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暖かくすると医療費は下がる?

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は事務所の日。
セミナー告知の準備や
溜まっているタスクを
淡々とこなしていきます。

なぜか最近新規の相談予約が
増えてきており、私の
予約状況がこんな感じに
↓     ↓
%url13%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2023/02/44d8a819b595fde997d1838174b3e988.png}

GW、休みたいですと
なかなか言い出しにくい、、、

ちっとも予約が取れないじゃないか
と怒らないでくださいませ。
すみません。

さて、本日の話題は、
また怒られるかもしれないけど
断熱と医療費、という点に
触れてみたいと思います。

温熱を重視する実務者の中では
恐らく一番有名な研究と論文が、
2011年に近畿大学の岩前先生が
発表された、断熱をすると
医療費が下がるよというもの。
↓     ↓
%url1%{https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/76/666/76_666_735/_article/-char/ja/}

高断熱住宅の普及に一石を投じた
物になります。
もう12年も経つのですね。

社会的なNEB(ノン・エネルギー・ベネフィット)
も含めると、断熱をすることは
11年で元が取れるという
結論は断熱を重視する
住宅実務者を大いに鼓舞しました。

その研究を受け継いだのが、
同じく近畿大学の藤田先生。

2年前の論文になりますが、
住宅内の温度環境による
医療費削減の効果測定と、
断熱に掛かる初期コストや
その後の光熱費、医療費
という観点から見た際の
最適な断熱レベルについて
言及されておられます。
↓     ↓
%url2%{https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/85/768/85_159/_article/-char/ja/}

これらの論文にある計算式を
元に、ちょっと医療費だけを
抜き出して計算してました。

WHOが推奨する18℃の
場合の医療費と、
日本で最も寒い香川県の室内
13℃の場合の医療費。

1人の日本人が一生
日本で暮らした場合の
平均的な医療費の違いは
↓     ↓
%url3%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2023/02/9df6214f29449d53d734231e14351243.png}

毎年100万人が生まれ
100万人が死んでいきます。

この先100年で
1億人が日本で生まれて死ぬとして
約400兆円くらいの金額になる。

医療費の内訳を見てもらうと
気づく事があるかと思います。

医療にお金が掛かるのは、
圧倒的に老人。
その次に子ども達。
実は20歳~59歳までの
世代というのは、
比較的元気な為、
医療費削減の恩恵は
受けにくいものになります。

断熱をすると医療費が減る。
正確には暖かい環境にすると
医療費が減るという事ですが、
結局断熱が薄い家だと、
暖かくするのにびっくりするような
暖房費が掛かってしまう為、
「寒くても我慢」するので
健康に良くないという事です。

だから、断熱をすると医療費が
下がるというのは、間接的に
正しい事になる訳ですね。

そして、藤田先生の論文には
初期費用、ランニングコスト、
生涯の医療費(社会負担も)
全てを考慮して考えた場合、
床断熱ではUA値0.4~0.5
基礎断熱はUA値0.36~0.4
というのが最も経済的な
家になるというまとめが。

これも30年でのシミュレート。
もっと長い期間で計算すると
最も経済的な性能数値は
更に小さな数字になります。

日本の医療制度の場合、
子育て世代の夫婦が、
医療費で悩むという事は
あまり無いかと思います。

だから、断熱性能を上げて
医療費を下げると聞いても、
ピンとこないことが多い。

しかし、老人集団自決発言など、
今の高齢者世代を支える為に
間接的に子育て世代が負う
負担というのは非常に大きい。

30代の人たちよりも5~6倍の
医療費がかかるのが、60歳以上。

エネルギーコストを抑えつつ
暖かい室内で過ごしてもらう
という事は、結局私たちの
暮らしを少し楽にしてくれます。

また、私たちが60以上になった時
子ども達世代から、
「まだ自決しないの?」
と言われない為にも、
老人世代が下の世代の
負担にならないような
世の中を今から作っておかねば。

30代の人が、今だけカネだけ自分だけ
の考え方で家を建てるのであれば
まあ、好きな性能の家を
建てておけば良いかと思います。

しかし、世の中を少しでも
良くしようとするのであれば、
やっぱり等級6以上の建物を
建てる必要があるんですね。

等級4や5で十分と
言っている作り手や住まい手は
自分が働けなくなったら
集団自決をするつもりで
おられるのでしょうか?

それであれば、私には
何も言う権利はありません。
私にはそこまでの覚悟は無い。

私も含め、全ての人が、
つつがなく一生を終えられる。
その為に必要な性能の家を
提供していけたらと思ってます。

この社会に生きる全ての人は
社会に影響を与え合っています。
社会がプラスになる方向の
商品やサービスを提供する人も
いれば、社会がマイナスになる
方向の商品やサービスを提供する
人もいます。

麻薬を売る人がいたら、
それは社会に対してマイナスの
影響だと誰もが分かります。

じゃあ、児童労働でできた商品は?
これもマイナスだと想像しやすい。

食べ放題のビジネスモデルは?
これはちょっと分かりにくいですが、
私は出来るだけ食べ放題飲み放題
というサービスを使わないように
心がけております。

「元を取る」と考えてしまうと
本当に評価すべき味などの項目が
ぼやけてしまいます。

適正に対価を払う姿勢じゃないと
相手も良い物を出してくれません。

食べ放題飲み放題が蔓延すると
社会の飲食店の質は下がります。

話が横に逸れましたが、
社会が良くなる商品を提供し
社会が良くなる消費を選択する。

これは意外と難しい問題です。
相当意識しないと、すぐに
安きに流れてしまいます。

安い物を作ることは社会貢献。
そういう考え方が良い物だと
勘違いしてこの50年を過ごして
きた結果、日本人は凄く貧しく
なってしまいました。

昔は人口が増えていたから、
安い物を作ることによる弊害より
人口増の恩恵が大きく、
国は豊かになってきました。

しかし、もうそんな時代じゃない。
沢山作ることはもう求められてない。
より良質な物を厳選して、世の中に
提供していかなければなりません。

だから、長い目で見て最も
経済的な家を少しずつ
作らなければなりません。

そういう家を買えない人は
どうすればいいのか?

と言われることもありますが、
そこは仕方がありません。

子どもたち世代がそういう家を
買えるようにしてあげる。
自分たちは踏み台で在るべき。

子ども達が既に大きいのであれば
直接援助するお金を残しておく。

子ども達が小さいのであれば、
そういう家を選べるような
収入がある状態を作ってあげる。

つまり、良い教育を施す事。

様々な物を見せてあげる。
経験、体験をさせてあげる。
好奇心を掻き立ててあげる。
世の中の事を教えてあげる。
勉強も出来たほうがいい。

教育に対するリターンは、
無限大の可能性があります。

医療費から、随分と話が
横に逸れてしまいました。

是非、あなたの為にも、
子ども達の為にも、
そして社会の為にも、
暖かい家を建ててくださいませ。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー