これまでお届けしてきたお役立ち情報や業界のリアルなお話を振返りでご覧いただけます。最新のメールマガジンは申込後に購読が可能です。

結局気密はどうなの?

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は完成検査の日。

先週内覧会をさせていただいた
家の完成検査になります。

物凄く沢山の人に見ていただいたし
動画にも納めさせていただく予定。

素敵な空間になりましたので、
是非見ていただけたらと思います。

建築知識ビルダーズさんから、
今までの特集記事をまとめた本を
作るために、原稿のチェックを
という依頼がありました。

私が携わらせていただいたのは、
断熱や気密、空調といった所。

当時見逃していた誤字脱字や、
分かりにくいとご指摘をいただいた
箇所を訂正させていただきました。

断熱気密換気空調とありますが、
これからそれらに取り組むよ
という建築会社さんに対しては

①気密
②断熱
③換気
④空調

の順番に修めていく事を
お勧めしております。

逆からやっていくと、
成長途中でお施主様に
色んな迷惑を掛けます。

きちんと気密が取れる事と
きちんと断熱が出来るように
なることは、ほぼ同時進行で。

気密断熱の自身が付いたら、
換気計画を勉強してみる。

そこまでやれたら、最後に
空調について勉強しましょうね。

みたいな感じでしょうか。

雑誌の記事だと、その4つは
全部同列で並べられるので、
最も手っ取り早そうな空調から
手を付けてしまう人もいますが、
気密断熱が基本に無いとダメ。

で、気密性能について、
つくり手も住まい手も、
様々な意見の方がいます。

C値2.0が良いという人もいれば
C値0.1を目指さなきゃという
人もおられたりします。

2.0と0.1で比べると、
そんなに大した違いが無いように
見えてしまいますよね。

特に数字に慣れていない人だと。

C値は隙間の絶対値を、
C値計算用の床面積で
割った数字になります。

だから、絶対値の方を
見てみると、もう少し
違いがあるように見えるはず。

C値0.1のαAが20cm2だとします。
家中の隙間を集めると、4.5cm角の
穴になるという感じですね。

それがC値2.0だとαAは400cm2。
20cm角の穴になります。

人間の頭が入る位の大きさまで
隙間が増えるという事ですね。

当然、その二つの家が同じ
住み心地である訳もなく、
C値が悪いほど、換気計画で
意図した給気個所ではない部分から
「漏気」する空気が増える訳ですね。

窓部分からの漏気であれば、
窓が冷えますので窓の結露を
誘発することになりますし、
外皮からの漏気であれば、
冬の壁体内結露を起こしたり、
夏は潜熱負荷の増大を招く。

C値1.0程度で、給気口から
きちんと入ってきてくれる
割合は50%程度になります。

きちんと列に並んでくれる人が
半分で、横入りしようとする人が
半分みたいな感じでイメージすると
分かりやすいかと思います。

横入りする人が半分もいたら、
行列は殆ど機能していない。
って、日本人である私たちは
思ってしまいますよね。

半分はいう事を聞いてくれると
ポジティブに捉えるのか。
半分しかいう事を聞かないと
悲観的に捉えるのか。

特に第三種換気で、給気部分に
暖冷房を組み合わせるやり方だと
換気による暖冷房負荷が100%
処理できていないというのは、
家の快適性に直結します。

冬だったら家の中で寒い所が
あるという事になりますし、
夏だったら思ったように湿度が
下がりきらないという事になる。

よく言われる事ですが、
第一種換気であれば、
漏気は起こりにくいので
C値はそこまで良くなくてもいい。
第三種換気であれば、
漏気の影響は大きいので、
C値はこだわるべき。

それはその通りなのですが、
第一種だからと言って、
漏気を許容する認識で設計施工を
すると、せっかくの高価な換気が
100%の効果を生み出していない
という事になってしまいます。

それではもったいないですよね。

だから、やっぱり気密は、
突き詰めて行った方が良いと
私は考えております。

弊社、気密ラインを4重で取ります。
室内、構造体、体力面材、付加断熱。
そこまでやらなくても気密は取れる。

なぜそこまでやるかというと、
50年後でも極力性能を低下させぬ様に
したいからですね。

弊社、パッシブ換気をよくやります。
普通の換気扇が生む圧力よりも、
半分以下の圧力で空気を換気させる。

第三種よりももっと繊細な気密が
求められるために、そこまで拘る。

パッシブ換気にしますと、
断熱と換気が50年後でも
そのまま使えるんです。
じゃあ、気密も50年後に
使えるようにしておいたら
生涯コストは随分安く
納まるんじゃない?

という事ですね。

家を建てる際、一生ものと
そうじゃないものがあります。

地盤、基礎、構造、断熱、気密、
これは家のライフサイクルを通して
初期段階のものがずっと使える。

内外装設備等々は一生ものじゃない。
一生ものじゃない所は、あまり
こだわっておりません。

だから、無垢床もマストじゃないし、
どうしても使いたいと言われれば、
ランニングコストを説明したうえで
サイディングだって採用OKです。

その代わりに、一生ものになるところは
これでもかとやるのが弊社の家づくり。

雑誌の寄稿には、C値は1.0を切るのを
目安にしましょうねと書きます。

しかし、自社の気密測定で、
C値1.0なんて出てしまったら、
発狂してやり直しという事に。

ダブルスタンダードに見えるかも
しれませんが、それは作った家を
何年先にまで届けたいのかという
思いの違いが生む基準の違いです。

家の耐久性が50年程度でいいと
思うのであれば、C値1.0でも
いいのかもしれない。

耐震等級3の取れない家で、
最初のC値が0.1を取ってみても、
細かい地震であっという間に
C値は落ちていくから、
低性能な家で高気密だけやっても
意味がないというのもあります。

同じ様に付加断熱の無い家で0.1でも
木材の収縮が激しくなりますので、
やっぱりC値の劣化は早くなります。

最初の数字さえ良ければ、
後はなんでもいいや。
って考えている住まい手さんは
あまりいないかと思います。

だから、他の会社さんには
そこまで求めませんが、
弊社の目指すところというのは
家のライフサイクルを通して
最も少ない隙間で生活が
出来る家なので、C値は大事。

逆に言えば、低いC値に
こだわるのであれば、
耐震等級3も付加断熱も、
当たり前にやらないと
意味がないという事です。

等級3も付加断熱も
やらない家なのであれば、
C値1.0でもいいじゃない。

どうせすぐに隙間できるんだから。
と私は思います。

さて、あなたはどういう家づくりを
したいと思っているのか。
新築時のC値だけよければ
良いと思っているのか?
ずっと熱ロスの少ない快適な
家に住みたいと思っているのか。

それによって、C値も含めた
家づくり全体が決まります。

よくお考えになっていただければと。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる #設備より建築

登録特典として、小冊子をpdfでプレゼント
+知って得するメルマガを毎日配信

メルマガ

メルマガに登録する

この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

Xアイコン facebookアイコン Instagramアイコン

国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー