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強いLow-Eを使わない理由?

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は学校の日。
夏休みが明けて、
また秋まで金曜日の
学校の授業が始まります。

今日は人間がエネルギーを
利用してきた歴史の中から
暮らしに関するものを
抜き出したお話。

火(熱)が私たちの暮らしに
如何に欠かせないかという
事を考えていただく回です。

その熱の生み出し方がどう
変遷してきたのか。今後
どうなっていくのかを知る。

原理原則から理解することで、
今後出てくるであろう様々な
世の中の設備機器を自分の目で
評価できるようになって欲しい。

上手く伝わってくれると
良いなと思います。

さて、本日の話題ですが、
窓ガラスのお話になります。
Low-Eガラスという、太陽光を
反射させる機能が強化された
ガラスがあります。

あります、というよりも、
今新築をされる方はほぼ100%
Low-Eガラスになるかと思います。

断熱性、遮熱性に優れたガラス。
使わない手はないと思います。

また、Low-Eにも色々な種類が
あります。窓のどこにLow-E膜が
設置されるか、どの程度強力な
膜が貼られるのか。

ペアガラスの室内側ガラスに
施工されていれば断熱型、
外側に施工されていれば遮熱型
と呼ばれたりします。

また、強力な遮蔽効果を求めると
金属の割合が多くなりますので、
ガラスが緑やブロンズ、青く
見えたりします。

例えば、一番弱い断熱タイプの
Low-Eガラスは、日射を通す
割合は50%程度になります。

一番強い遮熱タイプのLow-Eは
35%程度になります。

ガラスに1000W程度の日射が
入った時に、全社は500Wの熱が
家に入るのに対して、後者は350W。
家に入ってくる熱が減るので、
冷房の効きが良くなるという事に。

夏がどんどん暑くなることが
予想される中、強力なLow-E膜を
使ったガラスが持て囃されることが
予想されます。

しかし、私としては、実はあまり
強力なLow-Eをお勧めしておりません。

理由は色々ありますが、まずは
日射取得の調整はガラスの仕事では
無いと思っているのが一つです。

例えば、最も強力に日射を
カットできるトリプルガラスの
ダブルLow-Eの窓であっても、
取得率は30%程度残ります。

窓の外にすだれを付けると、
日射取得率はそれだけで20%に。

ガラスで頑張るよりも
遮蔽部材を付けたほうが、
日射を遮る効果が高いんです。

遮蔽効果は掛け算で効いてくるので
すだれに高性能Low-Eだと
20%×30%=6%程度しか
家の中に熱を入れなくすることも可能。

1000Wの熱が60Wまで下がる。
電子レンジ級の熱量が、白熱灯の
熱量まで絞られるんですね。

という事で、日射取得の調整は
外付けのブラインド等でやるのが
優先だというのが一つです。

次に、冬の話になります。
夏は入れたくないのが日射。
だけど冬は入ってほしい。

特に南側の大開口窓などは、
上手く設計すれば、それだけで
暖房要らずになるくらいの
熱を取り入れてくれる。

南側はとにかく熱が入ってほしい。
日射取得率の数字はとにかく
高くあってほしいんですね。

そして最後が、景色です。
その昔、複層ガラスが
世に登場した時に、
一部の建築家さんから、
非常に不評を買いました。

何故かというと、
景色がにじむから。

例えば、トリプルガラスに
照明器具の光源が反射すると

分かりますでしょうか。
光が3つ重なって見えるのが。

これが美しくないという事で
複層ガラスが毛嫌いされ、
単板ガラスの性能を上げて
なんとかしようという
事をやっていた時期があった。

勿論、すぐに限界が来るので
あまり現実的な案では
なかったのですが。

そして、Low-Eの膜が
強力になればなるほど、
ガラスから見える景色に
色が付いてきます。

自然の景色が、自然な色で
見えないじゃないか。
こんなもの、窓と呼べるか。

窓を開けて写真を撮ってみると
色の違いがよく分かります。

東西にとても良い景色が見える。
そこを是非切り取りたい。

そういう時には、なるべく
自然の色が映えるガラスを
つかってあげたい。

だから、あまり強い色の
付いたLow-Eを使わず、
日射遮蔽の部材を
使う事で、性能と景色を
両立させていきたい。

そう思っております。
性能、というふわっとした
言い方をしましたが、
勿論、性能を論ずるときは
きちんと数字を伴って。

日射取得率が何%違えば
家の中の温度が何℃違って
その結果暮らしがどうなるか。

きちんと分かったうえで、
使い分けてくれる設計者さんを
探していただければと。

参考にしてくださいませ。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー