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既存不適格住宅が山ほど生まれる。

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は事務所の草刈り。
朝のうちは少し曇って
あまり暑くならず、
助かりました。

本日は、5年遅れで
義務化が決まりそうな
住宅の省エネについて。

ちょっとおさらいなのですが
住宅の断熱のレベルって、

無断熱  (等級1)
S55年基準(等級2)
H4年基準 (等級3)
H11年基準(等級4)
R4年基準(等級5,6,7)

みたいな感じで
分かれているわけですね。

今回義務化される
断熱レベルは、
H11年に作られた、
断熱等級4の建物です。

今までは義務化では
なかったので、
どんな断熱レベルの
建物であっても、
「違法」という
状態ではありませんでした。

しかし、2025年からは
違います。

等級3までの建物は
既存不適格住宅
といって、違法な家
という扱いになります。

仮に、中古住宅として
売りに出そうとすると、
違法な状態であることを
明記する必要が出てきます。

仮に、他人に貸したり
その住宅を使って、
商売をしようとする際には
違法状態を是正しないと
いけないという事に。

リバースモーゲージ
等の制度を利用する際、
耐震補強をしないと
審査に通らないという
トラブルをちらほらと
聞いたりしましたが、
今後は耐震がセーフでも
断熱がダメであれば、
断熱改修をすることに。

2000年以降に建てられた
建物であれば、耐震等級は
1以上を確保しているはず。

しかし、断熱等級4を
確保している建物なんて、
その当時はごく僅か。

2000年代に建てられた家の
少なくない数が、既存不適格に。

日本全国に6300万戸程ある
住宅ストックの断熱レベルの
割合はこんな感じ。
↓     ↓
%url1%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2022/06/721df8d2522926d940be10bec532ce20.png}

1300万戸ほどの、
H4年基準の断熱性能の
建物のうち、
耐震性能は満たしているけど
断熱性能は満たしていない
という建物がどのくらい
あるのかは分かりません。

しかし、もし、それに
該当する建物を空き家として
所有しているのであれば、
2025年以降は既存不適格の
ラベルが貼られてしまいます。

それまでに処分できるなら
しておいた方が良いかも。

ただ、そういう家を買った人も、
買った時は適法住宅、
買ってすぐに既存不適格
なので、ババの押し付け合い感は
どうしても出てしまいます。

住宅の法律は、
建てよ増やせよから始まった。

今現在でも諸外国に比べて
非常に緩く、抜け穴の多い
ザルの法律であることは、
変わっておりません。

今後もどんどん厳しくなるはず。

耐震だっていつかは住宅も
許容応力度計算が必須になると思う。
断熱も義務化のレベルがいつまでも
等級4で留まっているはずはない。

今回、既存不適格を免れた家も、
いつ、既存不適格の烙印を押される
事になるかはまだ誰も分からない。

住宅に資産価値を残したいという
話をずっとしておりますが、
日本の家に資産価値なんて残る
はずが無いという反応は
定期的にいただきます。

その通りです。

全ての家に資産価値なんて
残るはずが無いんです。

ごく少数の、しっかり作った
家にのみ、資産価値が残され、
大多数の家は今まで通り、
どんどん価値が下がっていく。

家の資産価値も二極化が
進んでいくことになるんです。

築年数だけでしか判断されなかった
住宅の価値が、その中身を
評価されるようになります。

価値が残るのは構造体です。
100年経っても変わらぬ性能の
耐震性能や断熱性能、
防露性能という部分に
価値が残るんです。

高性能エアコン?
LED照明?
熱交換換気?
高級システムキッチン?
太陽光発電?
蓄電池?
HEMS?
IOT関連機器?

申し訳ありませんが、
設備品の資産価値は、
20年で終わりです。

Windows2000のパソコンを
当時買った時の金額で
売れると思っている人、
いませんよね。

賞味期限の短い物に
投資したって、それは
あなたの資産にはならない。

勿論、余裕の範囲内で、
そういったものにお金を
掛ける事はダメではない。

でも、設備に重きを置く家を
建てておいて、資産価値を
なんていうのは全く違う。

日本以外の先進国の殆どが
日本で言う等級6程度を
義務化のレベルにしております。

日本がそこに追いついた時点で
断熱等級5以下の建物はやはり
既存不適格建築物。
価値はがくっと下がってしまいます。

今回大量に生み出される
既存不適格建築物は、
対岸の火事ではありません。

今から家を建てるのであれば、
耐震と断熱は現状で考えられる
最高の物を。防露の為に必要な
防湿処理や通気の処理も、
現状で考えられる最高の物を。

将来のあなたや、将来あなたの家を
受け継ぐ誰かががっかりしないよう。

どうぞお気を付けください。

否定的な論調でお話を
させていただきましたが、
断熱義務化には勿論賛成。

しかし、私がやりたいのは、
断熱義務化ではありません。

日本の家をより良いものにし、
国民全体の生活を豊かにする事。

よりマスな視野で、
より長期な考えで、
日本の家のあるべき姿を考え、
追い求めていきたい。

断熱義務化は、通過点に過ぎません。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー