

ソフトクローズが便利だからって
親が引き戸を乱暴に開け閉めしたら
絶対子ども達もそうなります。

便利なものの恩恵を享受する事と
行動に品が無くなることが、
相反する要素である場合は、
特にお気を付けいただければと。

#家族の距離感 #流行より普遍性 #本質的な家づくり

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー