凰建設の森です。
本日は新築の打ち合わせ。
大きな母屋の建て替えです。
最近は核家族化も進み、
田舎の大きな母屋の建て替えは
とってもとっても小さくなる
事が多いです。
その分敷地は沢山余る。
植栽や外構をどうするかというのが
楽しくも悩ましい事になります。
どうなるか、私も楽しみです。
さて、本日の話題は、
断熱を強化しようと思ったら
窓が先か、外皮が先か?
という、よく聞かれる問題です。
同じUA値0.46を目指す際に、
ペアガラスにして外皮や屋根を
強化する方が良いのか、
トリプルガラスにしてU値の
凸凹を少なくする方がいいのか。
どっちがいいんだろうと悩んだことの
ある住まい手も作り手もいるかと思います。
これ、答えを言いますと、
「言い切る人がいたら危険」
になります。
なぜならば、どちらを優先して
強化したとしても、それに伴う
メリットデメリットと、
そのデメリットの回避方法が
あるからになります。
空調設計講座では、家全体の
空調設計のほかに、
個別の部屋の空調設計をしましょう
というカリキュラムと演習があります。
なぜかというと、上記のような悩みに
どう対処したらよいかを探るためです。
ペアガラスにして、その他の外皮で
強化した家に住むと、多くの場合で
1階のリビングの夜間がやたらと冷える
という現象が起こります。
家の最も大きな窓は1階のリビングに
あることが多く、そこが集中的に
家の断熱的弱点になっているので、
冬季の夜間にリビングだけが良く冷える。
そこで、ダクト式天井吹き出しの
エアコンなどを用いたとしても、
1階のリビングの足元だけが寒い
という状況が起きやすくなる。
そういう家の計画の場合は、冷気の
入り口であるリビングの大きな窓の
足元や床下に入ってくる冷気を
丁度打ち消せる熱源を配置することが
重要になってきます。
逆に、トリプルガラスで外皮を薄く
断熱した家であれば家の中は
ペアガラスの家に比べればまんべんなく
冷えやすいという事が起こります。
家中にまんべんなく暖気を配る計画が
出来ていれば非常に快適なのですが、
そうじゃなければ暖房設置室だけ
十分すぎるほど暖かく、そのほかの部屋が
うーん、もうちょっと暖かくしたい。
という状況になりやすい。
その家の状況に合わせて暑さ寒さを
取り除く計画をしてあげるのが空調です。
どちらを先に強化しても良いのですが、
その先の空調方式まで考えて、設計する
というのが重要になってきます。
実際弊社の建物でも、ペアガラスだけど
付加断熱有りという建物もありますし、
トリプルガラスにして付加断熱なしという
建物も存在します。
もうちょっと突っ込んで話すなら、
その家の日射取得がどれくらい
期待できるのかによって、
最適解が変わってきたりします。
充分に有利な日射取得条件の家なら
ペアガラス+付加断熱なしの方が
トリプル+付加断熱なしの同じ
UA値の家よりも年間暖房費が
下がるという事も起きたりします。
また、ペアガラスとトリプルガラスで
決定的に違うのが「対結露性能」です。
どんな温湿度環境で暮らしたいのか
によってはそもそもペアガラスが
向いていないという結論になる事も
あったりしますので、サッシの
ガラスエッジ部分の熱橋解析と
結露シミュレーションをやってもらえる
建築会社を探していただけると
良いのではと思います。
とはいえ、ですね。
そもそもUA値0.46前後の家なら
ありとあらゆる予算を全部断熱に
つぎ込んで断熱強化をした方が、
住んでからの満足度は高くなる。
どちらから強化をしていただいても
構いませんが、やっぱりUA値で言うと
0.34前後くらいまで高めてから、
その先の事を悩んでいただきたいところ。
(6地域の場合ですね)
まずは断熱強化、そしてその家に
合わせた空調計画を心掛けて
頂ければと思います。
参考にしてくださいませ。
