凰建設の森です。
今日、すごい雨でしたね。
こんな日に限って?
お出かけの予定でした。
雨で渋滞。すわ遅刻か。
というところでしたが、
何とかセーフ。
最近、事務所から見て
南東の方角に縁が
あるみたいで、
南東方向へのお出かけが
増えてきております。
さて、本日の話ですが、
昨日の補足?続き?的な
感じかもしれません。
私が情報を得る手段として
論文を読むというのがある。
とお伝えしました。
論文で書いてあることは、
10年後の市場に反映される。
例えばいつも紹介するこちら
↓ ↓
%url1%{https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/76/666/76_666_735/_pdf/-char/ja}
暖かい家に住むと健康になる。
2010年に発表されたものです。
当時、G1もG2も、UA値という
概念すらなく、暖かい家の定義は
今でいう等級4の家でした。
健康の改善効果がすごくあるよ
という事で、次第に等級4が
普及してきました。
今はもう、どの建築会社でも
やっているくらいに当然の
性能になってきております。
こんな感じで、論文で出たことは
10年後のスタンダードに。
じゃあ、今の論文を見ると、
10年後が分かるのか?
私はそう思います。
そして、それが今日のタイトル
「無念だろうなあ」につながる。
昨年、一つの論文が出ました。
先ほど紹介した、暖かい家は
健康になる。そして、
断熱の投資回収は16年という
論文の続き的なやつです。
↓ ↓
%url2%{https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/85/768/85_159/_pdf/-char/ja}
読むのは大変なので、
全部読まなくていいです。
その代わり、最後のまとめだけ
良かったら確認してみてほしい。
結論として書かれているのは
現状、最も経済的な断熱性能は
基礎断熱でUA値0.36~0.4
床断熱でUA値0.4~0.5である。
しかし、今後は断熱技術の
普及により初期投資が下がるので
最適なUA値は次第に下がるだろう。
ということです。
実はこれ、近畿大学の研究者さんと
あるハウスメーカーの研究者さんが
合同で研究した論文です。
2021年現在、そのハウスメーカーの
住宅展示場に行って、
営業に話を聞いたとしても、
そんなことを言う人は誰もいません。
HPにはUA値0.6って書いてある。
それ以上断熱を上げようとすると、
そんなに要らないと言われる。。。
彼らの研究はもうすでに上層部に
上げられているでしょう。
社内でこれから、住宅のマーケットが、
医療費なども含めた生涯コストに
魅力を感じるのかどうかという
市場調査がなされると思います。
市場の受け皿がない商品を
発売したって売れないですから。
その後、商品開発です。
今までの性能をどうやって
上げるのが良いのかという
検討がなされるはず。
商品化が出来たら今度は
社内への通達です。
パンフレットを作ったり、
今までの営業マニュアルを
刷新したり、
過去のお客様に対して、
当時はなぜその断熱で
売っていたのかという
言い訳の資料を作ったり。
そうこうしているうちに
何年も時間が経ってしまい、
結局論文の成果が、家の
性能アップという形でユーザーに
届くのは10年くらい先に。
どう思います?
同じハウスメーカー内でも、
研究部門にいる人は、
現行商品が住まい手にとって
最適解ではない事を
知っている。
だけど、現場では最適じゃないと
分かっている説明が
住まい手に対してなされてる。
自分たちの成果が世に出るのは
随分と先なんだけど、
世に出るころには最適解じゃ
無いこともまた分かっている。
それどころかですね。
自分たちの研究成果を、
私みたいな社外の
泥棒猫みたいなやつが、
さっと掻っ攫って、
自社の仕様を
しれっと更新している。
そりゃあ、無念だろうなあ。
自分が研究者さんだったら、
「お前の為の研究じゃねえ!」
って、言いたくなるはず。
無念だろうなあ。
ハウスメーカーを悪く言う人は
工務店業界でも一定数いますが、
研究者さんたちはまた別格。
その知識量はものすごいです。
有名な大学の先生も、実は、
ハウスメーカーやゼネコンの、
研究部門出身という人は多い。
今回の論文のように、めちゃくちゃ
有益な事を沢山やってくれてる。
だけど、それが旬な状態で
住まい手の元に届かない。
研究者として無念だろうなあ。
もう一つ、住まい手さん。
この流れからすると、近い将来
このハウスメーカーの断熱仕様が
UA値0.4前後になるだろうと
いう事は誰でも想像できます。
もし、そうならなければ、
研究開発部門なんて、おいている
意味が全くないですからね。
この文章を読んでいるあなたは
このメーカーの将来の断熱性能の
スタンダードを知っている。
でも、住宅展示場にしか行かず、
そのハウスメーカーの営業から
話を聞いた人は、現行モデルの
断熱性能で十分だと思うはず。
自分が建てた数年後に、
ハウスメーカーの断熱性能が
じわじわ上がって「これが最適」
って宣伝されると、
私は最適じゃないのか?
って思いますよね。
しかも、自分が建てた時には既に
自分の仕様が最適じゃない事が
分かってたと、後で知ったら、
「なんで売ったの?」って
思いますよね。
無念だろうなあ。
問い詰めたとしても、出てくるのは
準備万端で用意された、
例の言い訳資料になります。
将来を先読みしていくことの重要性
関係する論文を読むことの重要性
分かっていただけましたでしょうか。
ちなみに、どのハウスメーカー?
気になりますよね。
↓ ↓
%url3%{https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/85/768/85_159/_article/-char/ja/}
お名前にカーソルを当てていただくと
研究者さんの属性が分かります。
彼らの研究は素晴らしい。
それだけに、本当に惜しいなぁ。
