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夏の外皮からの湿気流入は大したこと無い?

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日はプランの打ち合わせ。
朝から最終調整の繰り返し。

間取りを描くよりも、
パースなどのプレゼンの
細部を仕上げる方が時間が
掛かるんですよね。

窓の位置や高さがちゃんと
おかしくない様に揃っているか
見える面が格好悪くならないか。

いつもすごく悩むのが、
家のおでこの広さです。

家のおでこ??
窓の上端から、屋根までの
空間のことを言います。

こんなわけでおでこの広さを
悩むんですね。

後は、階高を抑える事も
おでこの広さに影響します。

建物の高さを抑えたほうが
おでこは狭くできますが、
天井の高さも下がります。
2階はまだ勾配天井という手が
使えますが、1階は難しいです。

天井の高さ、断熱性、おでこの広さ
標準の納まりが出来てしまえば
これらを悩むことも無いのですが、
やっぱり人それぞれ好みや必要な
性能は違います。

出来る範囲で最も良い物を。
試行錯誤は続きます。

さて、本日の話題も質問箱からhttps://peing.net/ja/q/67b7a752-b44d-48a0-80bd-60a29f83d99a

非常にクリティカルなポイント。

元々高気密高断熱は北方の技術です。
グラスウールの内側に防湿層を入れて
冬の内部結露を防ぐという考え方も
寒い地域になるほど条件が厳しいから。

で、温度差と湿度差が逆転する夏だと
湿気の移動方向も変わります。

で、逆転結露などの現象が。

そもそも起きるの?起きないの?
という疑問も有りますが、
起きる事は有り得ます。

その為に調湿シートを導入します。
調湿シートは、湿度が90%を超えた
辺りから透湿性能がぐっと高くなり
室内側に湿気を逃がし始めます。

イメージ的には、水蒸気が
溢れそうになったらあえて通す。
そんな動きをしてくれる素材です。

で、問題は質問にもある様に、
どのくらい通すのかという事です。

外皮の結露計算を行う時には、
外皮を構成する各素材の断熱性と
透湿性を並べ、水蒸気圧差と
温度差をそれぞれ設定して、
どの位水と熱が流入するかを
シミュレーションします。

熱が流れる量は、UA値やQ値などで
表記されますが、水が流れる量は
住宅ルールでは取り決めは有りません。

住宅ルールでは設定が無いですが、
実は一般建築ルールでは、算出の
方法は決められております。

そして、それを考慮するかどうかは
設計者の判断に委ねられております。

例えば、よくある「呼吸する壁」
セルロースファイバー+ダイライトみたいな構造。

湿気を防ぐ仕組みが無ければ、
岐阜の夏の気象ですと、一日に
10ℓ~20ℓ程度の水が
壁や床や屋根を通過して入ってきます。

入ってくる量の差は家の大きさの差です。
10ℓって、どんなもんなの?
と想像がつかない人もいるかと。

冬に加湿器付けたりしますよね?

ご家庭にある加湿器のタンク容量
確認してみて下さい。

多分、3ℓ~5ℓ程度かと。
夏にその加湿器を数台分、
家の中で運転しているのと
同じなんですね。

それが例えば付加断熱にEPSを20mm
使ったとすると、湿気の流入量は
2/3に減ります。

付加断熱がネオマフォームに変わると
湿気の流入量は1/5になります。

これは断言してもいいくらいですが、
外皮からの湿気の流入量をちゃんと
計算したことのある住宅設計者は
日本には殆どいません。

だから、湿気の流入に関して言えば、
知らずにやっているというのが現状。

考えたことが無いんです。

壁体内の夏型結露が起こらない
という事は、
湿気の流入を外側で止めているか
止めずに室内に流しているか、
どちらかになります。

これは住宅の教科書には書いてない。
だから誰もダメだなんて思っていない。

そして、「夏に湿度の下がらない家」
が出来てしまいます。

どんな理由があるのかと聞かれても、
恐らく計算したことも、考えたことも
無いというのが正直な理由かと。

試しに、検討されている会社の
設計担当者さんに
御社の仕様だと、夏と冬に外皮から
それぞれ一日に何リットルの水分が
入ってくる(出ていく)のか、
教えてください。

と聞いてみて下さい。
きちんと計算式まで出してくれた
設計者さんがいましたら、、
素晴らしいです。是非教えて欲しい。
お友達になりたいです。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー