凰建設の森です。
本日はお勉強の日
子どもと一緒に、
歴史の勉強を
しておりました。
どちらかというと
大人の方が楽しくて
子どもはおいてけぼり。
あるあるかと思います。
この3連休で、
大工さんの技能競技会が
開催されております。
↓ ↓
%url1%{https://www.zenkensoren.org/training/seinenginoukyougitaikai/jikaitaikai/}
今年も岐阜県予選を
勝ち上がった佐藤君が
本日、全国大会で
頑張っています。
このメルマガが
配信されるくらいには、
競技は終わっています。
明日は作品の品評会。
今年はどんな結果に
なるでしょう。
楽しみです。
建築、とりわけ木造住宅に
おける大工さんという職種は
現場の顔と言っても良いです。
昔に比べればその職務分掌は
随分と少なくなりましたが、
それでも全業種中で一番多い。
また、必要とされる技能も
少しずつ変わってきております。
昔は、複雑な形の木材を
如何にぴったりと組み合わせるか
という技術が求められましたが、
今はどちらかというと、材料自体は
綺麗に製材されておりますので、
如何に水平垂直を出すかという
事に集中できると思います。
今回の協議会で作る作品は
四方転び踏み台。
これは、足は斜め、天板は水平
という踏み台を作る競技です。
水平垂直だけではダメなんですね。
接合する部材の角度の計算なども
出来ないと勝負になりません。
sin cos tan
高校でやりましたよね。
関数電卓を使う大工さんもいれば
差し金を使う大工さんもいる。
学校の勉強ができないから大工さんに
みたいなイメージを持っている人も
いらっしゃるかもしれませんが、
本当に勉強ができない人は大工さんには
なれません。
もしくは、既に製材されたものを、
水平と垂直に加工するだけとか、
既に加工されたものを止めつけるだけの
仕事で良い職人さんにしかなれない。
そういう職人さんでも仕事が出来るように
仕組みを作ったのが工業化住宅という物です。
いわゆるプレハブ住宅ですね。
木材の複雑な加工という、
大変な技能を覚える一歩手前で
独立できるようになりますので、
一時期大工さんのハードルは
随分下がったし、日本の住宅の
数を普及させるのにも役立った。
しかし、それでも追いつかないくらい
大工さんが減ってしまっているのが、
今の日本です。なぜか。
ハードルを下げる努力をしただけで
大工さんを育てる努力はしなかった。
ちょっと意地悪に描写すると、
地域の大工工務店が大事に育ててきた
大工さんを、簡単な仕事で稼げるから
といって引き抜き、単純作業に従事させ
そのまま年を取らせて終わり。
社員さんとして迎えるのではなく、
業務委託先として迎えるので、
加齢により仕事が出来なくなって、
やめるかどうかはその大工が
勝手に決めればいいよという話。
綺麗に言えば生涯現役。
有体に言えば、働くのをやめたら死ぬ。
恐らく今日本で一番有名な大工さんは
福井の「正やん」かと思います。
息子さんが正やんを大工として
プロデュースしようと思った
背景が、正やんの老後資金問題。
おとん、稼ぐのやめたら
生きてけんやん。
なんですね。
正やんは、息子さんのおかげで、
老後も全く心配がなくなりましたが、
稼ぐのをやめたら生きていけない
大工さんは今でも日本中に沢山いる。
大工不足なため、自分が頑張ろうと
思えば80歳であろうと働けてしまうので
大工さんも何とかなっていますが、
現役で働き続けるしかない。
昔の大工さんは違ったのか?
今みたいに新築がポンポン建つわけじゃない
江戸時代みたいな時に大工さんは
どうやって一生を終えていたのか?
後進を育てる事で糧を得ていたんですね。
大工人生としての終わりが見える前に、
若い子を雇って教えていく。
一人前になるまでは、手間賃の幾分かを
分け合ってやっていく。
なんだピンハネかと思われるかと
思いますが、現代社会と何が違う?
若い稼ぎ頭に依存しているのは同じです。
その、大工さんの老後を生きるための
育成システムを破壊してしまったのが
今までの住宅業界になります。
大工さんの業界団体が今日のように、
技能競技会を開いたりして、
なんとか後進の育成をやっている
というのが日本の現状です。
後進の育成を諦めると、人材育成費が
浮きますのでコストダウンが図れる。
その悪魔のささやきに耳を傾け続けた
会社には既に若い大工さんは居ないし
いたとしても教えられる人が居ないから
難しい仕事はできません。
これから本格的にリノベ時代に入る。
日本中に建っている、大工さんの技能が
ふんだんに使われた建物を直すには、
やはり技能を持った大工さんじゃないと
出来ないんですね。
大工さんをないがしろにした
建築会社に依頼をすると、
あなたにとって何か不都合なことが
起きるのか?という話ですが、
今までは起きませんでした。
しかしこれからは起きます。
だって、もう居ないんだもん。
新築を建てて10年後20年後、
大工さんのいない会社は、
そもそも存続が難しい。
存続できたとしても、
あなたの家をまともに
直してくれる職人さんがいない。
営業マンなんていくら居たって
何の役にも立たないんです。
リノベ専門の会社に頼めば
いいじゃないかと思われるかと
思いますが、自分でやった建物
を直す見積をする時は、やっぱり
正確に出せます。
知らない建物の見積は、
何があるか分からないから
高めに出す必要があります。
だから、後々ちゃんと続いてくれそうな
会社を新築の時に選ぶ、かつ
大工さんを大事にしている会社を選ぶ
というのは非常に大事な事です。
また、そもそも後々リノベ等の
相談に乗るつもりがあるのかどうか
という事を確認することも大事。
ほんのちょっとしたリノベで、
新築の時の性能担保が全部
崩れる、旧38条認定や、
今の型式適合認定などで
家を建てている建築会社だと
将来的に大きなリノベをして
建物を長寿命化させようなどという
良心的な事は考えていません。
「御社は型式適合認定じゃなくて
ちゃんと一軒一軒、個別に省エネや
構造計算を行って確認申請を出し、
設計図書を全て施主に渡してくれますか」
って確認しないと怖くて家が
建てられないことになります。
大工さんの事もそうですが、
家づくりはこんな風に落とし穴が
いっぱいあるんです。
一事が万事。
どうぞ、依頼先の会社の
姿勢をきちんと見定めて
頂ければと思います。
