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高性能の信頼が揺らぎ始める

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は事務所の日。
空調講座は発表が近い。
終了証の準備などなど
色々やることもあります。

今週も後半にかけては
お出かけが続きます。
前半のうちに色々と
やっておかないと、、、

さて、本日の話題は、
住宅業界について。

住宅業界は来年の
大きな法律改正に向けて
色々とバタバタです。

法律が変わって、最低限の
品質のレベルが上がると、
元々最低限でやっていた人は
レベルを上げることに追われる。

元々最低限よりちょっといい
物を作っていた人は、最低限に
追いつかれてしまいますので、
最低限のレベルで戦うか、更に
高いレベルに上がって戦うかを
迫られています。

元々ハイエンドな家づくりを
している層は家づくり自体に
大きな変化はありませんが、
下のレベルから上がってくる
会社が出てくるので競合が
少し増えてくる感じになります。

5年前は耐震等級なんて
どうでもいいと言っていた会社が
今は耐震等級3を謳っていたり
断熱なんてどうでもいいと
言っていた会社が断熱等級7を
謳っていたりすることもあります。

また、少数ではありますが、
法改正自体に反発し続ける
建築会社もあります。

来年以降も、平屋の
気候風土適応住宅を
建て続けて法改正を
くぐり抜け続ける会社も
一定数あると思います。

資本主義社会は競争社会。
建築会社もなるべく競合の
少ない所で勝負したい。

かつ、自分の技術レベルで
勝てる所で勝負をしたい訳です。

断熱等級7、耐震等級3、
長期優良住宅認定取得。

という建物を打ち出すことは
そこまで難しい事では
ありません。

しかし、実際に中身の伴った
建物を建てる設計力や
施工力があるかどうかは別。

今までその辺の中学校の
部活レベルで遊んでいた
草サッカーのチームが、
いきなりJリーグで通用する
戦術を導入したとして、
監督が思う様に選手が
動いてくれるとは限らない。

というか無理です。

会社の技術力がそんな簡単に
上がるのであれば、とうの昔に
猫も杓子も最高レベルの家を
作っているはずなんですね。

同じ様に、社長が思うほど、
設計や施工のレベルというのは
簡単には上がっていかない。

何よりまずその社長さんが、
断熱等級7や耐震等級3を
きちんと理解していない事が多い。

今まで、断熱等級7や耐震等級3は
誰に言われるでもなく自発的に、
時間を掛けて取り組んできた会社が
殆どであった為、断熱しても寒いとか
夏にとんでもなく暑いとかは
そんなにありませんでした。
(ゼロではありませんが)

耐震等級3の家が地震で倒れた
というのも今のところは無い。

でも、会社の突然の方針転換に、
戸惑いながら、嫌々ながら、
設計施工をする断熱等級7や
耐震等級3は今後増えてくる。

物凄く心配しているのが、
断熱等級7の家を建てたはずなのに
寒いんですという例が増える事。

断熱材を一定以上入れて家を
作れば断熱等級7にはなります。

しかし、断熱材というのは、
施工が悪ければ性能が半分に
なってしまう事もあり得る。
↓     ↓
%url1%{https://www.decos.co.jp/wp-content/uploads/dannetu-hikaku.jpg}

気密が悪ければ局所的な
不快感を得て寒さが増す
という事も起きるんです。

断熱気密換気空調のミスの
当たり所が悪ければ、
等級7なのに寒いという家が
存在する可能性はある。

そして、そういう家の割合が
1%程度であれば断熱等級7が
暖かいという信頼は
あまり揺らがないでしょう。

しかし、その割合が10%を
越えたくらいから、
あれあれ、断熱等級7でも
無条件に信頼しちゃダメでは?

みたいな空気が出来てきます。

耐震等級や断熱等級が
しっかり確保された家に
資産価値を担保していきましょう
という国の方針が根底から
崩れてしまいかねない。

アメリカの中古車市場を指して
レモン市場と呼ぶ事があります。

中身が悪いのかどうなのかが
分かりにくい商品が並ぶ市場
という意味ですが、
今現在の日本の中古住宅は、
まさにレモン市場と言えます。

そのまま快適に住める家は
少数派で、殆どの家は、
何かしらの手を加えないと
なんともならないのが、
日本の中古住宅です。

断熱等級7の家が将来
そういう風に見られてしまうと
非常に残念。

自分でもよく分かっていないけど
とりあえず作った断熱等級7
(実際にはそこまで暖かくない)
を作る位なら、きちんと身の丈にあった
断熱等級5をしっかり作って
そのように表示をしてくれたほうが
将来の社会にとっては有難い。

希少金属の割合の低い通貨が流通し
希少金属の割合の高い従来の通貨の
価値を貶めてしまった故事から、
悪化が良貨を駆逐するという言葉が
生まれましたが、
断熱等級7も今はそんな瀬戸際に
立たされております。

もし、変な断熱等級7が普及すると、
断熱等級7にも更なる線引きや、
ブランディングが必要になります。

その昔、シャープのテレビでも、
亀山工場で作られたものは、
「世界の亀山モデル」
というブランドを付けられたように、
断熱等級7の家でも、
「この家は○○建設の初期モデルの
断熱等級7だから粗悪品の可能性が」
とか
「この家は○○工務店の○○年モデル
になるからほぼ品質は間違いない」
みたいなややこしい事になります。

美術品などではありませんので、
工業製品としてのラベリングが、
そんなに違うという事が起きるのは
どうしても避けたい。

断熱住宅鑑定士みたいな職業の
需要が生まれてしまうのは嫌だ。

今のところは各建設会社さんの
良心に委ねるしかないと思う。
断熱等級7になっている事を、
実際に補償しないといけない
というルールが無い以上仕方ない。

住まい手としては、
断熱をやっている歴史の
ある会社かどうか。
気密測定をやっているか。

みたいなところから、
にわか等級7の会社を
避けるくらいしかないと思う。

願わくば、商売として売れるから
だけじゃなくて、本気で暖かい
家を作るために断熱等級7を目指す
会社が大多数になってくれるといい。

もうこれは祈るしかないですけども。

#本質的な家づくり #快適は設計でつくる #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー