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【日刊】このミスリード記事に疑問

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日はリノベの打ち合わせ。
2026年も窓リノベの補助金は
使えるようになりまして、
安心して断熱の打ち合わせが
出来るのでありがたいですね。

さて、本日は、これ、メルマガの
ネタにしようかどうかを
悩んでいたのですが、
うーん、やっぱり触れた方が
いいような気がするので、
話題にさせていただきます。

事の発端は年末に発表された
こちらのプレスリリース。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000141031.html

今月に入り住宅業界誌でも
取り上げられて大きな話題を
呼んだ記事になります。

全国のシロアリ駆除・予防を
業者に依頼した経験のある方
100人を対象にしたネット調査で
驚きの事実が判明との事。

なんと、べた基礎の方が
布基礎よりも2倍もシロアリの
被害に遭いやすい??

という結論とのことです。
とりわけ大きな反響を呼んだのが

こちらのグラフですね。

まず、調査対象は、駆除・予防を
依頼したことのある方が対象。

しかし、こちらのグラフの
解説には「被害件数」として
カウントされております。

被害はないけど予防のために
シロアリ業者に依頼をしたという
人は1人もいなかったのでしょうか?

被害のある人だけ抜き出して
グラフを作ったのかなとも
思ったのですが、最小割合が
1%である事から、調査対象者
全員をグラフに割り振っている
事が分かります。

記事の中ではべた基礎の住宅が
増えていると書いてあります。
べた基礎の住宅が日本全国において、
どの程度広がっているのかというのは
統計で出ているわけではありません。

2025年には日本全国に約3300万軒の
戸建て住宅が存在します。

べた基礎が爆発的に広がったのが
2000年以降になります。
キリのいいところで、
2000年以降の戸建て住宅の90%が
べた基礎だという事に
したいと思います。

とするとH12年~R6年3月までに
建てられた戸建てが1112万戸なので
約1000万軒の戸建て住宅が
べた基礎だという計算ができます。

およそ日本全国の戸建住宅のうち、
1/3程度がべた基礎なのではと
推測できるかと思います。

多分もう少し多いかなと思います。

基礎構造に関わらずみんなが
ランダムで問い合わせをしたなら
布基礎の方が多いはずなのですが、
べた基礎の方が絶対数が少ないにも
関わらず割合が多いとの事。

なるほど、そうなのか、、と
思いつつも、グラフ上圧倒的に
多い基礎構造は「分からない」
なんですね。そこを無視して、
べた基礎が2倍の被害だと
言えるのはどうなのでしょう?

プレスリリース内では国交省の
シロアリ調査の統計情報を
参考リンクとして挙げています。https://www.i-ecoup.com/wp-content/uploads/2015/11/shiroarireport.pdf

44頁に基礎構造別蟻害発生率が
記載されているのですが、
低いのがべた基礎で2%程度
高いのが布基礎+土間コンの5%

プレスリリースとは逆の割合。
そしてこれ、素人目には床下を
覗いただけでは分からない。

この調査対象の100人の中に
我が家はべた基礎だと勘違いしている
布基礎+土間コンの人はいないと
言い切れるのでしょうか?

色々と住宅業界の人の感覚と
あまりにもずれた結果だったので
おいおい本当か?という
感想がどうしても出てしまいます。

なぜ、国交省が品確法において
温暖地では「有効な防蟻措置」として
べた基礎を推奨しているかというと、
文字通り「有効」だからです。

そういう過去の研究や実績から
得られた知見に対して真っ向から
NOを突き付ける記事なのに、
その論拠がどうにも薄いし怪しい。

この調査結果から抜き出して見出しを
作る部分は本当にそこだったのか?

べた基礎でもシロアリ被害はあるから
油断してはいけませんよという結論は
私も完全に同意するのですが、
べた基礎にした方がシロアリ被害が
2倍になるという言い草は、
あまりにもミスリードが過ぎる。

うーん、どんな会社さんなんだろう
と思ってちょっと調べてみたら

すみません、ツッコみたくなる
気持ち、分かっていただけたら
嬉しいです。

(べた基礎を否定したい自分の気持ちに)
正直な情報発信をしました。

と受け取られてもおかしくない。

なぜ、こんな記事をリリースして
しまったのか、謎です。
そして、その記事をキャッチアップして
広めてしまった業界紙さんも
なぜやっちゃったのか、謎です。

住宅業界、シロアリ業界、両方の
信頼を無くすことにつながりかねない。
と、ちょっと心配しております。

ちなみに、シロアリに関しては、
研究が進んでおりますが、完璧な
防除方法が確立されているわけでは
ありませんので、今分かっている中で
最も効果が高そうなものを選ぶ。

というのが最善手になります。
弊社だってシロアリ被害が絶対に
出ないとは言い切れません。

様々な研究論文がありますが、
こちらがまずは基本かなと思います。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjeez/21/4/21_259/_pdf

それ以外にも沢山の事を学び、
それぞれの会社がそれぞれの
防蟻仕様を考えていかれると
良いかと思います。

シロアリ業者さんの言いなりで
仕様を決めるのではなく、
基礎理論からちゃんと学んでいる
建築会社さんに依頼したいですね。

○○商品や××工法がシロアリに
いいらしい!というレベルの知識
からは早いところ卒業して、
シロアリの生態系やケースバイケースの
応用問題にも精通した住宅技術者に
なれると良いかと思います。

住まい手さんも、そういう会社さんを
見抜く目を養えるといいと思います。

#温熱は物理 #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー