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学生さんの未来

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日学校最終日。
本年度の授業は
全て終わりです。

6月から10月まで
今年もやり切りました。

授業のテーマは
エネルギーになりますが
授業の最後は社会に
出る前の心構えについて。

学校では弊社がやっている
レベルの断熱気密や設備の
事についてお話をします。

で、学生さんが来年就職して
家づくりの現場に行った時に、
何が起きるかというと、
ええ、学校で習ったものと
全然違う施工が行われてる、、、

という現実と直面することに。

学校ではちゃんと気密を
取るように、穴を開けたら
塞ぐようにと教えてますが、
いざ、社会に出ると、
そんな事は誰もやっていなかったり。

習った事と違うんですが、、
って先輩に聞くと、

学校で習った事なんて
役にたたないから大丈夫。
あんなことやってたら
仕事なんて進まないから。
一から俺が教えてやるからよ!

みたいな感じで言われます。

そんなもんかと思いつつも、
折角覚えた丁寧な断熱気密施工は
忘れ去られて、スピード重視の
適当施工に矯正されてしまいます。

実際に、断熱気密をやっていない
建物の方が多く扱う事になるので、
やっぱりこれでいいんだとなる。

なんてったって、まだまだ
断熱住宅の方がマイノリティ。

散々教壇で話してきた断熱等級567も
制定されたのはまだ去年の話。

そうじゃない家を作っている
建築会社の方が圧倒的に多い。

日本で家が不足していたのは
1990年くらいまでです。

1990年前後に定年退職をした
建築技術者さん達は、戦後の
住宅不足と戦ってきた世代。
数を作ることが社会正義だった時代。

住宅の質を落としてでも、
量を供給しなければ、屋根の
あるところで寝られない人が
出てきかねない時代でした。

1990年に60歳だとしたら、
今は93歳くらいの方々ですね。

1990年以降は、本当は質を高める
方向にシフトしなくてはならなかった。
しかし、そうはならずに今に至る。

1990年から今に至るまでに、
業界で働いている建築技術者は、
数を作ることが正義だった時代の
名残を惰性で生きてきた世代です。
私もそこに含まれます。

社会の大きなシフトチェンジがなされず
ひたすら低質な住宅を量産した結果、
かつて住宅不足と戦った住宅業界は
空き家問題という別の社会問題を
生み出すことになりました。

遅きに失する感はありますが、
いよいよ空き家問題を解決すべく
住宅の高品質化に舵を切り始めたのが
まだここ数年の話になります。

住宅不足の時代を担った人から
教えを受けた世代が、我々や、
もう少し上の世代になります。

丁度、会社の社長さんクラスの
人たちはそんな世代ですね。

社会の事に目を向けて仕事を
している人ばかりではない。
2023現在でも、新築を沢山
供給することが社会の為だと
思ってしまっている人も
少なくありません。

自分がそうやって教わったから。

だから、新しく会社に入ってくる
若い子たちにも、数をこなすことを
是として色々な事を教える。

質より量、他の人よりもとにかく
沢山の仕事をこなす奴が偉い。

朝から晩まで働いて次の日の
段取りをして、家に帰って
6時間程度寝られりゃ充分。
そうやって仕事を覚えていくんだ。

その価値観で新人を受け入れると、
学校で教えたことは邪魔になる。

そうして、私や他の先生が教えた
今後求められる断熱気密技術は
使われることなく忘れ去られていく。

っていう事が、本当に起きるんです。

岐阜県はまだマシ。県立の建築専門学校が
しっかりしているから、高性能住宅の
若葉たちがどんどん育っていく。

実際他の県と比べても岐阜県の家づくりは
レベルが高いと言えるかと思います。

それでも、高性能住宅の方がマイノリティ。
学生さんが覚えたことを
忘れさせようとする会社もある。

いいかい君たち。就職するとそういう
状況になるんだけど、是非負けないで。
一時は長い物に巻かれるのも必要悪。

でも、君たちが現場の先頭に立つ頃には
高性能住宅の方が多数派になる。
その時まで断熱気密技術を忘れないで
過ごして欲しい。

と伝えるのが最後の授業になります。

あなたの会社で、新入社員が、教科書に
書いてる通りの正論を学んできて、
先輩、そのやり方は乱暴で間違ってます。
みたいな事を言ってきたとしたら、

イラっとしますよね。
いいからまず仕事覚えてくれと。

そういう外部からの圧力や
プレッシャーに負けずに
一事業者として、丁寧な仕事を
心がけられる人間になってほしい。

そう、願っています。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー