これまでお届けしてきたお役立ち情報や業界のリアルなお話を振返りでご覧いただけます。最新のメールマガジンは申込後に購読が可能です。

家のメンテコストはいくらなの?

長く住める家

凰建設の森です。

本日は事務所の日
今週は少しだけ余裕がある。
質問箱もやれたらと思います。

かなりショッキングな訃報が。
学生時代からの友人の奥様が
亡くなられたとのこと。
まだ30代。乳がんでした。
小学校5年生の娘さんを遺して
逝ってしまわれました、、、

子宮頸がん、乳がん、
定期的な検診をお忘れなく。
どうぞ健康には気をつけて。

さて、本日の話題は、
住宅のメンテナンスコストについて。

30年で1000万円
みたいな事を言われたり
しておりますが、
これ、実際の所どうなの?

という声を聞きますので
そこに触れてみたいと思います。

この議論をする際に、
最も大事なのが前提条件。

住宅の寿命を何年だと考え
メンテナンスコストを
考えるのかという事です。

そもそも30~40年で住宅を
使い潰すつもりなのであれば
維持管理にお金を掛けるのは
得策ではありません。

ほったらかしが最適。

ただし、ずっと建て替えを
続けることになります。

40年に一度、3000万円で
家を建て替えるのなら
200年で1億5000万円。

2500万円で建てたとしても
1億2500万円になります。

社会的には無駄遣いに、、、

200年先の事なんて知らない?
そうですね。どうしても、
今の時代に生きる人たちは
目の前の事だけを考えがち。

自分の代だけのことで
精一杯だし、その後の
世代の事なんて知らない。
その人たちが考えるでしょ?

勿論、そう考えるのは自由。
だけど、その昔、私たちの
祖先は、最小のメンテナンスで、
数百年住み続けられる住宅の
在り方を考え、子孫が楽に
暮らせる事を考えました。

その結果できたのが、300年
以上住み続けられてきたこちら
↓     ↓
%url1%{https://www.jalan.net/news/article/674564/}

長い年月で考えると、それが
地域全体の住居に対する負担が
最も少なくなることになった。

それは昔の話でしょう。
と思われるかもしれません。
いえいえ、今でも国が違えば
200年住宅が住めるのは
当たり前だったりします。
↓     ↓
%url2%{https://www.rightmove.co.uk/properties/129608117#/?channel=RES_BUY}

不動産の売買の際に、
築年数なんてそもそも
そんなに気にしない。

私たちが常識として持っている、
戸建て住宅は30~40年が寿命。
というのは、ここ数十年の間に
日本だけで作られたもの。

人類の住宅史は長寿命化の歴史。
住宅の長寿命化が進むと、
その地域は豊かになっていきます。

住宅の寿命が短いと、
その地域は貧しくなります。
こんな例とかがありますね
↓     ↓
%url3%{http://alberobello.web.fc2.com/history.html}

話が横に逸れましたが、
メンテナンスコストを語るなら、
それは家を住み継ぐ前提で
お話をしないと意味が無い。

30年で1000万円掛ければ
家が80年持つのであれば、
建て替えるよりは安くなる。

でも、どうせ40年しか
家を使わないのであれば、
メンテナンスなんて
しない方がいいですよね。

日本の普通の家が、40年目を
次代に受け継ぐことができる状態で
迎えるためには、
外壁塗装150万円×2回=300万円
キッチン交換1回=150万円
UB交換1回=150万円
トイレ交換1回=30万円
雨樋交換1回=30万円
防蟻処理20万円×3回=60万円
サッシ交換1回=250万円
その他内装の細かい補修
しめて1000万円+α

みたいな感じになります。

ドイツでは、住宅の価値を保つために
必要なメンテコストは約1600円/m2年

100m2(30坪)の家であれば
1年間に16万円は住宅のメンテに
お金を掛けるというのが常識です。

もう5年以上前の話なので、
今は数割増しになっているかな?

年間20万円をメンテに掛けると
40年間で800万円という事に。

日本の家も、出来ればその程度の
メンテナンスコストで、引き継いで
行けるようにしたいものです。

逆に言えば、それで済むんです。
1億円で買った200m2の家は、
月に33,000円のメンテ費と
住宅ローンの金利と光熱費が
負担できるのであれば、
この先いつ売っても、
1億円で売れるんです。

受け継いだ子供に至っては、
家賃33,000円で、
1億円の資産が人生の
セーフティネットとして
機能し続けるんです。

家が資産になるとはそういう事。

そして先進国の住宅というのは
そういうのが普通なんです。

だから日本よりも収入が低くても
日本よりも豊かな生活が出来る。

と言っていたのは10年前の話。
今はとうに日本の方が収入が低く、
その差は大きくなるばかり。

ちなみに、資産価値を
残したまま、売ることが
出来る状態で築40年を
迎えるための、最適な
ライフサイクルコストを
研究した方がおられます。

毎年北海道研修でお世話になる
北海道大学の森太郎教授
↓     ↓
%url4%{https://www.jstage.jst.go.jp/article/jusokenronbunjisen/48/0/48_2019/_pdf/-char/ja}

100m2程度の住宅を、
最も経済的なタイミングで
維持管理を行った場合の
41年のライフサイクルコストは
約4150万円。この中には
ローン支払、光熱費、メンテ費
が含まれております。

北海道の単価なので、
新築のローン総額が3000万円
光熱費が700万円、
メンテで450万円位の
感じかな?と想像します。

40年で450万円の維持管理なら
200年で2250万円。
倍だったとしても4500万円。

倍くらいで海外並みの
メンテコストになりますね。

5回建て替えをするよりは
遥かに経済的に暮らせます。

同じ建物を、ほったらかしにして
30年目でスケルトンリノベを
行った場合のライフサイクルコストは
約5600万円になります。

スケルトンリノベで1900万円
掛けるという計算?まあ
そんなもんだろうという金額ですね。

200年で9500万円。

40年に一度のスケルトンリノベでも
40年に一度建て替えるよりは、
やっぱり安くつくんですね。

メンテのやり方により41年で
1550万円の差がつくよ。
という事が分かりましたが
メンテナンスにお金を掛けるなんて
勿体ないと殆どの日本人が思うはず。

いやいや、毎世代家を新調する方が
はるかに勿体ないんです。

もっと社会全体を広く見てほしい。
もっと長期の目線で考えてほしい。

きちんと辻褄の合う家を建ててほしい。

そうでないと、あなたも、あなたの
子孫も、永遠に住宅貧乏です。

日本の中で比べると資産になる家は
高いです。だけど、日本で言う
優良な住宅と言われるものですら、
海外の割安な新築よりも、
随分と安かろう悪かろうです。

私が建てる家も例外ではありません。
まだまだ改善すべき点は山ほどです。

高価格帯の住宅を建てている
地域工務店に対して、
普及を考えていないという
批判をされる人もいます。

空き家が1000万軒以上ある
この国に、なぜ住宅の普及が
必要なのでしょう。

冷蔵庫に食材がパンパンなのに
わざわざ捨てて買い物に
行く人が居ますか?

夕ご飯の残りが沢山あるのに、
わざわざ捨てて朝ごはんを
作る人が居ますか?

普通に考えて、これ以上住宅を
作ることは社会悪でしかない。

基本的には今ある家を
まともなものに直していくのが
優先順位としては高い。

どうしても、どうしても家を
建てなければならないという
人だけが、きちんと資産の
残る家を少しずつ建てていく。

そうして数十年かけて、
日本の家を良質な物だけに
塗り替えていく。

それが一番合理的だし、
辻褄が合うんです。
摩擦も少ないでしょう。

国や行政はそうしていきたい。
それを無視して家を建てるなら、
自分の好きにしたいのなら、
将来国はあなたを救いません。
それで良ければどうぞご自由に。

というのが、ざっくりの国策。

家なんて資産にならない。
今現在の段階ではその通り。
しかしそれを変えようとして
ガンガン予算を突っ込んで、
日本の住宅の資産価値向上を
国交省は目指してます。
↓     ↓
%url5%{https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_mn4_000006.html}

リセールできる家であれば、
将来土地と建物をお金に換え、
引越しをすることも可能です。

リセールできない家を建てると
あなたはその土地と家から
逃げられないんです。

恐ろしいと思いません?

将来売れる建物を作れないなら
人生において土地建物を
新しく買うのはリスクが
大きすぎます。

最小のメンテナンスコストで、
未来に住み継ぐことができる家。

未来のターゲットは
できれば100年後200年後に。

メンテコストの目安は、
2000円/m2年。

家のメンテは、主に
外装と設備です。

お金のかかる外装やお金のかかる
設備にすると、とてもそんな
金額では維持管理がやっていけない。

それ以内で済み継げる家じゃないと
後々の世代がきちんと家の管理を
してくれない気がします。

さて、いかがなものでしょうか?

#長寿命住宅 #住み継がれる家 #住宅を消費しない

登録特典として、小冊子をpdfでプレゼント
+知って得するメルマガを毎日配信

メルマガ

メルマガに登録する

この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

Xアイコン facebookアイコン Instagramアイコン

国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー