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だから大スパンを作らないんです。

長く住める家

凰建設の森です。

建物を設計する時に、
設計者さんそれぞれの感性で
色んな図面が出来上がります。

私の図面などは、何度か
お伝えしていますように、
かなりガチガチな図面です。

①構造
②省エネ(温熱)
③意匠

の優先順位は崩れません。
そういった意味では工務店
らしくないともいえるかも。

何でもアリはしないです。

先日、構造談義の中で、面白い
やり取りを見ましたので、
私がなぜ梁を飛ばして大きな
空間を作らないのかという
理由と一緒にお伝えできればと。

梁材の上に人が載ったり
家具が載ったり、
上の階の柱が載ったりすると
梁はたわみます。

このたわみの量というのは、
計算でほぼほぼ正確に
算出することが出来ます。

ほぼほぼ正確というのは、
木材は生ものですので、
個体差があり多少の
不確定要素が出るからです。

で、このたわみの量ですが、
ざっくり梁幅の1/300までは
たわんでも許すというのが規定。

3mの梁であれば1cmは
たわんでもOK。

あんまり想像できないかも
しれませんが、1cmたわむと
分かる人は分かります。

ビー玉、転がります。

でも、それでも計算上はOK。
欠陥住宅ではないんですね。

そして、梁材のたわみというのは
支える距離の4乗に比例します。
1mの距離を支える梁と
2mの距離を支える梁では
そのたわみ量は16倍に。

日本の建物の基本的な寸法は、
畳2枚分の3.64m程度だと
いつも言っております。

3.64m×3.64mの8畳間
これを基本的なグリッドとして
設計を進めて行くのがいいとも
お勧めしております。

他の建築会社さんが4.5mとか
そういう大きなリビングを
提案してくれるのになぜ
お前の所はやらないのかと
怒られたこともあります。

例えば構造計算をしていて、
こういうシチュエーションが
発生したとします。
↓     ↓
%url1%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2020/05/b825ccee9e496fd85bde3f8c5db6a2b9.jpg}

この時にどれだけの梁のたわみが
起きうるのか。

全く分からないという
設計士はヤバい。
それはもう設計士さんではない。

答えはこんな感じです。
↓     ↓
%url2%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2020/05/468645fbee49ee84f842dcaacb0e3ad0.jpg}

ほんの90cm程度広くなっただけで
たわみの量は2倍になっています。

でもどちらも許容範囲内です。

許容範囲内ならいいじゃないかと
思われるかもしれませんが、
傾いた床の気持ち悪さは、
人によっては日常的に眩暈や吐き気に
苛まれます。

これに対応するためには梁のせいを
どんどん大きくすればいいのですが、
天井の高さが取りにくくなったり、
接合部にかかる荷重が増えたり、
色んな所に影響が出てきます。

耐震等級3を取れればなんでもいい?

そうではないと思います。
地震で倒れないのは勿論の事、
住み続けられる事が大事です。

日常の小規模な地震で
家にダメージが蓄積されない事も大事。

2リットルのペットボトルを
持ってみて下さい。

多分、もてない人は居ないです。

じゃあ、そのペットボトルを
腕を水平まで持ち上げて
持ってみて下さい。

かなりきつくないですか?

木材の梁でもあなたの腕でも
力学的に掛かる力はいっしょ。

支点はあなたの肩。
力点はペットボトルです。

ペットボトルは近づくほどに
肩や腕に必要な力は
少なくなります。

あなたの命を守ってくれる、
大切な木材です。
出来ればあんまり無理を
させないであげてください。

#長寿命住宅 #住宅を消費しない

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー