凰建設の森です。
本日は東京。
毎年呼んでいただいている
自律循環型住宅関東ゼミさん。
今年のテーマは、
空調の基礎を極める講座
の基礎編。
こちらの講座、面白い事に
最初に呼んでいただいた時以来、
毎年難易度を下げて行っております。
今回は、基礎の基礎。
という講演タイトル。
そのおかげか分かりませんが、
過去最高の募集があったそうで。
さて、本日の話題は、
空調換気の基礎とは程遠い、
パッシブ換気についてになります。
質問箱ですね。
↓ ↓
%url1%{https://peing.net/ja/q/bae88095-0a7f-4eba-aca1-1c1a6ae11935/completed}
まず最初に、、
断熱気密換気空調Q&A、
発行するから文章の訂正があったら
教えてねとエクスナレッジさんから
依頼があって、文章の訂正箇所を
送ったまま私もすっかり忘れて
おりまして、発行されていたことを
質問箱で初めて知りました。
いやお恥ずかしい。
SNS等々で、話題になった印象が無い。
どちらかというと、同時期に同社から
発行された辻先生の本の方が話題に。
テーマの被る本を同時期に同じ出版社が
出す意味とは??
それはさておき質問の内容に。
空調換気において、機械換気を
やりつくした後は、動力を使わない
パッシブ換気に取り組んでいただくのも
有りだと思います。
パッシブ換気は使用できる条件が
色々とありますが、2024年現在でも、
そのコスパと維持管理性能において
右にでるものはいない換気システムです。
↓ ↓
%url2%{https://www.ohtori.net/k-blog/passive-ventilation-demerit/}
そんなパッシブ換気における、
換気量を決める要素は、
内外温度差、給排高低差、開口広さ、抵抗
の4つになります。
給排高低差も非常に大きな要素です。
あとは外に吹く風の影響。
どのくらいの高低差が必要なのか。
という事ですが、極論を言うと、
平屋でもパッシブ換気は発現します。
それぞれの要素を計算式に当てはめて
行けば、換気量は算出できます。
高低差が小さければ換気量も少なく。
高低差が大きければ換気量も多く。
そしてその算出された換気量が、
求める換気量に対してどの程度
賄っていけるものなのかを測る。
賄いすぎるのであれば絞る工夫を。
足りないのであれば補う工夫を。
高低差はあれば増える、無きゃ減る。
というだけのものになりますので、
一概に○○m無いとダメとは言えない。
パッシブ換気はそんなデジタルに
出来る/できないで処理できるものではありません。
その辺の計算については、
とてもメルマガで書ききれるボリューム
ではありませんので、是非設計者さんに
頑張って勉強していただいて、
計算にチャレンジしてもらって
頂ければと思います。
質問で頂いた設計条件であれば、
パッシブ換気の導入は可能です。
ただ、生半可な知識でやるもんじゃない。
パッシブ換気の相手は自然です。
スイッチを入れれば人間様のいう事を
聞いてくれるお利口な味方はいない。
自然の赴くままに換気量は気まぐれに
変わっていきます。
その地域の一日の気温差はどんな感じ?
その地域の一年の気温推移はどんな感じ?
パッシブ換気が動く冬季の風向と風速は?
近くに山や川、海などの、風向に影響する
自然はどんな感じで存在する?
設計したものが上手くいっているかどうかの
検証はどのように行う?
私自身、初めてパッシブ換気に触れたのが、
2016年になります。
そして岐阜で初めてパッシブ換気の家を
設計して引き渡したのが2018年です。
北海道じゃない地域でパッシブ換気を
導入するために、理論的な検証や、
理想的な風の吹く地域での建築相談を
待つ時間、パッシブ換気が動いているか
どうかの検証方法の検討などで、
2年費やしたんですね。
何故かというと、お客様の家を
とりあえずやってみるための
実験台にはしたくなかったから。
絶対に成功するという確証が得られない
まま施主宅で実験するのは職業倫理
としていかがなものかと思ったから。
そしてその結果、十二分なデータが
取れましたので今ではほぼ、狙った
換気量を得ることが出来るような
設計精度になってきております。
最初に挑戦するのであれば、
足りない時のバックアップ、
余った時のバックアップ等
幾重にもセーフティネットを
張ったうえで、ばっちりの
計算をして取り組んでほしい。
繰り返しますが、いただいた条件なら
パッシブ換気は可能だと思います。
しかし、適当にやっただけでは、
大きな失敗をする事もあり得ます。
耐震であれば、決められた強度以上の
物を確保すれば、後はどれだけ
強すぎたって問題ないんです。
しかし、換気空調は、行き過ぎちゃダメ。
学校のテストでも、80点以上なら
何点でもいいという目標と、
70~74点の範囲だけがOKで、
それ以下でもそれ以上でもダメ。
みたいな狙いを付けるほうが、
難しいじゃないですか。
パッシブ換気はそういうものです。
設計者さんにやる気があるのなら、
然るべき勉強をしてもらって、
万全を期したパッシブ換気に
挑戦してもらえたらと思います。
