これまでお届けしてきたお役立ち情報や業界のリアルなお話を振返りでご覧いただけます。最新のメールマガジンは申込後に購読が可能です。

それは美徳か利己か

長く住める家

凰建設の森です。

本日は名古屋の空調講座。
ですが、今回の会場は滋賀。

夏見工務店の夏見さんのご自宅。
栗東のサグラダファミリアと
呼ばれていた?建物になります。

パッシブハウスの可能性を
感じさせる建物ですね。

私も空調講座のおかげで、
全国の有名な建築会社さんの
モデルハウスや社長さんのご自宅を
拝見することができて勉強になります。

さて、本日の話題は、
時事ネタになります。
↓ ↓
%url1%{https://news.yahoo.co.jp/articles/9960277640859791f1eddd6b28a8d1ea6f01918c}

相続放棄の申請件数が過去最高に。
というよりも年々右肩上がり。
毎年過去最高になります。

その昔、相続放棄というのは、
親の遺産を兄弟で分ける際、
その権利を放棄するという
意味合いで使われることが
多かったかと思います。

兄弟姉妹の中で、親の面倒を
みてくれた人以外は感謝の気持ちを
込めて相続放棄をするとか、
そういう美談であることも
少なくなかったかと思います。

しかし、今は違いますね。
どちらかというと、
負債を放棄するという
目的で申請されることが
多いと思います。

負債の主だったものは空き家。
空き家を相続すると、固定資産税や
諸々の維持費がかかる。

売ろうにも二束三文で、
仲介手数料や片付けのための
費用などを差し引くとマイナスになる
いわゆる負動産という状態。

田舎の両親や祖父母が住んでいた
空き家の面倒なんか見たくない。
相続放棄をすれば、最低限の出費で
済むからぜひそうしたい。

ということなんですね。

制度があるのですから、利用する人が
増えるのは仕方がありません。

しかし、この制度をそういう
利己的な目的のために使う人が
増えていくと、それは結局
行政の負担が増えることになり、
その負担をみんなで分担することに
なりますので、税金も増えていく。

結局みんなで貧しくなっていくことに。

放棄をした方が得になる状態で
死んでいく世代も無責任だし、
所縁ある土地建物を知らんぷり
してしまう世代も無責任といえば
無責任だと思います。

ええ、顔も見たことのない親戚の
家なんだから思い入れも無いし、、
という状況もあるでしょう。

でも、そうやって親戚と疎遠な
関係を築いてしまったことに、
全く責任がないかといえば、
ゼロではないと思います。

簡単に親兄弟と縁を切ったと
言える時代ではありますが、
法律的には繋がっている。

そこは脇が甘いかなと思います。

そんな冷たい言い方、、
って思います?
でも、実際相続で困っているのは
確かだし、防ぐ手立ては、その
親なり親戚が生きているうちに、
あったはずなんですね。

私に腹を立てても何も解決しない。

もし、あなたが都会で家を
建てたけど、そういえば田舎の
両親の家って将来どうなるんだろう?

と思ったのであれば、両親が生きている
うちに、親兄弟で話し合わないといけない。

もし、あなたがこれから家を建てる
という人であれば、本当に家を
建てても将来相続するであろう、
建物も含めて自分が面倒を見ることが
できるかどうかよく考えてほしい。

今の日本には、相続なんてしたって、
誰も住みたくない家が殆どなんですね。

そういうどうしようもない家を、
全国に大量生産してしまったのが
住宅業界になります。

そして、あなたがこれから建てる
家もまた、そういう将来どうしようもない
家になる可能性を秘めた予備軍です。

家が負動産になってみんながみんな
貧しくなっていくこの社会はおかしい。

この負の連鎖を何処かで止めないと、
世代が進む毎に、日本人はどんどん
貧困化していくことになります。

そんなことは国もわかっている。
将来負動産にならない建物に対し
インセンティブをつけて、
なんとか社会の変なスパイラルを
止めようとしています。

でも、まだまだ4号特例を使った
耐震も省エネも全然ダメな
建物は来年の中ぐらいまでは建つし
将来のどうしようもない家が
どっさり建つのは 確定事項。

まだあと40年くらいは、
家を相続するのが負のイメージに
なる時代が続いていきます。

自分のこと以外はどうでもいい。
って心の底では思っているから、
自分のことだけしか考えていない
家を建てられちゃうんですね。

再建築ができないとわかっている
立地で家を建ててみたり、
将来、維持管理のためにたくさん
お金がかかることが分かっている
建物を建ててみたり。

建物のリノベをやっていると。
せめて防湿ラインを取って
最初から施工してくれていれば、、
せめて耐震だけでもまともに
やってくれていれば、、、
せめて防湿コンクリートだけでも
やってくれていれば、、、

と、思うことがたくさんあります。

リノベの時期になってくると、
熱交換換気も全館空調も、食洗機も
乾燥機も、そんなのは全部ゴミ。

しっかりした躯体と外皮。
これにしか価値はありません。

そして、そういう建物であれば、
内装と設備の更新だけで、
ずっと使っていけるんですね。

新築を建て替え続けるよりもずっと
みんなの負担が少なくて済みます。

家建てるのなんてもったいない。
あのおじいちゃんの住んでいた家が
あるからそこを直して住みなさいな。

って言える社会の方が豊かです。

家を相続できるのが「ラッキー」
それが世界のスタンダードだし、
戦後の家不足を迎えるまでの
日本でもスタンダード。

今、あなたの頭の中に常識としてある
古い家なんていらないという観念は、
この70年くらいの日本だけで通用する
特殊な常識だしその常識が今後も
常識であり続けるなら日本人は
やっぱり貧しくなり続けることになる。

家なんて自分の世代だけ住めりゃいい。
そういう価値観が生まれてしまうのも
理解はできますが、それは
社会全体を貧しくしてしまうもの。

道にゴミを捨てる行為と
本質的には変わらない。

気づいた人から、余裕のある人から、
まともな家を建てていって欲しい。

これだけ国が頑張っているのだから
社会はいずれ変わっていきます。

まともな家を建てた人の子孫が
得をする時代がやってきます。

貧困で社会が崩壊するのが先か、
既存住宅が、もらえるなら嬉しいものに
なり、日本人が一生建築会社のために
働き続ける時代が終わるのが先か。

家を供給する側も家を買う側も、
意識を変えていかねばなりません。

どうぞ、未来の日本人が豊かに
暮らせる社会にとって必要な家とは
どんな家なのかということを
意識してもらえると嬉しいなと思います。

#長寿命住宅 #住み継がれる家 #住宅を消費しない

登録特典として、小冊子をpdfでプレゼント
+知って得するメルマガを毎日配信

メルマガ

メルマガに登録する

この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

Xアイコン facebookアイコン Instagramアイコン

国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー