凰建設の森です。
本日、午前中は移動になります。
お昼からはSAREX。
現地参加する気満々で、
昨日は東京泊まりになる
予定を組んでおりましたが、
残念ながらZOOM開催。
人生上手く行かないことも
ありますよね。
さて、本日の話題は、
昨日の空調講座から。
空気調和において、
空気の移動を知る
という事はものすごく大事。
なぜならば今日本で主流の
暖冷房は、エアコンによる
空気式だからです。
いくら熱い(冷たい)空気を
作ったとしても、目的の
部屋に届かなければ何の意味も
ありません。
目的の部屋の温湿度に対して
どのくらいのエネルギー差がある
空気をどのくらいの量届けるか
というのが空調計画になります。
その際、空気はどのような要素で
動くのかという事を知らずして
空気移動量を計算したり、
計画したりはできません。
家の中は無風に見えても、
実は微弱な空気の移動は
あちこちで起こっています。
それを、実測しましょう、
という実習を昨日は行った。
例えばですね、吹き抜けがあり、
そこに空気の流れがある。
1.6m×1.6mの広さに
風速0.1m/sという、
人が気づくか気づかないか
というような空気が
流れていたとします。
1.6m×1.6m×0.1m/s×3600s/h
=921.6m3/h
人が気づいていなくて、
意識していないだけで、
吹抜空間はそのくらいの
空気移動が起こっている。
エアコンが吐き出す空気の
量が、300~1000m3/h
程度になります。
キッチンのレンジフードも
300~500m3/h
吹き抜け空間というのは、
高性能な送風ファンよりも
大量の空気を上下移動させることが
出来る建築設備と言ってもいい。
だから、安易に吹抜を作ると、
暑い寒いという現象が起きる。
家の断熱性能や暖冷房計画、
吹抜が動かす空気の量の
バランスをきちんと計算して
設計している人なんて、
ほぼいませんからね、、、
部屋間の扉を開けておくことも
空気を動かす為には非常に有効、
高さ2m、幅70cmの扉を
開放しておくと、およそ100m3/h
の空気移動が発生します。
100m3/h程度の空気循環が
あれば、部屋の中で3人程度が
寝ていても、家全体の換気が
上手く行ってさえいれば
部屋の中のCO2濃度は
1000ppmを超えません。
部屋の中と外で2℃の温度差が
あったとすると、67W程度の
エネルギー移動も発生します。
湿度差もあれば更に多くの
エネルギーが移動します。
人が部屋を使っていない間に、
少しずつ部屋を暖めたり
冷やしたりも可能です。
空気の移動量を数字で
押さえることが出来るように
なれば、家の中に自由な
温湿度を作ることが可能になる。
空調の為にドアを開け放して
おくことが嫌なのであれば、
違う工夫で空気を循環させる
ようにすればいいし、
エネルギー差の大きな空気を
部屋に送ることができれば、
循環する空気の量を減らす
という事も可能になります。
要は、そういう事を狙って
やれるようになるというのが
空調設計が出来るようになる
という事になります。
心配だからとりあえず
過大な送風設備をつけておく
というのはよくある話ですが、
足りないよりは過大な方が、
トラブルは減ります。
しかし過大は過大。
余計なお金を掛けている
とも言えるんですね。
過不足なく、適切な
空気移動量をつくる。
それが空調設計になります。
で、もっと言えば、空気の
移動というのは、空気の比重差か
空気の圧力差のどちらかで起きる。
送風機というのは、空気の
圧力差を作る設備なんですね。
その圧力差を適切に
コントロール出来れば、
空気は予定通り動くし、
何かをミスれば、
空気は思うように動かない。
エアコンのない個室に、
頑張ってファンで空気を
送ろうとしているけど、
ちっとも効かないという
相談を今まで山ほど
受けてきましたが、
ほぼ原因は圧力設計のミス。
パンパンに膨らんだ浮き輪に
それ以上空気を入れようとしても
上手く入って行かないのと同じで
送風機が作る静圧よりも、
その部屋の静圧の方が高ければ
空気は入っていきません。
空気は思ったように動かない
みたいな事を言われる人もいますが
いやいや、そりゃあなたの勉強不足
っていうだけの話ですよ。
空調は物理の話。
もし、上手く行かない原因として
未知の要素を発見できたとしたら
それはノーベル賞だって狙える
くらいの大発見です。
空調設計講座も日々内容が
進化してきておりますが、
空気を上手く移動させるという
事が最も重要で難しい単元です。
そういう事がきちんとできる
実務者さんが世の中に増えて行くよう
私も頑張ります。
