凰建設の森です。
本日は、イベント日。
1985省エネミーティングの
集まりになります。
1年に1回のスポーツ交流。
私も勉強会などはあまり
出られておりませんが、
この日だけは出来るだけ
参加するようにしてます。
身体を動かすのはいい事ですので。
と思ってたら少し足を挫きました。
おじさんのサッカーはケガだらけです。
私はまだ軽い方。
さて、本日の話題は、
使い古されたテーマですが、
間取りを無料で描く事について
私の見解をお話しできればと。
世の中には、間取りを描くのが
有料の建築会社さんと、
無料の建築会社さんがあります。
え、そんなんだったら無料で
描いてくれた方がいいじゃない。
と思う人もいるかと思います。
それで良いならそれでいいと
私も思います。
注文住宅を建てるに当たって、
間取りを考えるというのは、
最もワクワクする時間ですからね。
少し間取りから離れて、
世の中にある、無料と有料の
サービスの違いについて
考えてみたいと思います。
例えば音楽。
YouTubeなどで、流行りの曲
みたいなものを検索すると、
無料でPVが見れたり、
BGMとして聞けたりします。
じゃあ、もう音楽を買う事は
しなくてもいいじゃない。
それで満足できる人は、
それでいいんです。
しかし、音楽の世界観にしっかりと
浸りたい人にとっては、
音楽の合間合間に入る、
CMというのがものすごいノイズに。
鬱陶しいな、CMが、、
と思った人は、月額数百円で
音楽が聴きたい放題に。
無料のサービスでは満足できない
人にとっては、有料のサービスに
課金するだけの価値がある。
漫画も同じですね。
無料の漫画アプリというのがある。
1日に少しずつ読ませてもらえる。
それで満足できる人はそれでいい。
しかし、過去にさかのぼって、
話の流れを確認したりするのは
とても不便だったりします。
それで満足できない人は、
単行本を買ったりします。
単行本を買う人は、買うだけの
価値を見出している。
間取りもそれと同じです。
無料の間取りで満足出来れば
それでいいんです。
但し、音楽であれ漫画であれ
間取りであれ、無料で提供できる
物には、意図的に足りないものが
仕組まれています。
それを補うんだったら課金してねと。
無料でできる間取りに足りないもの?
分かりますでしょうか。
設計者の技量や経験になります。
漫画家だって、技術も経験も実績も
無い内は、とにかく自分の存在を
人に知ってもらうためにSNSに投稿したり
全話無料で公開したりします。
ミュージシャンだって、メジャーを
夢見て駅前で無料で歌ったりします。
YouTubeで無料で動画を公開したりも。
構造、断熱、耐久性、デザイン、
全てを求めるバランスで実現する
建築デザインをするためには、
人に対する学びの投資が不可欠。
私だって16歳の時から間取りを描く
勉強をして今に至っております。
初めて自分の描いた間取りの家が
この世に建ったのが25歳の時です。
それまではひたすら勉強勉強。
しかし、建築ではない事を学び
建築会社に営業マンとして入社すると
何も知らない1年目から間取りを
自分で描く事になります。
企業として、そんな人材に書かせる
間取りを有料にしたら何が起こるか。
大変なクレームの嵐です。
例え変な間取りが
出てきたとしても無料ですよ?
文句の言いようがないですよね?
こちらも営業マンの勉強の為に
やっている事ですからWin-Win
という事でお願いしますね。
という状態を作っているわけです。
しっかり建築の勉強をした人に
デザインをさせるのはお金が掛かる。
企業としては上手いリスク管理です。
もし、有名な設計者さんが、
無料で間取りを描きますと
やったらどうなるか。
簡単に想像がつくかと思いますが、
人が殺到してさばききれない。
昔、弊社は間取りを描く為には
10万円の申込金が必要でした。
しかし、少し知名度が上がると、
記念受験みたいな感じで、弊社に
間取りを依頼してくる人が増え、
さばききれなくなってしまいました。
という事で、弊社の申込金は、
弊社で家を建てると決めた人じゃないと
払う気が起きないようなものに
値上げをしてきたわけですね。
これ、分かりますでしょうか。
弊社の設計に対しての価格は、
ある程度市場のお客様の価値観が
反映されて決まっているんです。
今、私が間取りを無料で。
と言ったとしたら、本気で
弊社で家を建てようとする人に
多大な迷惑が掛かる事になり、
誰も幸せになりません。
駆け出しの設計者さんが、
無料間取りをやるのを
否定はしませんが、
その人が10年後も無料で
間取りを描かないといけない
状況にあるとしたら、
それは市場がその設計者の
価値をそういうものだという
烙印を押したという事です。
量産メーカーが無料間取りを
やるのは、先ほども言った通り、
あなたの間取りを無料で描く事で
営業マンの社内研修もやるため。
あなたの貴重な時間を使って
間取りの練習をしているからです。
もし、あなたが潤沢な予算を持って
メーカーに行ったとしたら、
営業マンが間取りを描くなんて言う
事は起こらない可能性がある。
HPの施工事例に載せるために、
腕利きの設計者を連れてきます。
業界内はそんな事情や力学で
間取りが無料か有料かが
決まっていたりします。
もし、あなたが無料の間取りで
全然いいじゃないかと思えたら
それでもいいと思う。
私は音楽に造詣が深い訳では
ありませんので、無料で広告が
入ったとしても不快じゃない。
言い換えれば、私は音楽に対し
違いが判るレベルに無いわけです。
もし、あなたが無料の間取りで
大満足という事であれば、
無料と有料の間取りの違いが
分かるレベルに無いという事。
音楽と違って、間取りで怖いのは
それが安全性や快適性に
繋がってしまうことになります。
また建築デザインじゃなく
「間取り」を考える時点で、
立体的に考えられていない事が
殆どになります。
上下の繋がりやファサードデザイン
そういう事を無視して部屋だけを
配置していくことを間取りという。
それが住宅建築における
無料間取りで足りていない部分。
日本はこの80年弱、家が足りない
という前提で、誰でも間取りを
書いていいという政策でやってきた。
だから無料間取りのビジネスモデルも
普通にあるし、それが不思議だとは
誰も思いません。
そういう社会の事情まで踏まえて、
俺は無料間取りでいいんだ。
と思えるのであれば、私は
それでもいいのではないかと思う。
ただ、無料間取りであろうが、
耐震等級3と断熱等級6以上は
必ず確保してほしいと思います。
出来れば構造は許容応力度計算で。
断熱は仕様規定でもいいかもしれない。
あと、気密実績のない会社であれば
気密測定は必須でやってもらって。
量産メーカーの営業であれば、
入社して10年経っても20年経っても、
無料の間取りを描いてくれる。
20年経っても構造や断熱、パッシブ
デザインの勉強をしませんので、
無料のレベルの間取りしか書けない。
という事になります。
駆け出しの設計者さんであれば、
そのうち無料間取りはやらなくなる。
無料間取りを頼むなら、
まだ後者の人の方が安心感がある。
ベテランの設計事務所などで、
無料間取りをやっている所が
あるとしたら、それがその事務所の
市場からの評価になります。
まあ、あんまり無いと思うけど。
参考にしていただければと思います。
