凰建設の森です。
3連休、明けましたね。
私は今日は朝から、
完成した現場の社内検査。
今回はリノベの家です。
築50年のRC住宅。
建築技術者さんだった、
亡き伯父様の家を改修。
柱梁の構成は見るからに
50年程度で壊す事を
想定した建物ではない。
他の会社に相談に行くと、
新築した方が良いですよと。
ちなみに解体には
1000万円くらいかかる。
って言われたとの事。
そうだと思います。
すごくしっかり作ってあるもん。
これ以上住めないという
烙印を押すんだけど、
解体に1000万円の見積。
こんなにしっかりした建物を
壊すなんて大変な事だと、
分かっている。
なのにそれでも
新築を勧めようとする。
なぜ、直して住みましょう
という言葉を言えないのか。
内装は石張り、へぎ板張りなど
贅を尽くした仕様になっている。
こんなの今はもう手に入らない。
よくもまあ、これを壊しましょうと
簡単に言えたものだと思いました。
今回のリノベは、内装はあまり
手を付けておりません。
壁紙などの耐久性が低い部分は
張り替えましたが、後は
基本的にそのままです。
設備の交換、開口部の交換、
内窓の設置、外皮の断熱。
パラペット→屋根への換装。
ここまでやっておけば、
また次の50年使える家に。
RCの躯体部分をしっかり
断熱材で覆いましたので
中性化の進行を遅らせる
効果もありますから。
同じ広さ、同じ構造、
同じ内装グレードで
高断熱仕様にて
建て替えをと思ったら、
8000万円~1億円位は
かかると思う。
100年使える構造体、
設備のメンテのしやすい仕様
100年輝きを失わない内装。
それが元々備わっていた。
お施主様ご家族にとっては
非常に価値のある住まいを
残していただけた事になる。
一生のうちで家に掛けるで
あろうお金は随分と、
抑えられるはずです。
岐阜に限らず、日本全国で
壊してしまったら二度と
手に入らない材料で作られた
家が沢山あります。
古い建物、思い入れのある建物を
受け継いだとしたら、あなたは
心のどこかでこう思うはず。
自分の代でこの建物を
壊してしまっても良い物か?って。
でも、建築会社に相談に行くと、
壊して建て替えるという返事しか
返ってこないのが殆どです。
そして壊して建て替えたとする。
住宅設備は最新のものになる。
構造も、とりあえずは現行基準。
断熱は、前よりはよくなる。
内装や外装は、、、
高い確率で建て替え前の家の
劣化コピーになっています。
50年そのまま使えた無垢の床は
20年後にはボロボロになる床に。
50年そのまま使えた壁の素材は
20年後には変色してめくれる物に。
50年そのまま使った外壁は、
15年おきに足場を建てる事になる。
QOLは上がれどお金のかかる
家になってしまったというのは
よくある話になります。
家を相続して貰えるというのは、
本来、とてもラッキーな事です。
今回のお施主様みたいに、
丈夫な構造で、重厚な内装の
家を相続できたのであれば、
自分がやるのは断熱と設備の
更新のみという事に。
一生で家に掛けなければならない
お金はとても少なくて済む。
とても恵まれた人生だと言えます。
かと思えば、家を新しく
建てねばならない人もいる。
残念ながら、自分が住みたいと
思える家を相続することが
出来なかったから、自分で
家を建てるしかないんですね。
それは、立地の問題もあるでしょう。
住宅の中身の問題もあるでしょう。
想像してみてください。
自分が家づくりを始めて、
しばらくしたら、ご両親から、
「そういえばお前が土地を
探していた辺りに住んでいた
伯父さん、亡くなっただろ?
あの家、誰も住まないから、
住んでもいいって言われたよ。
2001年に建ってて、
なんか性能の証明書?
みたいなのもあるみたい。
耐震等級2、断熱等級4、
Q値2.2W/m2K、C値0.9cm2/m2
他にも色々書いてあるらしい。
23年経ってるけどまあ、
綺麗な方じゃないかな?
どう、一回見てみる?」
って、言われたとしたら?
少しでも家づくりの勉強を
した人であれば、恐らく、
その家を貰って、自分の
気に入らない所だけ直して
住むことを選択するはず。
そのレベルの性能がスタートなら
2000万円もあれば大概の
夢が叶うリノベが出来る。
土地と建物合わせて6000万円の
予算で家づくりを考えていたのが
1/3で収まるとしたら、
あなたの人生はどれだけ経済的に
豊かになるでしょう。
もし、今でも通用する性能の家が
どこかから相続できるのであれば、
そっちを選ぶという人は多いはず。
しかし、現実には、あなたには
そんな都合の良い話は無いんです。
相続する家や土地があったとしても
そこには住みたくないなと思う
土地や家ばかりだったんですね。
だから、あなたは大枚をはたいて
土地を探して家を建てたり
古い家を建て替える羽目に。
そして、あなたはどんな家を建てるか?
数十年後にあなたが亡くなった後、
周りの人があなたの家を欲しがるような
家を建てる事が出来るのか?
それとも、解体費用位残して
死んで行けよなと親族から
悪態をつかれるような家しか
残すことができないのか。
解体費用位ちゃんと残してやるって。
と思っている人も多いでしょうが、
アスベスト規制や処分場容量不足
職人さんの人手不足や高齢化で
解体費用もここ数年で3割程、
価格が上昇しております。
あなたが残すつもりのお金では
全然解体費用が賄えないという
可能性は割と高いかと思います。
自分が住みたいと思う土地や家を
相続することが出来なかった。
自分がそのまま住みたいと思える
中古住宅は世の中には無い。
という多くの人の体験と、
子供や孫、他人に住みたいと
思ってもらえる家なんて残しても
仕方ないという多くの人の思考が
連綿と受け継がれた結果、
貰った家を2000万円で直して
一生住んでまた誰かに譲る。
じゃなく、
多くの人がが5000万円以上かけて、
土地から家を建てたり、
解体して家を建てたりする
社会が出来上がっているんですね。
そりゃあ、私たち建築会社は
儲かる訳です。
今となっては何のキャンペーンも
行わずとも、新築が良いという
意識が消費者に染み付いているから。
国民の多くが、貰った家を
2000万円位かけて好きな感じに
直して次の世代に受け継ぐ。
極一部の人が1億円位かけて
その後200年住める家の礎を作る。
そんな社会と、
多くの国民が5000万円の
お金を払って次の世代に受け継ぐ
事の出来ない新築を建てる社会。
建築会社が儲かり国民が
貧しくなるのが後者になりますが、
残念ながら今の日本はそっちの
路線を突き進んでいます。
後の世代に家なんか残したって
仕方ないというのが常識だから
あなたは長い年月住宅ローンを
払う事になっているんですね。
そういう社会をそのまま今の
子どもたち世代にスライドさせると
子どもたち世代はますます貧しくなる。
家の寿命が短くていい、次の世代に
残すことを考えなくてもいいと
思っている人は、この社会をどうしたい?
その考え方の先に、豊かな社会が
存在するとしたらどんな理屈でしょう?
土地を買ったり家を建てたりする
苦労を知っているあなただからこそ、
それが労せず手に入る世の中の
素晴らしさを想像できるはずなんです。
そういう社会を後の世代に
残してあげたいと思いません?
